日本在宅医療連合学会誌
Online ISSN : 2435-4007
3 巻, suppl.-2 号
suppl.-2
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
論文
活動報告
  • 三浦 邦久
    2022 年 3 巻 suppl.-2 号 p. 1-5
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/26
    ジャーナル フリー

    COVID-19 第1 波から3 波までのCOVID-19 入院病床を確保に難渋した経験を元にして墨田区独自で病床整備し,下記の項目を含め自宅療養を支える仕組みを構築した(墨田区モデル).

    ・東京都から依頼され墨田区の重点医療機関は当初2 病院であったが順次拡充し,第5 波までは計5病院にした.

    ・東京都から依頼され墨田区保健所の支援を受けながら墨田区の医療機関に疑似症病床(検査結果判明前,あるいは疑い患者を収容)を用意し,搬送困難例,妊婦の受け入れのほか,中和抗体療法の1 泊入院にも活用した.

    ・東京都墨田区独自で回復期後の患者を受け入れる回復期病床確保した病院に区の補助金を給付した.

    ・墨田区保健所の依頼で墨田区医師会,墨田区薬剤師会は自宅療養者対応として,「健康観察チーム」(5 隊),処方薬を配送する「自宅療養支援薬局」(29 薬局)を整備した.

活動報告
活動報告
活動報告
  • 柳楽 知義
    2022 年 3 巻 suppl.-2 号 p. 15-18
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/26
    ジャーナル フリー

    訪問診療において感染対策は重要であり,特に高齢者介護施設における感染対策は生命にかかわることもある.85 件の介護施設,入居者約 2500 人を対象にデータ解析を行ったところ,2020 年 2 月から 2021 年 10 月までの間に,21 の施設で COVID-19 陽性者が発生した.そのうちの 3 施設ではクラスターとなった.

    施設内で感染が広がった原因として,食事,会話,レクリエーション,介助などが考えられた.介護施設クラスターを抑えるためには,介護スタッフへの指導・教育,個人用防護具の正しい使用,ワクチン接種の推進も必要である.病院・保健所等,他機関との連携をしっかり行うべきである.

活動報告
活動報告
  • 弓野 大, 鮫島 光博, 臼井 靖博, 田中 宏和, 鈴木 豪, 鬼村 優一, 成田 友代, 渡部 ゆう, 鮫島 弘尚, 宮野 那奈, 堀部 ...
    2022 年 3 巻 suppl.-2 号 p. 23-26
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/26
    ジャーナル フリー

    2021 年 9 月に東京都からの委託により,宿泊療養施設を利用した COVID-19 に対する抗 体カクテル療法を実施する機会を得たため報告する.対象は,重症化リスクをもつ患者 145 名であった.発症から7日以内の投与とし,SpO2<93%または酸素投与症例は除外した.結果,対象の 95.2%が重症化しなかった.また,投与前後ならびに ICT を用いた患者自身のセルフチェックにおいても有害症状を認めず経過観察が可能であった.本報告から,中等症1までの症例であれば,抗体カクテル療法を安全に実施できる可能性,また外来および在宅での投与の可能性も示唆された.

症例報告
  • 鮫島 光博, 弓野 大
    2022 年 3 巻 suppl.-2 号 p. 27-30
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/26
    ジャーナル フリー

    新型コロナウイルスの流行は、在宅医療の現場にも多くの課題と気付きをもたらした。今回、在宅看取り目的で自宅退院、訪問診療が開始となったがん患者が COVID-19 に罹患した。入院の是非を含め、療養場所の選定には患者を中心とした支援チーム全体での迅速な議論を要した。また介護者や介入する医療介護スタッフに対する感染拡大予防を図りながら、質の高いケアを続けるために、事業所間での協力体制の構築が不可欠であった。

    日々、在宅医療の現場で行われている共同意思決定支援や、多職種によるチームアプローチに加え、遠隔診療や ICT の活用など、地域で感染症パンデミックに対応するためにはどのような体制が必要か、本症例の経過に若干の考察を加え、述べる。

活動報告
  • 水間 美宏
    2022 年 3 巻 suppl.-2 号 p. 31-35
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/26
    ジャーナル フリー

    COVID-19 における自宅療養者の往診にポケットサイズの超音波装置を使用した経験を報告する.当院で超音波検査を行なった自宅療養者は 2 名であった.1 人目は酸素飽和度 97% で呼吸困難はなく,異常な肺超音波像も認めなかったため,軽症と判断し自宅での経過観察を指示した.2 人目は酸素飽和度 97% で呼吸困難はなかったが,肺超音波検査で肺炎等に相当する多発 B ラインを認めたため,中等症 I と判断した.しかし翌々日の超音波検査で B ラインの数が減少したので自宅療養を指示した上で,慎重に経過観察を行った.最終的に両患者とも肺炎の増悪なく軽快した.超音波検査は,CT を実施し難い自宅療養者や宿泊療養者等に行なう検査として有用な選択肢となり得る.今後は訪問看護師等の多職種が,熟練した医師の遠隔指示によって超音波検査を行ない,所見を共有することも期待される.

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