国際ビジネス研究
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10 巻, 1 号
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研究論文
  • 本国優位性の活用と水平展開プロセス
    上野 正樹
    2018 年 10 巻 1 号 p. 3-15
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/10/12
    ジャーナル フリー

    新興国戦略研究は中間層ボリュームゾーン戦略とBOPビジネスを解明してきた。本稿はインドのエアコン市場を研究対象とし、13社の製品ラインと日本企業における本国資源の活用過程を分析した。製品ラインの分析では、ヘドニックアプローチによって製品の品質を推計した。これによってハイエンドからローエンドにどの程度製品を配置しているかを明らかにし、各社の戦略タイプを特定した。分析結果の第一に、日本企業は通説のボリュームゾーン戦略ではなく、ハイエンド製品を中心とした戦略をとっている。本稿はこの戦略をプレミアムゾーン戦略と呼ぶ。第二に、事例の日本企業は企業特殊資源(コア技術)をインドへ水平展開している。具体的には、日本でのコア技術の選択と組み合わせによって、インドの品質重視のセグメントに適した製品を生み出している。以上をもとに、新興国での戦略タイプを規定する要因を考察し、新興国戦略を再考する。

研究ノート
  • 鈴木 俊吾, 国松 麻希
    2018 年 10 巻 1 号 p. 17-29
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/10/12
    ジャーナル フリー

    欧州における「欧州単一市場(European Single Market)」政策の一環として、欧州議会及び欧州理事会の決定事項に基づき、欧州委員会が欧州指令(Directives)を発行するとともにその具体化のために多数のマンデート(Mandate:標準化要求)が発行されてきた。

    本稿は、まず2012年に欧州議会及び欧州理事会が欧州標準化規則(Regulation (EU) No 1025/2012)を制定するに至った大きな流れを示す。

    次に、欧州標準化規則の制定を受けてマンデートにどの様な変化が生じているのかについての分析を行った結果、年平均作成件数や平均ページ数に変化が生じていること等を確認した。

    最後に、マンデートの動きに着目することによって、欧州における課題認識や標準化ニーズ、規格開発スケジュール等の情報を共有することが可能となり、欧州における課題認識を理解した上で欧州各国等と協力して国際標準を開発していく等、これらの情報がこれからの国際標準化活動等に有意義な影響をもたらすであろうことを指摘する。

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