日本水文科学会誌
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48 巻 , 2 号
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論文
  • 清水 啓紀, 佐々木 明彦, 鈴木 啓助
    2018 年 48 巻 2 号 p. 71-80
    発行日: 2018/08/28
    公開日: 2018/09/12
    ジャーナル フリー

    源流集水域の水循環に関する既往研究では,融雪水および降雨の入力に対する地表流の応答時間は,流域面積や勾配,地質等に左右されることが報告されている。越年性雪渓を有する周氷河地域における融雪,降雨,地表流の関係はいまだ不明瞭な部分が多く,水文学的特徴を見出すには詳細な水文データによる検討が不可欠である。本研究は乗鞍岳東斜面の源流集水域内で地表流の水位観測および雨量観測を実施し,10分間雨量から算出した先行降雨指数(m-API)を用いることで地表流の発生ポテンシャルを定量的に評価した。地表流発生に関するm-APIの閾値は4.02 mmとなり,降雨イベント中にm-APIが4.02 mmを超過しない場合,河道に地表流は生じないことが明らかとなった。また越年性雪渓からの融雪水量の日変動による地表流の水位変動は数mmであった。さらに,無降雨日が連続的に生じても河床には貯留水が認められた。このことから,乗鞍岳東斜面の源頭集水域では雪渓からの融雪水が不飽和帯を涵養することで,わずかな降雨の入力に対して地表流が発生しやすいと推定される。

  • 飯泉 佳子, 新田 直人, 大森 圭祐
    2018 年 48 巻 2 号 p. 81-93
    発行日: 2018/08/28
    公開日: 2018/09/12
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,淡水レンズの発達しているマーシャル諸島共和国マジュロ環礁のローラ島において,地下水の水質特性と硝酸性窒素による汚染の実態を明らかにするとともに,各土地利用から排出される窒素負荷量を試算して地下水への影響を検討し,地下水保全に向けた効果的な対策の導入法ついて考察することである。2011年2月~2012年11月にかけて行った地下水,土地利用,居住世帯を対象とする調査により,以下のことが明らかとなった。①硝酸性窒素濃度の高い地下水は島の南東側と北西側に存在した。②地下水の多くはアルカリ土類炭酸塩型で,一部はアルカリ非炭酸塩型に分類された。③非海水起源物質の寄与の大きさを表す指標Inssal-ionにより,島の外洋側や南側で地下水の滞留時間が相対的に長いことが示唆された。④1軒(1事業所)から排出される窒素負荷量は,豚舎>畑地>家庭の順に大きい傾向があり,経営規模の大きい豚舎などから対策を順次導入することが地下水保全に効果的である。

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