在宅看取りを含めた訪問診療を行う病院は少なく報告も稀である. そこで当院在宅診療部の訪問診療を終了したがん終末期患者42例の転帰や看取りの現状を明らかにし, 病院が担う在宅医療の役割を考察した. 転帰は死亡37例 [ 在宅23例(在宅看取り率62.2%)/院内13例/救急外来1例] , 施設転院5例. 訪問診療期間60.8日, 院内看取りの入院主訴は呼吸困難が最多(46.2%)で8割以上に介護の限界を伴っていた. 在宅看取りを妨げた要因に呼吸困難・副介護者なし・未告知・訪問診療導入時在宅看取り希望なしがあげられた.バックベッドの確約は患者・介護者の精神的負担を軽減させ在宅医療の導入・継続に寄与する可能性があった.
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