【目的】本研究の目的は,病院に勤める保健医療福祉専門職等全職員を対象にしたIPWコンピテンシーの自己評価尺度を開発することである。
【方法】先行研究で得られた6因子を構成概念とし,各因子4項目の合計24項目の調査票を作成した。調査対象者はA県,B県および首都圏の7つの病院の全職員3,790名であり,1,841名の回答を分析した。1病院については調査を2回実施した。探索的因子分析および確認的因子分析を行い,因子構造と因子的妥当性の確認を行った。また,回答の偏りを検討した。
【結果】因子数を6に固定して探索的因子分析を行った結果,24項目中22項目が想定した構成概念に一致していた。確認的因子分析での適合度は良好であった。項目別,因子別の回答の比較では,職種,職位,経験年数,年齢などの属性や日常的に連携している他職種数による差が見られた。
【結論】作成した尺度は内的整合性が高く,各項目の識別力が十分にみられた。また,因子的妥当性および再テスト法により尺度の安定性が確認された。これらのことから,作成した尺度は,個人のIPWコンピテンシーを自己評価する尺度として一定の信頼性,妥当性があることが示された。今後は基準関連妥当性の検証を行い,実用性を高める必要がある。
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