地理空間
Online ISSN : 2433-4715
Print ISSN : 1882-9872
最新号
選択された号の論文の2件中1~2を表示しています
  • 植民思想の涵養と挫折
    丸山 浩明
    2025 年18 巻2 号 p. 55-79
    発行日: 2025/12/20
    公開日: 2025/12/27
    ジャーナル オープンアクセス
    移植民を送出国と受入国の2 国間の関係として捉える従前の移民研究は,多様な日本人の多国間にまたがる移動や移植民の実態を見過ごしてきた。ブラジルの日本人移民研究においても,「南米発展論者」と称される在米邦人や再移住者が日本人植民地の建設に果たした重大な役割が等閑視されてきた。そこで本研究は,アメリカで過酷な排日体験をした在米邦人や再移住者が創設・関与した3 つの移住組織に着目し,そのメンバーや植民事業の特徴を比較検討した。その結果,彼らはブラジルに「カナンの地」を夢みたキリスト者を中心とする熱心な国家主義の信奉者だったという共通点をもつ一方で,アメリカへの移住年代や社会的属性の違いに起因するブラジルでの植民事業に対する理念や目的,方法などに際だった差異が認められることが明らかになった。
  • 群馬県前橋市を事例
    有田 英樹
    2025 年18 巻2 号 p. 81-94
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/12/27
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿では, 低利用不動産が顕著にみられる前橋市の中心市街地において,行政主導による低利用不動産と出店意志者のマッチングプロセスを解明し,新規事業者の拡大に伴う都市機能の変容を明らかにすることを研究の主目的とした。前橋市の中心市街地では商業・サービス業の郊外移転や人口減少・少子高齢化などを理由に100 軒を超える低利用不動産が存在しており,その利活用が大きな課題となっていた。前橋版リノベーションまちづくり「マチスタント」は,低利用不動産の利活用を通して商業振興・まちづくりを促進させる行政活動で,中心市街地の低利用不動産と中心市街地での出店意志者とをつなげる役割を果たす。加えて官民連携での創業支援や多様な補助金制度が多層的に重なり合い,前橋市の中心市街地では新規事業を始めやすい環境が整っている。前橋市における地域変容は,①人口減少・少子高齢化や商業・サービス業の郊外集積によって低利用不動産が多く存在する状態,②行政や行政と連携した民間資本が,出店意志者と商店街の仲介役として間を介する状態,③新規出店者どうしに新たな地縁関係が形成され,次なる出店意志者をサポートする状態 の3 段階に分類できる。これは,行政から民間へとまちづくりの主体が移行しつつあることを示唆している。
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