地理空間
Online ISSN : 2433-4715
Print ISSN : 1882-9872
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  • 潜在クラス分析による訪問パターンに基づく類型化
    芳澤 耀亮, 吉沢 直
    2026 年19 巻1 号 p. 1-19
    発行日: 2026/06/20
    公開日: 2026/07/12
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,訪日外国人スキーヤーの日本国内における観光流動に着目し,訪問パターンに基づく類型化を通じて各類型の特徴を明らかにすることを目的とする。分析には,観光庁の 2015-2023 年の訪日外国人(インバウンド)消費動向調査(N=6,262)を用い,潜在クラス分析によって訪問都道府県の組み合わせから観光訪問パターンを抽出した。その結果,訪日外国人スキーヤーは異なる訪問パターンを示す 10 の小類型に分類され,それぞれに特異的な旅行特性や属性が確認された。更にそれらは,東京・千葉の国際空港をゲートウェイとして北海道・長野・新潟などのスキー適地へ直行する「リゾート滞在型(30.1%)」に加え,ゴールデンルートや特定地域を周遊する旅程の一部としてスキーを組み込む「複合周遊型(53.5%)」の二つの大類型に大別された。従来の訪日外国人の観光流動研究は,訪日客全体や特定国籍(とりわけ中国)の動向を対象とするものが主流であった。しかし本研究は,対象をスキー観光客に絞ることにより,従来研究とは異なる訪問パターンを明らかにし,出発国・地域といった地理的属性のみに依拠するのではなく,個人の行動に着目する重要性を示した。今後,観光目的別の訪問パターンを分析することで,訪日観光の多層的な構造をより理解できるだろう。
  • 坂本 大知
    2026 年19 巻1 号 p. 21-34
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/12
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は,2014 年に林野火災が発生した岩手県盛岡市渋民地区を事例に,森林の復旧プロセスに着目し,各主体の役割と連携から復旧時の課題を考察した。さらに,復旧事業後の所有者による森林管理に着目し,火災後から現在に至るまでの森林管理の実態を明らかにし,長期的な森林管理の展望を考察した。林野火災地の復旧には,各主体の連携と役割が大きく関わり,それらが円滑でないと復旧事業自体も進展しないとした。民有林の復旧は,所有者に意思決定が委ねられ,事業への協力が得られない場合は,火災地が放置されている実態があった。火災により所有者は立木売却機会を喪失し,林業サイクルの更新により主伐が長期化し,林業収入を得るのは数十年後になると予測される。今後は,森林所有者の関心向上と,林業収入が所有者に還元されるシステムの構築等により,森林所有者の取り巻く環境を整備することが,長期的な森林管理において重要となるであろう。
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