日本イオン交換学会誌
Online ISSN : 1884-3360
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14 巻, 3 号
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  • 小野寺 嘉郎
    2003 年 14 巻 3 号 p. 110-127
    発行日: 2003/09/20
    公開日: 2010/03/18
    ジャーナル フリー
    材料周辺の科学技術の進歩により, 材料の多様化と高度化が強く求められている。材料の高度化と個性化を図るための重要な手段の一つに, 複合材料技術が挙げられる。筆者らは, これまで無機イオン交換体の機能高度化を図る目的で, 種々の複合材料の開発を行ってきた。本稿では, 筆者らが開発した種々の複合材料の中から, 複合設計・機能の異なる4種の複合材料 (シリケート結晶子メンポア多孔体, 殺菌性アロフェン, 粒状イオン交換体, 環境親和性イオン交換体) について, それらの開発の経緯および機能の概要について述べる。
  • 岡田 哲男
    2003 年 14 巻 3 号 p. 128-135
    発行日: 2003/09/20
    公開日: 2010/03/18
    ジャーナル フリー
    イオン交換樹脂対イオンの局所構造と分離選択性との関係を明らかにするために, 筆者らが用いているX線吸収微細構造 (XAFS) について概説し, さらにイオン交換系に適用して得られた結果を議論した。XAFSの解析の結果, 陰イオン交換樹脂対イオンの水和が十分に進んでも, イオン交換基と対イオンの結合がある程度の割合で残っていることがわかった。陰イオン交換樹脂内のハロゲン化物イオンの局所構造と水の吸着等温線を総合的に説明するためには対イオンに3分子程度の水が吸着した後に, 一部の対イオンが完全水和しイオン交換基との直接結合が解離すると考える必要があり, 最終的に解離する対イオンは40%程度であることがわかった。また, 対イオンが部分的に脱水和し, イオン交換基上に結合している構造は, イオン交換樹脂内だけではなく, 気液界面の単分子膜上でも維持されており, ハロゲン化物イオンでは普遍的な局所構造である可能性が高い。陰イオン交換では陽イオン交換に比べて水和エネルギーによるイオンの識別が強く働くが, このような部分脱水和がその機構の起源になっていると考えられる。
  • 三角 好輝, 佐藤 重明
    2003 年 14 巻 3 号 p. 136-141
    発行日: 2003/09/20
    公開日: 2010/03/18
    ジャーナル フリー
    燃料電池は熱電併給が可能であるため原燃料の利用効率が高く, 地球温暖化防止の切り札として期待されており, 中でも固体高分子形は反応温度が比較的低いため自動車や, 「電気の取れる給湯器」として開発が進められている。この発電セルにはフッ素系の陽イオン交換膜が用いられており, また天然ガスなどから水素を取り出す際に必要な純水の製造には, イオン交換樹脂などが用いられている。当社は, イオン交換樹脂に比べ頻繁な交換が不要である電気脱イオン法を燃料電池の水処理に開発適用してきた。当方式はメンテナンス頻度を少なくしたいとのユーザーの目標に合致した, 優れたシステムであり, 実用化を目指し開発を続けている。
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