マイクロレティキュラー型グリシジルメタクリラートとジビニルベンゼンの共重体を基体とするリン酸樹脂 (RGP) ならびに市販スルホン酸樹脂 (Diaion PK216) を充填したカラムを用いて, Ba (II) , Ca (II) , Mg (II) , K (I) ならびにNa (I) 共存下でのPb (II) の除去を空間速度10-40h
-1の範囲で検討した。樹脂RGPは, スルホン酸樹脂とは異なり上記金属イオンのいずれよりもPb (II) に高選択性を示した。すなわち, これらの金属イオンはRGPによるPb (II) 除去をほとんど阻害しなかった。一方, スルホン酸樹脂においてはBa (II) とCa (II) がPb (II) 除去を大きく阻害した。また, RGP樹脂は海水に添加された10
-4MレベルのPb (II) を効率良く吸着したが, スルホン酸樹脂では海水からPb (II) を吸着することが困難であった。また, RGPに吸着されたPb (II) は1M HNO
3により迅速かつ定量的に溶離された。カラム内のRGPとDiaion PK216を交換することなく, 吸着, 溶離のサイクルを反復したが, 両樹脂とも特性劣化はほとんど認められなかった。
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