【目的】大学附属病院の看護師のアンケート調査から,専門職連携実践(IPW)に対する卒前および現任専門職連携教育(IPE)の有効性とその課題を明確にすることを目的とした。
【方法】A大学附属病院の看護師2,625名に対し,基本的属性,IPEを受けた経験,「専門職連携実践のためのコア・コンピテンシー」を参考に作成した「チーム医療のコンピテンシー(38項目)」における「必要性の認識」と「実践状況」の自己評価(4段階)などについてアンケート調査を行った。
【結果】分析対象は1,791名(68.3%)で,「必要性の認識」が「実践状況」に比較して平均点数が高かった。卒前IPEを受けた群では「実践状況」の「価値観/倫理」のカテゴリーで,現任IPEを受けた群ではさらに「役割/責任」「コミュニケーション」「チームワーク」のカテゴリーでもIPEを受けていない群に比較し,平均点数が有意に高かった。また,卒前IPEのみよりも現任IPEのみ,あるいは両者を受けた群の「実践状況」が有意に高かった。
【考案・結論】IPW実践の促進には,卒前教育から現任教育まで継続したIPEが必要であると思われるが,改善すべき課題もあることが示唆された。
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