日本イオン交換学会誌
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学術賞受賞論文
  • 西浜 章平
    2021 年 32 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/01/26
    ジャーナル フリー

    環境調和型で高選択的な金属イオンのイオン交換分離材料の開発を目的として,(1)抽出剤の漏出を抑制したコーティング型抽出剤含浸樹脂の調製とそれを用いた金属イオンの高度分離,(2)pHスイングに代わる光スイング型の分離材料の調製とそれを用いたレアアースの吸着選択性について研究を行った。抽出剤含浸樹脂を架橋した水溶性ポリマーによりコーティングすることで,飽和吸着量は若干低下したものの,使用時の抽出剤の漏出を大幅に低減することが可能となった。コーティング型抽出剤含浸樹脂をカラム法へ適用し,操作条件を最適化することで,レアアースの高度分離を達成することができた。また,イオン交換プロセスにおける溶離液量の低減を目的として,光照射のオン-オフにより吸着量のコントロールが可能な光スイング型分離材料の開発を行った。感温性高分子に抽出剤,および分子ヒーターであるカーボンナノチューブを固定化した分離材料に,光照射を行うことで,感温性高分子の相変化が進行し,吸着量をコントロールすることが可能となった。光照射のオン-オフに伴う吸着量の差は,分離材料の架橋度を低くすることで高くなったが,それに伴い,カーボンナノチューブの固定化が困難となった。カーボンナノチューブの固定化は,分離材料にピレン基を導入することで改善された。光スイング型の分離材料によるレアアースの選択性は,多くの組み合わせにおいて,光照射時に向上することが明らかとなった。

一般論文
  • Hao Wu, Masahiko Kubota, Naoki Osawa, Seong-Yun Kim
    2021 年 32 巻 1 号 p. 8-14
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/01/26
    ジャーナル フリー

    A hybrid donor compound 2,2’-[(2-ethylhexyl)imino]bis[N,N-bis(2-ethylhexyl)acetamide] (DAMIA-EH) impregnated silica-based adsorbent [(DAMIA-EH+1-dodecanol)/SiO2-P] was prepared. Its adsorption performance toward Pd(II) in nitric acid solution was investigated by examining the effect of contact time, temperature etc. It was found that the adsorption rate of Pd(II) was fairly fast and can reach a constant state within only 10 min. (DAMIA-EH+1-dodecanol)/SiO2-P exhibited an excellent recognition ability toward Pd(II) than other 14 types of co-existing metal ions and could maintain this selectivity when the concentration of HNO3 varied from 0.5 to 5 M. On the other hand, the maximum adsorption amount of Pd(II) was calculated to be as high as 0.440 mmol/g when [HNO3] = 2 M. Moreover, with increasing the temperature in solution, the uptake ratio of Pd(II) slightly decreased, it still exhibited a dominant selectivity toward Pd(II) in a wide temperature range from 288 to 323 K. The fitted thermodynamic parameters revealed that the adsorption process of Pd(II) was exothermic in nature and happened spontaneously.

  • 森 浩一, 篠原 隆明, 三村 均, 千田 太詩, 新堀 雄一
    2021 年 32 巻 1 号 p. 15-24
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/01/26
    ジャーナル フリー

    層状構造のイオン交換体である二チタン酸カリウムの高Na濃度下におけるSr吸着挙動を評価した。二チタン酸カリウムは共存Na濃度が高くともSr2+を吸着し,Naが一定量以上共存すると,pHの上昇とともにSr分布係数が高くなり,Sr2+とNaの吸着量が共に増加した。Sr吸着前後における液相のSrおよびNa分析,固相のX線回折パターン,IRスペクトル,ラマンスペクトル等から,二チタン酸カリウムは水と接触すると一部のTi-O-Ti結合が切断され結晶性が低下するが,層状構造を維持しており,層間にSr2+が,表面水酸基にNaが吸着することが示唆された。平衡pH 12以上,平衡Na濃度40 mmol/L以上の領域におけるSr分布係数は,1.7×107 mL/g以上であり,既報のSr吸着剤と比較して高いSr吸着能を示した。

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