本研究は情報系大学院の教育に焦点を当て,専門職大学院の機能の独自性を,修士課程との比較から明らかにしていくことを目的とする.
比較の結果,2つのことが明らかになった.第一に,専門職大学院は目的が特化されているため,両者は大学院のミッションやカリキュラムに相違がみられる.また教員の意識も異なる部分が多い.第二に,一方で,一部の修士課程では専門職大学院とかなり似た教育実践が行われている.
現在,専門職大学院側も大学院修士課程側も産学連携推進などの点で,政策的に類似した取り組みが推奨される傾向がある.そのことは,専門職大学院の独自性を阻害する可能性もある.いまある制度を活用するために,専門職大学院のあり方に沿った政策が必要だろうと考えられる.
抄録全体を表示