日本イオン交換学会誌
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5 巻, 3 号
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  • ―層状構造チタン酸繊維の展開―
    藤木 良規
    1994 年 5 巻 3 号 p. 71-81
    発行日: 1995/01/31
    公開日: 2010/03/18
    ジャーナル フリー
    新規な無機陽イオン交換材として層状構造を有するニチタン酸繊維及び四チタン酸繊維が2種類のチタン酸カリウム繊維の誘導体として合成された経緯について述べ, そのイオン交換特性が分配係数とpHの相関性から解明され, 多くの金属イオン系列について優れた交換能を有することを明らかにしている。イオン交換材の応用としては模擬高レベル放射性廃液処理の視点から水溶液中のCs+, Sr2+をはじめ危険核種の分離と鉱物固化について多くのイオン系列について検討し, その有用性を明らかにしている。さらに海水及び原子力関連廃液中のウランの回収についても検討し、その有用性を明らかにしている。
  • 山内 昭, 永留 重実, 杉原 剛介
    1994 年 5 巻 3 号 p. 82-89
    発行日: 1995/01/31
    公開日: 2010/03/18
    ジャーナル フリー
    コロジオン膜に炭化フッ素化合物であるパーフルオロデカン酸 (PFDA) を含浸させた膜がキャスト法により作られた。この膜一電解質溶液系において膜電位, 流動電位, 膜伝導度を実験的に求め, その結果に基づきこの膜のイオン交換特性を議論した。即ち, 膜電位から得られる陽イオン輸率が0.95前後であることから膜内でPFDAが充分に解離し, 膜が陽イオン交換膜として機能することが支持された。また膜伝導度についてドナン膜平衡の取り扱いを適用し膜内の有効イオン交換基濃度を求めた。その結果, 膜伝導度が膜と平衡にある電解質濃度のみならず膜内有効イオン基濃度にも強く依存することを示した。流動電位から得られる電気浸透係数と有効イオン交換基濃度との関係を調べたところ, ある含浸物濃度で電気浸透係数の急激な増加を示し, その濃度以上での膜透過物性の変化が示唆された。
  • 新井 剛, 盛田 啓一郎, 武田 邦彦
    1994 年 5 巻 3 号 p. 90-98
    発行日: 1995/01/31
    公開日: 2010/03/18
    ジャーナル フリー
    スチレンとジビニルベンゼンを用いてイオン交換体の母体を合成し, 反応温度を変化させることによってスルホン化の反応率を制御し, 得られたイオン交換体内のスルホ基の分布を調べた。その結果スルホン化はイオン交換体母体の表層から中心部へと進むが, 表層部のスルホン化の反応率は短い反応時間の時に高い反応率に達し反応時間によらず一定であった。また反応の活性化エネルギーはこの反応が拡散律速であることを推定させるが, イオン交換体内部のスルホン化された領域とスルホン化されていない部位との領域 (スルホン化フロント) の反応率の変化は理論計算よりも急激に変わっており, スルホン化試薬とスルホン化溶媒とがスルホン化フロントで分離しながら反応が進むことが示唆された。スルホン化反応率の制御という点から見ると本実験の条件では表層部からのスルホン化が可能であるが, 母体全体に反応率の低いスルホ基を分布させることはできない。
  • 冨田 功
    1994 年 5 巻 3 号 p. 99-102
    発行日: 1995/01/31
    公開日: 2010/03/18
    ジャーナル フリー
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