地下水学会誌
Online ISSN : 2185-5943
Print ISSN : 0913-4182
ISSN-L : 0913-4182
56 巻, 4 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
特集
論説
  • 加藤 進
    2014 年 56 巻 4 号 p. 299-307
    発行日: 2014/11/30
    公開日: 2015/01/09
    ジャーナル フリー
    秋田地域油・ガス田から産出する地層水は次のような地球化学的特徴を有している。
    1 )海水と比較すると,SO42-とMg2+が著しく減少しているのに対し,有機物と密接に関係しているHCO3,NH4,Iが著しく増加している。
    2 )地層水のδD は非常に狭い範囲(-17~-4‰)に集中しているのに対し,δ18O は-3.5~+3.7‰と大きく変化しているが,新潟地域油・ガス田の地層水に類似している。
    地層水は堆積時にトラップされた海水起源であり,堆積物の続成作用,有機物の熟成,貯留岩との反応などで変質したものと考えられる。
  • -秋田における若干の観測結果についての考察-
    松葉谷 治, 川原谷 浩
    2014 年 56 巻 4 号 p. 309-320
    発行日: 2014/11/30
    公開日: 2015/01/09
    ジャーナル フリー
    降水が地下水や河川水となる過程を理解するために,秋田市においてそれらの水の水素・酸素同位体比の比較を行った。地下水や河川水の同位体比は,降水が示す大きな季節変化はなく,1 年中ほぼ一定で,しかも降水の年平均値と類似する。これは,地下水や河川水となる降水の同位体比が地表付近での蒸発・蒸散による変化や河川への直接流出の影響を受けていないことを示唆する。そのためには,降水が,河川へ流出する部分と,蒸発・蒸散により大気中に戻る部分に分かれて浸透するのか,あるいは浸透する降水が地下浅所で十分混合され,その均質化した水が大気中に戻るのか,それとも他に可能性があるかを明らかにしなければならない。
資料
訪問記
名著を読む
feedback
Top