硝酸溶液におけるCe (IV) , Ce (III) とNO
3-との錯形成挙動を検討し, 種々の硝酸濃度および温度条件下でCe (IV) のアニオン交換特性を測定し, またカラム法によるCe (IV) と他の軽希土類元素との分離性能を調べた。1mol・dm
-3以上の硝酸溶液中でCe (IV) はCe (NO
3)
5-, Ce (NO
3)
62-といったアニオン性のニトラト錯体を形成し, アニオン交換体に比較的強い吸着性を示すことが認められた。一方, 吸着したCe (IV) は時間の経過とともに交換体との酸化還元反応により非吸着性Ce (III) に還元され溶液中に溶出し, 温度が高いほど溶出速度が促進された。温度303K, 6mol・dm
-3HNO
3溶液中でAR-01アニオン交換体によるCe (IV) の吸着分配係数は約100dm
3・kg
-1に達し, カラム法によりCe (IV) とLa (III) , Nd (III) を含む硝酸溶液からCeが高純度に分離された。
抄録全体を表示