澱粉工業学会誌
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9 巻, 3 号
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  • 日高 輝夫, 金丸 和男
    1961 年 9 巻 3 号 p. 69-74
    発行日: 1961/03/31
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
     生澱粉の長期貯蔵中の生酸の状況,および各種変敗防止剤について検討を加えた結果次の通りであつた。 1.貯蔵中の生酸は温度の影響が大であると共に,品質にも影響される常温貯蔵の場合特に気温の上昇し始める3月中旬頃より急激な生酸を見るのでなるだけ早期に処理することが望ましい。 2.各種醗酵防止剤について試験したが,生酸の点より考えると鉱酸(この場合硫酸)によるpHの低下の方法が経済的で,又有効であり,pH3.0ではほとんど変化がなかつた。又,酸化剤については,短期間の場合有効であるが,次亜塩素酸の分解するにつれて生酸も増大した。 又D.B.Sの場合0.5以上/干粉の場合ほとんど生酸に見なかった。 3.澱粉の貯蔵中の減粍は,約8カ月で無処理の場合6.5%と予想外に大きく,長期貯蔵の場合何らかの防止剤を使用して貯蔵する必要を感ずる。 4.澱粉粕の貯蔵中の変化は予想外に大きく,やや暖かい時期であったが4~5月の試験で,約20%の固形物の減量を来たすと共に,有機酸の生成と澱粉価の減少を来たし,二次加工原料としても品質低下を来たすので,なるだけ早く処理すべきである。
  • 貯蔵澱粉中の生成有機酸の組成と乾燥工程中の動行について
    日高 輝夫, 金丸 和男
    1961 年 9 巻 3 号 p. 74-76
    発行日: 1961/03/31
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    生粉貯蔵中,生成した有機酸の組成及それ等の有機酸の乾燥工程中の動行について実験した。1.生成した有機酸は酪酸40~43%,酢酸31~43%,乳酸20~21%でこの他に微量のプロピオン酸,ギ酸ケトグルタル酸等が検出された。2.生成した揮発酸は風乾の場合7~13日で大部分揮発し,pHもそれにつれて,若干上昇することを知った。
  • 生デンプン貯蔵時のデンプンの損耗と変敗デンプン中の発酵生産物について
    藤井 徹也, 大場 健吉
    1961 年 9 巻 3 号 p. 77-79
    発行日: 1961/03/31
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
     生デンプンの貯蔵の際生ずる変敗発酵損失について,実験室的に検討した結果,30℃ に放置した場合,通常の生デンプンは1カ月間で5%を超えるロスを生じ5カ月後に15%,7カ月後には23%と直線的にロスが増大する。一方変敗発酵を起した生デンプンからの発酵液を分析した結果,その大部分が酪酸を主体とした揮発性酸であることが確認された。これらのことより生デンプンの変敗発酵は,生デンプン中に混入した酪酸菌によるものと推測される。また,ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウムを添加した貯蔵生デンフンは高温に長期間保存しても安定でありドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウムを0.1%添加したものは7カ月後においてもそのロスは5%以下であり,0.5%添加したものは更にロスが少く2%以下で卓効を有することから,ドデシルベンゼンスルフオン酸ナトリウムは生デンプンの変敗発酵原因菌に対して強い抗菌力を有し,これによって生デンプンの変敗発酵が抑制されるものであると推察される。この点については別に報告する予定である。
  • 原料小麦粉の品質が小麦粉澱粉製造に与える影響
    勝屋 登, 渋谷 新四郎
    1961 年 9 巻 3 号 p. 79-86
    発行日: 1961/03/31
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
     原料小麦粉が小麦澱粉製造に与へる影響を考察するため製粉履歴の異る各種小麦粉および貯蔵した小麦粉について分析,実験を行い次のことを明らかにした。1)小麦粉の灰分は製粉履歴および他の品質と密接な関係があり,澱粉製造上から重要視される澱粉,赤粕,白粕等の含量,水溶性損失,窒素収率等は灰分と関連して増減する。 2)小麦澱粉製造の面からは小麦粉は灰分の少いものほどよいが,蛋白含量の多い粉は灰分が多くなる傾向があるので,経済的には関連するグルタミン酸原料のグルテン収量をも考慮して撰択する必要がある。 3)原料小麦粉を倉庫に堆積して貯蔵すると澱粉収量窒素収率が次第に低下し,澱粉乳の起泡性が増加するが,変質に最も大きく影響する因子は気温が一定温度以上に達した時に起る小麦粉の発熱である。 4)発熱変質した粉の製造工程に与へる影響としては特に窒素収率の低下,グルテンの硬化,発泡性の増大が重要であるが,これらは小麦粉に石灰と微量の亜硫酸を加へる事によって直す事が出来る。
  • 小麦澱粉の粒径分布とこれが炉過に及ぼす影響
    勝屋 登, 高橋 礼治, 関野 畔
    1961 年 9 巻 3 号 p. 86-91
    発行日: 1962/03/31
    公開日: 2011/07/01
    ジャーナル フリー
     小麦粉の粒径分布と,これが濾過速度におよぼす影響をみるため,これ等の測定法および相互関係について検討し,次のような結果を得た。 1.土壊試験に用いる淘汰装置によっても澱粉の粒径分布は調べられ,再現精度もよいので工業的な管理分析法としても適当である。2.小麦粉中の澱粉および製品小麦澱粉の粒径分布はRosinの粉末粒度分布式で表現されると共に,大体正規分布していると考えても差支えない。3.澱粉の品質銘柄によって粒径分布は異り,上位銘柄のもの程大粒子部が多くその上分布の巾はせまい。4.澱粉の濾過速度は小粒子澱粉含量が増大するにしたがい低下し,濾過し難くなるが,ある限界を越すと変化は少くなる。粒径の分級管理は製品の濾過操作の管理上からも重要である。
  • 各種濃度のサラシ粉で処理した甘藷澱粉の液化および糖化
    荒井 克祐, 半野 敬夫, 鈴木 繁男
    1961 年 9 巻 3 号 p. 92-97
    発行日: 1961/03/31
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
     サラシ粉処理が甘藷澱粉の酵素液化および糖化におよぼす影響について試験した。 1.サラシ粉で処理した澱粉のビスコグラムはサラシ粉の使用量が増加するにしたがって,糊化点がやや高くなる傾向がみられ,最高粘度は逆に低下した。 2.ビスコグラフによる液化液の濁度,吸光度を測定したが,サラシ粉で処理すると対澱粉0.05%から増加する傾向がみられる。殊に0.4%以上ては急激に増加した。 3.ビスコグラフによる30%澱粉・酵素懸濁液の液化を行ったが,糊化点はほとんど差力潔められなかった。最高粘度はサラシ粉の濃度が増加すると低下する。Break Downはいつれも6分程度で差は認められなかった。 4.液化不良澱粉の定量法を考案し,サラシ粉で処理した澱粉に応用したが,サラシ粉濃度が高くなると液化不良澱粉が増加する傾向がみられた。 5.サラシ粉処理の糖化におよぼす影響について検討したが0.2%までは対照区とほとんど差がなかったが,それ以上の使用はやや糖化の伸びに影響をおよぼすことを認めた。ペーパークローマトグラフィにより,若干のマルトース,イソマルトース,パノースおよび原点付近にやや高分子のスポットが検出された。 6.以上の研究は製造直後の生澱粉を4回洗滌したかなり純度の高い試料について行ったので,現場で行なわれているようなサラシ粉処理の場合は,更に実際的な検討が必要と考えられる。
  • Carl E. Hendel, 貝沼 圭二
    1961 年 9 巻 3 号 p. 98-107
    発行日: 1962/03/31
    公開日: 2011/07/01
    ジャーナル フリー
  • 武井 仁
    1961 年 9 巻 3 号 p. 108-115
    発行日: 1961/03/31
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
  • 頼富 憲三郎
    1961 年 9 巻 3 号 p. 116-122
    発行日: 1961/03/31
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
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