日本イオン交換学会誌
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学会賞受賞論文
  • 國仙 久雄
    2021 年 32 巻 2 号 p. 25-32
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/06
    ジャーナル フリー

    水溶液中に溶存する金属イオンの効率的捕集を目的として,種々の分離材を合成してその分離能に関する検討を行ってきた。溶媒抽出用の分離材として,負電荷もしくは中性の多座配位子を合成してその分離挙動を検討した。さらに,選択性の向上を目指して,溶媒抽出系にオクタデシル基で表面修飾したシリカゲル(ODS-Silica)を添加した系,溶媒抽出用に合成した配位子をODS-Silicaへ吸着担持した分離材を用いた系の分離挙動を検討した。溶媒抽出用試薬として負2価六座配位のH2Clbbpenを用いた系では,どちらの系も抽出能と選択性が向上した。溶媒抽出用試薬として,TTAとDithizoneを選択して,遷移金属や貴金属の捕集分離をそれぞれ検討した。また,安価な分離材として,天然のバナナ繊維に着目して,その分離捕集能を検討した。バナナ繊維に数種類のシッフ塩基誘導体を化学結合させた分離材は,遷移金属イオンを捕集することができたが,選択性と捕集能は低いことがわかった。バナナ繊維はセシウムとストロンチウムの捕集能が見られたが,耐熱性が低く実用性に問題があるとわかった。

    ここでは,それぞれの分離材の捕集能や選択性について検討した成果を示す。

進歩賞受賞論文
  • 高田 仁
    2021 年 32 巻 2 号 p. 33-39
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/06
    ジャーナル フリー

    我々は一体型の形状で連通孔を持つ多孔質イオン交換樹脂(モノリス状イオン交換樹脂)を合成し,水処理用途や合成触媒用途などへの展開を進めてきている。モノリス状イオン交換樹脂の共連続構造はスチレン-ジビニルベンゼンを油相としたW/Oエマルジョンを調製した後に重合することで得られる連続気泡型の多孔体コポリマーに対し,スチレン,ジビニルベンゼンを含浸重合することで得られる。これにスルホン酸基やトリメチルアンモニウム基などの官能基を付加することで強カチオン交換型(CEMR),強アニオン交換型(AEMR)のモノリス状イオン交換体が得られ,イオン交換容量はいずれも4 meq/g以上と市販の粒状樹脂と同等であり,イオン交換帯長さは粒状樹脂の約1/10程度であった。AEMRにPdを担持した触媒(Pd/AEMR)は超純水製造ライン中に発生する過酸化水素を効率的に分解でき,処理流速はPd担持イオン交換樹脂の約10倍であった。Pd/CEMR,Pd/AEMRは接触水素化反応やカップリング反応に活性を有し,連続流通式での接触水素化反応ではバッチ反応に比べて短時間でも良好な収率を示した。

一般論文
  • Shun-ichi Mitomo, Yukiko Negishi, Toshiki Mutai, Yutaka Inoue
    2021 年 32 巻 2 号 p. 40-45
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/06
    ジャーナル フリー

    A novel core-shell ion-exchange resin (St-80) having a 20:80 weight ratio of the monomer for the core and the shell was prepared for use in high-performance liquid chromatography (HPLC), and the effect of the degree of cross-linking (10–55%) of the porous shell on the separation of carbohydrates was examined. A mixed aqueous sample of inositol, glucose, fructose, and sucrose was reasonably separated under strong alkaline conditions (0.10 and 0.15 mol/L NaOH eluent) at flow rates of 0.3–0.7 mL/min. As the degree of cross-linking in the shell portion increased, the retention time of sucrose, which had the longest elution time, decreased. Meanwhile, the theoretical plate number nearly doubled. The retention times obtained for the high degrees of cross-linking (40% and 55%) in the porous shell were shorter than that of the fully porous resin. The theoretical plate number observed for these resins provided excellent resolution, similar to that of the fully porous resin.

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