本論文は、市民が考える鉄道駅におけるエレベーター・エスカレーター整備の相対的重要度および経済的価値について分析することで、市民がどのような昇降機を望み、昇降機整備にどの程度経済的負担できるかについて明らかにしたものである。昇降機整備に対する価値意識に関して分析した結果、昇降機の整備に対し、多くの人々は利他的な意識を持っているが、エスカレーターに対しては、利己的な意識も持ち合わせていることがわかった。コンジョイント分析を用いて広島県内の昇降機必要箇所すべてを整備することに対する支払意思額を算出した結果、1世帯あたりエレベーターで1,829円、エスカレーターで1,338円と、エレベーターのほうが高くなることがわかった。
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