実学的な視点から,日本における水文科学の国際貢献を促進するための今後の方向性を示すために,Web of Scienceを利用して水資源管理に関する社会科学の過去の実績を予備調査した。社会科学における刊行物が最近増加しているものの,日本からの社会科学における相対的,絶対的な貢献は,国際標準に比べて少ないことが明らかとなった。また,日本では,法学,社会学,文化人類学,湖沼学,行政学,政治学や経営管理など水資源管理に関する社会科学の出版物があまりない分野がある。さらに,水資源管理を扱う社会科学分野の有名な国際誌がいくつか存在するものの,日本からの研究成果の掲載は無いのが現状である。