地下水学会誌
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48 巻, 2 号
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  • 長谷川 琢磨
    2006 年 48 巻 2 号 p. 75-86
    発行日: 2006/05/26
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    地下水流動解析がより一般的に用いられるためには,地下水流動解析の信頼性を高めていくことが重要である.このためには,地下水流動解析に手順の一貫性や仮定の透明性が求められる.調査した結果,諸外国では地下水流動解析のガイドラインが活発に作成されていることがわかった.近年では,地下水流動解析のガイドラインは技術的な内容に留まらず,外部への説明を意識したものに変化している.これは,地下水流動解析が水利用や環境問題の評価において重要な位置を占めるためであると考えられる.国内においても,水利用や環境問題の観点から地下水流動解析による評価の必要性が高まると考えられるため,地下水流動解析の品質の向上に特に重要な手順と文書化について諸外国の状況に基づいて取り纏めた.
  • 村松 容一, 福田 桃子
    2006 年 48 巻 2 号 p. 87-99
    発行日: 2006/05/26
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    千葉県野田市の下総層群には,第一- 第四帯水層が胚胎する.今回,これらの帯水層から採取した地下水の化学分析を実施するとともに,地盤調査井(孔底深度44m)掘削時に回収されたカッティングスを用いて,中部- 上部更新世の堆積物および貝化石を構成する鉱物種を明らかにした.さらに,水質形成機構を地下水一鉱物相互作用の化学平衡論によって検討した.第一帯水層には斜長石・石英などの初生鉱物およびカオリナイト・モンモリロナイトなどの二次鉱物が確認され,貝化石は方解石とあられ石からなることが明らかとなった.地下水はCa-HCO3型に卓越し,深部に向けて次第にあられ石と方解石に不飽和から飽和状態に近づく.また,CaO-Al2O3-SiO2-H2O系相平衡図で,地下水と平衡関係にある鉱物種はカオリナイトからCaモンモリロナイトへと深部へ向けて変化する.したがって,Ca2+とHCO3-の深部へ向けた高濃度化は,貝化石の溶解反応,および斜長石の風化反応によるカオリナイトやCaモンモリロナイトの生成に起因する.
  • 田中 芳則, 中山 千栄子, 廣瀬 寛幸
    2006 年 48 巻 2 号 p. 101-111
    発行日: 2006/05/26
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    埼玉県西部の一湧水を対象として,2年間にわたって湧水量と硝酸態窒素を中心とした水質を継続観測した.降雨時に地下水位の上昇,ならびに湧水量の増加は顕著であり,湧水中の硝酸態窒素濃度も増加する.地下水中に硝酸態窒素などの可溶物質が取り込まれる地域環境条件としては,雨水が浸透しやすい畑地を主とした土地利用状況と浅い地下水位があげられる.湧水中の硝酸態窒素濃度は畑地への肥料投入時期,投入量ならびに降雨量と密接に関係する.投入肥料の経日的消失を考慮した地下水タンクモデルを用いて,湧水量と湧水水質に関するシミュレーションを行った結果から,雨水浸透に伴う硝酸態窒素の地下水への押し出しが推定された.
  • 島野 安雄, 藪崎 志穂
    2006 年 48 巻 2 号 p. 113-124
    発行日: 2006/05/26
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
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