日本水文科学会誌
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42 巻 , 2 号
特集 シンポジウム 「地下水涵養 水循環プロセスにおける地下水-定常から非定常へ-」
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
巻頭言
総説
  • 嶋田 純
    2012 年 42 巻 2 号 p. 33-42
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/04/15
    ジャーナル フリー
    降水量が蒸発散量を上回っているモンスーンアジア地域においては,余剰水は河川水流出あるいは地下水涵養になっており,基本的に正の地下水涵養量が存在している。地域の地下水揚水量が地域の水文条件から推定される可能地下水涵養量を上回らない範囲で地下水を利用するように管理することで,持続的な地下水資源利用が可能である。本報では,アジアの諸都市で発生した過剰揚水に伴う地下水災害とその対応策の連鎖現象を概観した後,熊本地域で行われつつある地域水循環を踏まえた地下水管理の新たな実例について報告し,今後の地下水管理の在り方を述べる。
  • 登坂 博行
    2012 年 42 巻 2 号 p. 43-51
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/04/15
    ジャーナル フリー
    国・自治体行政には水資源確保・防災・環境を考慮した総合的水マネジメントが求められており,地圏における降水入力に伴う地表流・水の涵養・湧出の挙動を水文科学的に把握する必要がある。本論では,地圏流動系を追跡するための数値解析手法に関する現状を述べると共に,それを適用した広域の地圏水循環モデルの事例として,神奈川県を中心とした領域の広域シミュレーション,および日本列島スケールを対象とした広域水循環モデルの計算例を示した。
  • 田瀬 則雄
    2012 年 42 巻 2 号 p. 53-59
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/04/15
    ジャーナル フリー
    水循環系は,基本的にはシームレスで連続しているので,降雨,融雪,灌漑などにより水が地表面を通過して浸透すると,地下水面が瞬時に,あるいはある時間をおいて上昇したり,地下水水質や水温が変化したりすることになる。これらの応答は,実際に水が移動したことによる直接的変化である場合と,間接的に他の要因を介して生起するものがある。これらの真の動きと見かけの動きを混同せず,明確に分離し,それらをもたらす要因・プロセスを同時に理解しておくことが重要である。本論では,浸透,地下水涵養における水と物質の真の動きと見かけの動きについて,例を挙げながら考えてみる。
  • 丸井 敦尚
    2012 年 42 巻 2 号 p. 61-68
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/04/15
    ジャーナル フリー
    深層地下水を有効利用するために,既存研究をレビューした。越谷ほか(2011)によれば,日本列島の地下水の半分は(新第三系以深の)深層地下水である。深層地下水とは,その起源とその状態の2 つから定義されている。例えば火山性温泉水は前者で,化石水は後者である。また本研究は,深層地下水の上昇流の影響を受けている地下水流動の地域性についても言及している。これらの地域では特徴的な地下水塊の存在が古くから知られていた。また最近の研究によれば,深層地下水においては地質境界と水理境界が必ずしも一致しないこともわかってきている。深層地下水の有効利用には集中的な研究が必要である。
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