日本イオン交換学会誌
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5 巻, 2 号
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  • 井浦 克彦, 小倉 誠, 神崎 〓, 田中 龍夫
    1994 年 5 巻 2 号 p. 32-39
    発行日: 1994/09/16
    公開日: 2010/03/18
    ジャーナル フリー
    陰イオン交換性を示す無機イオン交換体を用いて陰イオン交換膜の作製を試みた。陰イオン交換体として知られているハイドロタルサイト様化合物を陰イオン導電体として, バインダーとしてポリフッ化ビニリデンを用いた。ハイドロタルサイト様化合物としては交換体中で吸着される陰イオンの対イオンである3価イオンとしてアルミニウムイオンを共通とし, 主骨格を形成する2価イオンとの組み合わせとしてMg (II) -Al (III) , Ni (II) -Al (III) , Co (II) -Al (III) の三つの系を取り上げ, それぞれを対応する塩化物水溶液から合成した。合成したハイドロタルサイト様化合物を粉末にし, ジメチルフォルムアミドに溶解したポリフッ化ビニリデン溶液と混合後, ガラス板上で乾燥し, 膜形成した。作製した膜の抵抗は0.1mol・dm-3 NaCl溶液中で1cm2あたり200~700Ωであった。NaCl活量1.0×10-3~1.0mol・dm-3の範囲で濃淡電池を形成し, 塩化物イオン (Cl-) の輸率を計算したところ室温では0.8程度であったが, 80℃ではいずれの膜も0.94と言う高い価を示し, 理想的な陰イオン交換膜 (有機陰イオン交換膜で0.99 (実測値, 室温) ) に近い値であった。
  • 片岡 健, 武藤 明徳, 西機 忠昭, 川端 成彬
    1994 年 5 巻 2 号 p. 40-45
    発行日: 1994/09/16
    公開日: 2010/03/18
    ジャーナル フリー
    廃水中の希薄なアルキルベンゼンスルホン酸イオン (ABS) の分離・回収を目的にN-ベンジルー4-ビニルピリジニウム樹脂 (BVP樹脂) が開発された。エチルベンゼンスルホン酸ナトリウム (C2) 及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム (C12) のそれぞれの水溶液とBVP樹脂の吸着平衡をバッチ法により測定し, 平衡特性に及ぼす1) 樹脂のイオン型, 2) ABS濃度及び3) 共存塩 (NaCl) の各濃度の影響を調べた。その結果, BVP樹脂へのABSの吸着平衡は1価-1価イオン交換平衡式により良好に表わされ, また本樹脂が市販の強塩基性陰イオン交換樹脂と同程度の交換容量を有することが判明した。さらに, C1型のBVP樹脂がABSに対し高い選択性を示し, 特に, C12とBVP樹脂の平衡は共存塩濃度の影響を殆ど受けず, 直角平衡を保持することを明かにした。
    BVP樹脂に吸着したC12の塩酸メタノール混合溶液による溶離平衡特性を実測した。溶離のイオン交換平衡定数は溶離液の塩酸濃度及びメタノールの含有率に影響されることを明かにするとともに, 塩酸メタノール混合溶液の塩酸濃度が100mo1・m-3の場合, 最大の溶離平衡定数を与えることを見出した。
  • 片岡 健, 武藤 明徳, 西機 忠昭, 江川 博明
    1994 年 5 巻 2 号 p. 46-51
    発行日: 1994/09/16
    公開日: 2010/03/18
    ジャーナル フリー
    廃地熱水中の希薄な溶存砒素の分離・除去を目的に, ジチオール基を有するキレート樹脂 (RES樹脂) が開発された。本研究は, その可能性を検討するため, RES樹脂への砒素の吸着平衡を測定し, 分離特性を調べた。
    平衡関係は通常のバッチ法により測定し, 吸着平衡に及ぼす温度, 砒素溶液の濃度, 溶液のpH及び共存成分の影響を調べた。この結果, 砒素の平衡等温線は, Langmuir式で表現できることを示すとともに, 吸着容量は室温より高温において若干増加し, 平衡定数は温度が高まるほど減少する傾向が見られ, 368Kにおいても高い値を示した。等温線に及ぼす砒素の濃度の影響は殆ど見られなかった。吸着容量は溶液のpHが10以下で一定値を保持したが, 10以上では著しく低下した。この理由は砒素の溶存形態に及ぼすpHの影響に依ると思われる。また, pH>10のアルカリ溶液が溶離剤として有効であることも示唆した。
    廃地熱水中の高濃度の共存成分として, NaCl及びシリカを選び, 平衡関係に及ぼす影響を調べた。吸着平衡は, これらの影響を受けず, RES樹脂が廃地熱水の溶存砒素を選択的に分離・除去できることを示した。
  • 輿水 仁, 坂本 尚史
    1994 年 5 巻 2 号 p. 52-61
    発行日: 1994/09/16
    公開日: 2010/03/18
    ジャーナル フリー
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