老年看護学
Online ISSN : 2432-0811
Print ISSN : 1346-9665
29 巻, 2 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
巻頭言
特集1:日本老年看護学会第29回学術集会
会長講演
教育講演
シンポジウム「急性期病院の『身体拘束』は如何にしてなくせるか」
査読者賞受賞者講演
特集2:学会発信の提言・報告書
原著
  • 大西 知子, 坂井 志麻
    2025 年29 巻2 号 p. 51-60
    発行日: 2025年
    公開日: 2026/02/13
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は,特別養護老人ホーム(以下,特養)に勤務する看護師の看護実践能力に関連する要因を明らかにすることである.東京都内の特養全550施設に勤務する看護職員1,100人を対象に,個人属性,施設属性,看護実践能力,レジリエンス,キャリアコミットメントに関する内容について,郵送法による無記名自記式質問紙調査を実施した.171人をデータ分析対象とし,記述統計量を算出し,単変量解析,階層的重回帰分析を行った.獲得的レジリエンス要因,現在の施設での勤続年数,入所者平均要介護度が看護実践能力と有意に関連していた(β=0.181-0.262 ; p<0.05).要介護度の高い利用者の課題解決策を探りつつ看護師としての経験を積み重ねることが看護実践能力に影響することが明らかとなり,看護師が施設に定着し,看護実践能力を向上できるようなサポート体制が必要であることが示唆された.

資料
  • 中村 マミ, 九津見 雅美, 長畑 多代
    2025 年29 巻2 号 p. 61-69
    発行日: 2025年
    公開日: 2026/02/13
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は,介護老人保健施設(以下,老健)において医療行為を実施する際に,認知症高齢者のpersonhoodを維持するための看護実践を明らかにすることである.豊富な認知症ケアの実践経験を有する看護師8人を対象に半構造化面接を行った.質的記述的に分析した結果,【本人が望む生活を軸に医療行為の必要性や優先度を検討する】【理解力に合わせた納得できる方法で説明を行う】【医療行為をどのように受け止めているかを汲み取ったうえでかかわる】【医療行為を日常生活に溶け込ませるように実施する】【安全で痛みや不快感が少なく医療行為を実施できるように工夫する】の5カテゴリーが生成された.本研究では,personhoodを高める相互行為であるポジティブ・パーソン・ワークに相当する看護実践が多く見いだされた.また,老健の看護師は,医療行為を日々のケアと一続きであるととらえ,その人らしい日常生活を維持しながら実施できるよう工夫しているという特徴が示された.

  • 庄野 亜矢子, 陶山 啓子
    2025 年29 巻2 号 p. 70-79
    発行日: 2025年
    公開日: 2026/02/13
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は,通所介護を利用する在宅要介護高齢者の義歯使用の実態と義歯の使用に関連する要因を明らかにすることである.義歯の使用が必要であり,口腔のセルフケアができる65歳以上の在宅要介護高齢者107人を分析した.対象者には,義歯の使用に関する面接聞き取り調査および口腔や口腔管理行動の観察評価を実施した.義歯の使用に関する要因として,属性や身体機能,認知機能,意欲,口腔管理行動,義歯への興味関心について調査し,義歯の使用の有無と二項ロジスティック回帰分析を行った.本研究の対象者で義歯を使用しているのは81.3%であった.そのうち18.4%が不適合のまま使用,32.2%が義歯洗浄剤を使用せず,28.7%が常時(夜間も)使用していた.義歯使用に影響する要因は,義歯に対して興味関心をもつことであった.義歯を使用していない高齢者には,義歯に対する関心を高める必要性があり,義歯を使用している高齢者には,不適合の確認や管理方法の啓発が必要であることが示唆された.

  • 清水 なつ美, 近藤 絵美, 伊東 真理, 永田 文子
    2025 年29 巻2 号 p. 80-89
    発行日: 2025年
    公開日: 2026/02/13
    ジャーナル フリー

     本研究は,地域住民に対する認知症の理解や予防を促す効果的な介入方法を明らかにすることを目的とした.2012年~2023年7月に発表された論文を医学中央雑誌Web版,PubMedおよびCINAHLを用いて検索し,11件の論文が抽出された.抽出された11文献を精読し,介入目的に着目して対象者,介入内容,評価項目,介入による効果を整理し表にまとめた.その結果,介入目的は認知症の啓発支援,認知症の予防支援に分類された.さらに認知症の予防支援は,認知機能の改善に着目した予防支援,生活習慣の改善に着目した予防支援の2つに大別された.認知症の啓発支援は,介入時間が短くとも啓発効果があることが示された.認知症の予防支援において,生活習慣の改善に着目した予防支援では継続的な個別的支援の必要性が示唆され,認知機能の改善に着目した予防支援では介入による効果を長期的に維持することの難しさが示唆された.

委員会報告
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