澱粉工業学会誌
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8 巻, 3 号
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  • 大久保 増太郎, 福田 稔夫, 前沢 辰雄
    1960 年 8 巻 3 号 p. 77-82
    発行日: 1960年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
     標準及び無加里栽培における沖繩100号について,生育の各時期毎にその組織を顕微鏡的に観察し,合せて収量,水分,澱粉,糖及び窒素の変化を測定して次のような結果を得た。 (1)甘藷の生育にともない,組織細胞の大きさは増大し,細胞内の澱粉粒子も生長する。この粒子の生長は,成分的には澱粉含有量の増加となって現れる。 (2)地上部は8月(中)下旬に一つの転期があり,成分の消長に大きな変化をきたす。即ち澱粉含有量と窒素は最低を示し,水分と直接還元糖は最大となる。 (3)同じ時期に,地下部の澱粉含有量は急激に増加し,水分は激減する。 (4)標準区と無加里区とでは,塊根の澱粉含有量が生育後期に異った様子を示す。即ち,標準区は9月中旬に最高に達し,その後は減少するが,無加里区では漸増する。 (5)非還元糖については,標準区では澱粉が最高に達する時期に低くなり,澱粉の減少にともない増加する。無加里区ではこの時期に非還元糖の増減はみられない。 (6)葉及び塊根の窒素は,生育の初期に最高で,その後は減少し,8月下旬に最低となり,生育後期に再び増加する。この傾向は特に葉において著しい。
  • 福田 稔夫, 前沢 辰雄
    1960 年 8 巻 3 号 p. 83-86
    発行日: 1960年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
     生澱粉の貯蔵方法について実験室的試験を行い,次のことがわかった。 (1)合成洗剤(アルキルベンゼン系中性洗剤,ライポンP)は土肉分離後に加え,pHを7に調整し,洗剤液を張って貯蔵する場合が結果がよかった。 (2)合成洗剤の添加量は対生澱粉0.05%では,ほとんど防腐効果はないが,0.075%以上で効果が現われ,普通0.1%でよい。長期又は気温の高い場合,細菌の混入程度の多いものや澱粉の品質が悪い場合などは0.125%加えればよい。 (3)加酸貯蔵法については2.3までpHを下げて試験したが,細菌が繁殖して,酸による目減りを測定しえなかった。ただし筆者の場合夏期高温で貯蔵した。 (4)生粉の上面に水をかけ流す方法は,細菌の繁殖が著しくて目減りが多く,かつ澱粉は流水によって流亡しやすいので不利である。 (5)原料甘藷の品種の差による生粉の貯蔵性は,オキマサリはすぐれ,農林1号は劣るなど品種問の差がある。 以上のことは一つの条件の下で実施した試験であり,工場規模の生粉貯蔵に関しては,さらに検討したいと思っている。
  • 液化困難な澱粉のビスコグラフによる解析
    荒井 克祐, 半野 敬夫, 鈴木 繁男
    1960 年 8 巻 3 号 p. 87-96
    発行日: 1960年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    1)いわゆる液化困難な澱粉の性状をビスコグラフで研究したところ,糊化点が高く,また最高粘度に到達するのにかなりの時間がかかることから,ミセルが強固で,熱による膨潤に対する抵抗の強いことがわかった。2)つぎに,これらの澱粉の液化しがたい原因は,加えた液化酵素が,澱粉の膨潤より以前に熱失活を起すためであることを確めた。3)この際に高温耐熱性酵素を加えると,液化困難澱粉も対照区とほぼ同粘度まで液化し,その加水分解率は,それぞれ16.3%および15.5%あった。4)今回の液化困難な澱粉は,顕微鏡所見および分析値から,明らかに二番粉であることがわかった。5)そこで澱粉の粒子の大小による液化を調べるために,ホィッッァー風力分級機で分級した大小粒子について,ビスコグラフィーおよび液化実験を行ったが,顕著な差は認められず,液化液の加水分解率も同様であった。6)以上の結果から,今回の液化困難な澱粉は,二番粉が何等かの原因で変質して,ミセルが極めて強固になったものと考える。これらの原因については目下実験を継続中であるが,単なる薬品処理だけのためとは考えられない。
  • 後藤 富士雄, 山口 雅已
    1960 年 8 巻 3 号 p. 97-98
    発行日: 1960年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    1) 従来の酸度測定法は,澱粉乳のpHとは必ずしも一致しない。2) それに反して澱粉乳に直接N/50カセイソーダを滴定中和する直接滴定酸度は,pHと高度に相関する。3) 実際利用面からすれば,澱粉乳のpHまたは直接滴定酸度の方が酸度よりも適当である。よって筆者は従来の酸度の代りに,pHまたは直接滴定酸度で品質を規定することを提唱したい。4) 澱粉乳の簡易酸度鑑定法として,澱粉に対し5倍量の水を加え,指示薬としてプロムチモールブルーとメチルレッドの等量混合液を添加し,その際の呈色をpHで鑑別する方法を考案した。
  • 福岡 一三
    1960 年 8 巻 3 号 p. 99-103
    発行日: 1960年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 芳雄
    1960 年 8 巻 3 号 p. 104-108
    発行日: 1960年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
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