地下水学会誌
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巻頭言
特集「PFASによる地下水・土壌汚染への対応」
論説
  • 中島 誠
    2026 年68 巻1 号 p. 7-34
    発行日: 2026/02/27
    公開日: 2026/03/09
    ジャーナル オープンアクセス

    ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)やペルフルオロオクタン酸(PFOA)に代表される「ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物」(PFAS)による地下水および土壌の汚染について,我が国のPFASに関する基準値などの現状を示すとともに,潜在的な汚染原因と汚染源,地下水・土壌汚染の特徴,世界および我が国で把握されている地下水・土壌汚染の実態についてレビューした。その上で,PFASによる地下水・土壌汚染に対する調査の方法と留意点,対策の考え方について検討し,対策方法の現状をレビューした。

  • 野島 智也, 関 友博
    2026 年68 巻1 号 p. 35-45
    発行日: 2026/02/27
    公開日: 2026/03/09
    ジャーナル オープンアクセス

    世界各国でPFASによる汚染問題が発生しており,その調査のために様々な分析法が開発,発行されている。一方でいずれの方法にも長所と短所があり,目的に応じて使い分けることが重要となる。本論説では,現在までに発行されているPFAS関連物質の分析法について整理し,解説する。

  • 遠藤 和人, 矢吹 芳教, 尾形 有香
    2026 年68 巻1 号 p. 47-57
    発行日: 2026/02/27
    公開日: 2026/03/09
    ジャーナル オープンアクセス

    一般廃棄物ならびに産業廃棄物管理型最終処分場の浸出水中PFASs濃度,および浸出水処理技術について,既報文献から情報をまとめた。これら調査・研究が始まって間もないこともあり,本報における情報が網羅的ではないものの,処分場の浸出水からは高濃度のPFASsが検出されており,特にPFOAの濃度が高い傾向が伺える。水処理技術の開発も進んでいるが,新たな規制物質であるため,その対策コストや技術の組合せが課題となっている。また,PFOAの前駆物質は,撥水剤ポリマーとして多用されているFTOHsであることから,微生物変換によってPFOAが非意図的に生成されている可能性があるものの,嫌気性環境下での変換については知見が十分ではない。

  • 殷 熙洙
    2026 年68 巻1 号 p. 59-71
    発行日: 2026/02/27
    公開日: 2026/03/09
    ジャーナル オープンアクセス

    PFAS汚染が世界的懸念となる中,国内で土壌から地下水へのPFAS移行を正確に評価する手法が求められている。従来溶出試験法の課題を克服するべく「土壌中残存PFAS診断法」(NARO(National Agriculture and Food Research Organization)法)を開発・検証した。NARO法は5 gの土壌を用い,開始時にサロゲートを添加して全工程を追跡し,水抽出と溶媒抽出を逐次行い,土壌から水相へ移行したPFASと土壌に残留するPFASをそれぞれ定量評価する。黒ボク土ではPFOSは土壌に残留しやすく,PFOA,HFPO-DAは水相へ移行しやすい。残留と移行の比率等から地下水への移行ポテンシャルを推定できるため,作業時間と手間を大幅に短縮してトレーサビリティの確保につながる。これらの知見は,迅速なリスク判定と行政政策の形成に寄与する可能性を有する。

資料
  • 須賀 義徳
    2026 年68 巻1 号 p. 73-77
    発行日: 2026/02/27
    公開日: 2026/03/09
    ジャーナル オープンアクセス
  • 広瀬 明彦
    2026 年68 巻1 号 p. 79-87
    発行日: 2026/02/27
    公開日: 2026/03/09
    ジャーナル オープンアクセス

    PFAS化合物に関して最近のリスク評価における健康影響評価値の設定手法に関する各国の動向を紹介する。米国EPAでは,動物試験の結果を用いた2016年のPFOS及びPFOAの暫定値を再評価し,2024年に疫学研究を基にして,第一種飲料水規則による極めて低濃度のPFASの基準値(MCL)を設定した。さらにPFHxS,PFNA,HFPO-DA及びPFBSについてもMCL又はMCLGを設定した。欧州では,EFSAが2018年に続いて2020年にPFASの再評価を行い,PFOA,PFNA,PFHxS及びPFOSの4種合計ばく露量による耐容摂取量の設定を行った。また,同年に飲料水などの管理について20種類のPFASの合計値をモニタリングするEU指令の決定に加えて,2022年からは環境水の品質基準である水枠組み指令では24種類のPFAS類の複合ばく露評価法を提案している。我が国では食品安全委員会によりPFOS及びPFOAの耐容一日摂取量が算定された。欧米では,同時に複数のPFASばく露を念頭にしたリスク評価が行われるようになってきていることに加え,疫学データの採用が増えてきている。

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