PFAS汚染が世界的懸念となる中,国内で土壌から地下水へのPFAS移行を正確に評価する手法が求められている。従来溶出試験法の課題を克服するべく「土壌中残存PFAS診断法」(NARO(National Agriculture and Food Research Organization)法)を開発・検証した。NARO法は5 gの土壌を用い,開始時にサロゲートを添加して全工程を追跡し,水抽出と溶媒抽出を逐次行い,土壌から水相へ移行したPFASと土壌に残留するPFASをそれぞれ定量評価する。黒ボク土ではPFOSは土壌に残留しやすく,PFOA,HFPO-DAは水相へ移行しやすい。残留と移行の比率等から地下水への移行ポテンシャルを推定できるため,作業時間と手間を大幅に短縮してトレーサビリティの確保につながる。これらの知見は,迅速なリスク判定と行政政策の形成に寄与する可能性を有する。