地下水学会誌
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57 巻 , 4 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
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論文
  • 村上 裕晃, 田中 和広
    57 巻 (2015) 4 号 p. 415-433
    公開日: 2016/02/01
    ジャーナル フリー
    島根県津和野地域では,塩濃度の高い鉱泉水がガスを伴い自噴している。この鉱泉水とガスについて,湧出箇所と地化学的特徴を調査した。津和野地域の鉱泉水は最大で海水の約半分程度の塩濃度を示す。自噴するガスは二酸化炭素が主成分である。これらの特徴に加え,鉱泉水の水素・酸素同位体比は天水線から外れる組成を示し,希ガス同位体比からマントル由来のヘリウムの混入が示唆される。これらの地化学的特徴と周辺の地質構造から津和野地域の高塩濃度流体の成因を考察すると,津和野地域の高塩濃度流体には地下深部から供給される流体が含まれていると考えられる。しかし,津和野地域の高塩濃度流体に深部流体が含まれているとしても,その寄与量は最大でも4分の1程度である。また,高塩濃度流体の指標となる塩化物イオンのフラックスが活断層周辺で最も高いことから,高塩濃度流体は活断層を主要な水みちとして移動していると推測される。ただし地表付近において,高塩濃度流体は活断層周辺の亀裂も利用していると考えられる。
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特集「九州・沖縄地域における帯水層中での硝酸性窒素の動態」
論説
  • 細野 高啓, 林 殷田, アルバレス ケリー, 森村 茂, 曾 祥勇, 森 康二, 田原 康博, 松永 緑, ホセイン シャハダッド, 嶋田 ...
    57 巻 (2015) 4 号 p. 439-465
    公開日: 2016/02/01
    ジャーナル フリー
    熊本地域における地下水硝酸性窒素の由来ならびに帯水層中での硝酸イオンの振る舞いについて,最新の研究を通して明らかになってきた成果を解説する。特に,最新の同位体トレーサー法を駆使して解明されてきた,帯水層中における硝酸汚染の自然浄化機能として重要な脱窒現象の実態について解説する。合わせて,現在進行中の微生物培養実験,菌叢解析,不飽和帯土壌解析,地下水シミュレーションを応用した研究の進捗ついても紹介する。地域地下水における硝酸汚染への対策に臨むに当たり,多角面からの解析結果を統合してその動態を理解することが望ましく,こうした概念が将来の研究に浸透していくことが期待される。
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論文
  • 嶋田 純, 伊藤 沙希, 荒川 祐介, 多田 和広, 森 康二, 中野 慧, 利部 慎, 松永 緑
    57 巻 (2015) 4 号 p. 467-482
    公開日: 2016/02/01
    ジャーナル フリー
    福岡県朝倉市の佐田川扇状地において3年間に渡って調査された地下水位および地下水中の硝酸イオン濃度や硝酸イオン中に含まれる窒素・酸素安定同位体比等のデータから,地域の地下水変化特性と浅層不圧地下水中の硝酸イオン濃度の変動特性は,作付け作物とその施肥時期および水田への灌漑時期に大きく影響されていることが明らかになった。そこで土地利用に応じた施肥量とそのパターン,作物吸収量等を考慮した地表からの正味の窒素負荷を踏まえた3次元地下水流動及び移流分散解析モデルを構築し,当該地域の帯水層中の窒素挙動の再現とそれに基づく窒素収支の検討を行った。その結果,現在の佐田川扇状地における地下水中の硝酸性窒素濃度は,地域の施肥起源の窒素負荷により,年間3mg/L 程度を下回ることが無い状態で毎年の濃度季節変化が繰り返されていることが示された。現状の窒素収支ではこの濃度を下回ることがない状態でほぼ定常状態になっていることから,この低限値は,それまでの積年の施肥負荷によって形成されたものと考えられる。モデルから,下流域への窒素流出量として毎年106kg/ha の過剰窒素が地下水流動により域外へ排出されていると見積もられた。
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  • 中川 啓, 渡辺 貴史, 天野 弘基
    57 巻 (2015) 4 号 p. 483-493
    公開日: 2016/02/01
    ジャーナル フリー
    硝酸性窒素による地下水汚染が顕在化している長崎県島原市を対象として,農業集落カードを用いた窒素負荷ポテンシャルマップ作成の妥当性について検討した。農業集落カードによるポテンシャルマップは,航空写真から目視により畜舎や畑の分布を判別して作成した詳細なポテンシャルマップとも高い窒素負荷がもたらされる集落が整合する結果が得られた。作成された農業集落カードによるポテンシャルマップによると,窒素負荷ポテンシャルの高い集落の下流側では,地下水の硝酸性窒素濃度が高い傾向が窺えた。また旧市町村ごとの窒素負荷ポテンシャルマップの変化を調べたところ,1985年を境にポテンシャルの分布に変化が見られた。
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  • 松永 緑, 嶋田 純, 細野 高啓, 田原 康博, 岩佐 耕次
    57 巻 (2015) 4 号 p. 495-513
    公開日: 2016/02/01
    ジャーナル フリー
    宮崎県都城盆地での地下水中のNO3の3次元的な挙動を捉えるため,水文観測データと窒素負荷統計データを基にして3次元地下水シミュレーションを行った。その結果,河川流量や地下水位の観測値を概ね再現できるモデルを構築することができた。また,統計データを基にして推定した窒素浸透量を用いて硝酸輸送シミュレーションを行った結果,脱窒を考慮しない条件で地下水中のNO3の濃度分布および履歴をある程度再現することができた。この結果から,本地域の地下水中での主要なNO3減衰要因は拡散や混合などによる希釈であることが考えられる。
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  • 石田 聡, 吉本 周平, 白旗 克志, 土原 健雄
    57 巻 (2015) 4 号 p. 515-532
    公開日: 2016/02/01
    ジャーナル フリー
    地下水の利用が本格化した地下ダム流域における地下水質分布の特徴を明らかにするため,1994年に締切が完了し2001年に竣工した沖縄県宮古島砂川地下ダム流域の39箇所の地下水観測孔において,渇水期の2009年および豊水期の2012年に,地下水中の硝酸性窒素濃度等を測定するとともに,渇水期に窒素安定同位体比,豊水期に不活性ガスの六フッ化硫黄(SF6)を測定した。渇水期の硝酸性窒素濃度は豊水期より高く,その理由は希釈を伴う短期的な雨水の地下浸透が少なかったためと考えられた。流域内の硝酸性窒素濃度分布は地表の窒素負荷量の分布と整合的であり,帯水層内の混合は小さいと考えられた。窒素安定同位体比は既往の研究で報告された値より小さく,堆肥化施設の運用で負荷源の中で畜産廃棄物の占める割合が小さくなった可能性が示唆された。SF6による年代測定からは,流域内にかん養後1年程度以内の地下水が存在している領域と,かん養後5年以上経過した地下水が存在している領域が存在することが明らかになった。流域内の地下水は,揚水による速い循環に寄与している領域と,移動速度が小さい領域が存在すると考えられ,流域内の硝酸性窒素モニタリング箇所の選定にはこれらを考慮する必要がある。
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訪問記
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