地下水学会誌
Online ISSN : 2185-5943
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61 巻 , 3 号
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巻頭言
論文
  • 徳増 実, 山田 佳裕, 高瀬 惠次, 中野 孝教
    2019 年 61 巻 3 号 p. 183-196
    発行日: 2019/08/31
    公開日: 2020/03/04
    ジャーナル フリー

    愛媛県西条平野の地下水の持続的利用に資する目的で,15地点の井戸における過去36年間の地下水位データを解析した。平野の中心部を東西に横切る断層の北側帯水層では,地下水位が南側に比べて約3m低かった。それぞれの帯水層内の地下水位変化は同調していた。また,長期的な降水量や流域の水利用に対する応答も南北の帯水層で異なっていた。さらに南側帯水層の地下水位が潮位の影響を受けないのに対して,北側は潮位に同調していた。これらの結果から,西条平野の地下水は断層によって二つの水塊に大別され,断層が南から北に流動する地下水に対して難透水層的な役割を果たし,地下水を堰き止めていると考えられた。

技術報告
  • 井手 淨, 鈴木 弘明, 古閑 仁美, 嶋田 純
    2019 年 61 巻 3 号 p. 197-203
    発行日: 2019/08/31
    公開日: 2020/03/04
    ジャーナル フリー

    熊本地域における地下水観測井の管頭標高値は,2016年4月に発生した熊本地震で変動している可能性が高いが,地震後の再測量に対する方針は管理行政団体毎に異なる。そこで,2017年3月に観測井管頭標高の一斉再測量を実施し,地震後の水位標高値が再測量した値を基準とするよう独自に補正値を求めた。また地震前後の管頭標高値の変動が地震による地盤標高の変動量と整合しないケースも確認された。検証の結果,地震以前の管頭標高値にエラーが考えられた。これについても熊本地震以降の一斉再測量値を基準に地震による地盤変動量を差し引くことで,地震以前の管頭標高値を再現する補正値を併せて求めた。本報告では補正値の導出過程を報告する。

特集「山岳地域の水文地質学-世界の水源を供給する地下水の重要な役割-」
論説
  • 鈴木 啓助
    2019 年 61 巻 3 号 p. 207-215
    発行日: 2019/08/31
    公開日: 2020/03/04
    ジャーナル フリー

    山岳地域では,水文学に関する降水量や降積雪量などのデータが極めて不十分である。そこで,この課題に取り組む研究の試みを紹介する。山岳地域では降水量のデータが不足しているため,流出高が降水量を上回るという水収支上の矛盾が起こってしまう。降雪としてもたらされる冬季降水量の直接観測は現状では困難であるが,雪氷化学的手法や航空レーザー測量などの間接的方法によって算定することができる。さらには,山岳地域での融雪はある時期に集中して起こることから,融雪流出高から流域冬季降水量を見積もる例を紹介する。これにより,山岳地域における降雪量の長期変動についての検討が可能となり,中部山岳地域の上高地梓川流域では1945年から最近まで降雪量は統計的に有意に増加傾向にあることを示す。

資料(連載)
訪問記
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