社会言語科学
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18 巻, 1 号
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  • ファン サウクエン
    原稿種別: 本文
    2015 年18 巻1 号 p. 1-2
    発行日: 2015/09/30
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
  • 森山 由紀子, 李 吉鎔, 木林 理恵
    原稿種別: 本文
    2015 年18 巻1 号 p. 3-6
    発行日: 2015/09/30
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
  • 宇佐美 まゆみ
    原稿種別: 本文
    2015 年18 巻1 号 p. 7-22
    発行日: 2015/09/30
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    言葉と社会にかかわる現象を研究する「社会言語科学」において,「スタイル」に関する研究は,中心的課題の一つと言っても過言ではない.ただ,一口に「スタイル」の研究と言っても,その分野,目的,扱うデータなどは多岐にわたっている.これだけ多様な研究が蓄積されてきた現状においては,研究目的との関係も含めて,関連する分野や類似の用語・概念を整理した上で,個々の研究の位置づけや意義,議論されるべき内容,当該研究が貢献しうる分野を明らかにする必要がある.本稿では,このような考えに基づいて,日本語について「スタイル」という用語が用いられている関連の研究,及び,類似の用語や概念が用いられている関連の研究を整理した上で,主に,談話研究,日本語教育研究の文脈で行われている「スピーチレベル」のシフト現象について,「敬語レベル」,「待遇レベル」,「スピーチスタイル」等の用語との区別にも触れながらポライトネス理論の観点から概観する.その上で,筆者の考えと立場,今後の研究の展望をまとめる.
  • 渋谷 勝己
    原稿種別: 本文
    2015 年18 巻1 号 p. 23-39
    発行日: 2015/09/30
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    本稿は,書きことばにおけるスタイル生成のメカニズムを,山東京伝の作品をケースとして考察するものである.具体的には,山東京伝の読本,合巻,黄表紙,洒落本において,いずれも複数の形式が使用される使役形,動詞連用形,可能表現を事例として取り上げて,それぞれの形式がどのように使用されているかを整理するとともに,それぞれの作品の,あるいは同じ作品でも作品内のそれぞれの局面によってスタイルがどのように生成されているかを,書き手デザインといった視点のもとに考察した.その結果,京伝は,(1)まず,読本,合巻,黄表紙,洒落本といったジャンルに対応して,その使用することばを選択していること(グローバルデザイン),また,(2)それぞれの作品内では,(1)モード(会話文,地の文),(2)会話文における話者属性(男女,年齢,階級など),(3)文章のそれぞれの箇所における社会的,心理的,談話的な表現効果を考慮しつつ,それぞれの作品のスタイルを生成していること(ローカルデザイン)を指摘した.
  • 瀧澤 純, 坂牧 悟, 山下 利之
    原稿種別: 本文
    2015 年18 巻1 号 p. 40-49
    発行日: 2015/09/30
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,受け取ったメッセージの顔文字の使用が返信文の顔文字の使用に及ぼす効果を明らかにすることであった.実験では,架空の人物からイベント招待のメッセージを受け取る場面を想像させ,受け取ったメッセージに添付された句読記号の有無,添付された顔文字の有無を操作した.参加者は,携帯電話やスマートフォンでのメールのようにメッセージに対する返信文を作り,質問紙に記述した.実験の結果,受け取ったメッセージに句読記号が添付されていた場合に,参加者は句読記号をより多く記述していたが,顔文字を多く記述していなかった.そして,顔文字が添付されていた場合に,参加者は顔文字をより多く記述していたが,句読記号を多く記述していなかった.結果から,人は句読記号と顔文字を区別して,他者のテキストベースのコミュニケーション行動に同調する傾向が示された.このような結果について,受け手デザインの能力の発達,CMCにおける教育という観点から議論を行った.
  • 田所 希佳子
    原稿種別: 本文
    2015 年18 巻1 号 p. 50-59
    発行日: 2015/09/30
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    日本語学習者がある場面において適切なスピーチレベルを選択できるようになることを目指す場合,いかに場面認識を行うのかという意識面に注目する必要がある.そこで,日本語のスピーチレベルに似た体系が存在する韓国語の母語話者で,日本留学経験者の5名を対象に,留学生活を振り返りながら,スピーチレベルの選択に伴う場面認識に関連するエピソードを具体的に語ってもらい,質的分析を行った.来日当初は,全員が日韓のスピーチレベル使用を同じであると考えていたが,様々な場面で違和感を抱き,相違点に気づいた.特に,年齢や立場による上下関係に関する場面認識の日韓差に関して全員が言及していた.しかし,それを自分の中でどのように意味づけるかという点には,対象者による違いが見られた.また,初めから普通体を使用するのか,徐々に普通体に移行するのかという経時的な側面に関しては,親しさの把握の仕方の違いが影響しており,個人の性格に起因した問題となっていた.以上のように,スピーチレベルの選択に伴う場面認識には,個人の考え方や性格による違いが見られた.スピーチレベルを選択する人の価値観が,場面認識とスピーチレベルに反映されているのであり,個人の意識に焦点を当てる必要があるといえる.
  • 勝田 順子
    原稿種別: 本文
    2015 年18 巻1 号 p. 60-74
    発行日: 2015/09/30
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    2011年までの約30年間で,日本国内の外国人登録者数は41%上昇している,また,外国人留学生の数的推移を見ると,東南アジアからの留学生が増加傾向にあることが分かる.これに伴った日本人と外国人の接触場面の増加は,異文化との接触場面の増加であり,様々な問題が発生しうる.これまでの接触場面研究においては,「初対面場面」に関するものが多くなされているが,「友人間の接触場面」についてのものはほとんど見当たらない.本稿では,これまでにあまり研究されてこなかった,日本人と外国人(マレーシア人)の「友人同士」の接触場面会話を扱うことにより,ある一定期間の日本人との接触を経ても気づくことが困難な「規範」の違いを示す.また,マレーシア人留学生は,日本人が持つ「あいづちの規範」とは異なったあいづち行動を行ったが,この「逸脱」に,マレーシア人は気づかず(「留意」せず),また日本人によって「評価」もされなかったために,「調整」が行われなかったことを示す.接触場面における外国人の「あいづち」の研究は多くあるが,外国人の「あいづち」使用の背後にある心理について述べたものは見当たらない.本研究が,日本人及びマレーシア人日本語学習者の「規範」の違い及び,「『日本人が持つあいづちの規範』からの『逸脱』」という現象への理解を深め,今後の接触場面会話を行う際の,双方の理解向上の一助となることを願う.
  • 花村 博司
    原稿種別: 本文
    2015 年18 巻1 号 p. 75-92
    発行日: 2015/09/30
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    本稿は,新出型・再開型・前提提示型という,日本語の会話における話題転換の型により,接続表現や言いよどみのような話題転換表現がどのように使いわけられているかをあきらかにする.新出型は転換後の話題が以前の話題とつながらない型,再開型は転換後の話題が以前の話題とつながる型,前提提示型は話題を継続するための前提的発話が直前の話題とはつながらない型である.これまでの研究で,前提提示型は話題転換として取りあげられていない.つながりのあるいくつかの発話a_1, a_2, … a_nから構成されるまとまりを話題Aと考えると,前提提示型話題転換では,話題Aにつながる話題Bの最初の発話b_1が直前の話題Aとはつながらない.たとえば,「ダブルワーク」についての話題Aに,「平日の休みにバイトしてくれと嫁に言われる」という発話b_nを追加する前提として,「時短休暇は平日休みになるシステム」という説明の発話b_1を入れるような場合である.話題転換表現は,3つの型でまったく異なる使用傾向がある.新出型では,先行話題の終了を示す沈黙が出やすく,接続表現は出にくい.再開型では,「でも」などの接続表現が出やすく,言いよどみは出にくい.前提提示型では,「あの」などの言いよどみのあとに沈黙が出やすく,先行話題終了の沈黙は出にくい.前提提示型の最初の発話で聞き手とのあいだに認識のずれが生じないように,話し手は話題転換表現を使いわけている.
  • 高木 智世, 森田 笑
    原稿種別: 本文
    2015 年18 巻1 号 p. 93-110
    発行日: 2015/09/30
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    日本語会話でしばしば用いられる「ええと」は,従来,「フィラー」や「言いよどみ」などと呼ばれてきた.本稿では,質問に対する反応の開始部分に現れる「ええと」が,相互行為を組織する上でどのような働きを担っているかを明らかにする.具体的にどのような環境において,質問に対する反応が「ええと」で開始されるかを精査することにより,上述の位置における「ええと」が,単なる「時間稼ぎ」や発話産出過程の認知的プロセスの反映ではなく,質問に対する反応を産出する上での「応答者」としてのスタンスを標示していることを明らかにする.日本語話者は,質問を向けられたとき,まずは「ええと」を産出することにより,「今自分に宛てられたその質問に応答するには,ある難しさを伴うが,それでも,応答の産出に最大限に努める」という主張を受け手(質問者)に示すことができる.すなわち,「ええと」を反応のターンの開始部分で用いることは,相互行為の進展が阻まれているように見える事態において,「今ここ」の状況についての間主観性を確立し,相互行為の前進を約束するために利用可能な手続きなのである.
  • 坪根 由香里, 田中 真理
    原稿種別: 本文
    2015 年18 巻1 号 p. 111-127
    発行日: 2015/09/30
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は,第二言語としての日本語小論文の「内容」「構成」の評価が,評価者によって異なるのか,もしそうならどのように異なるのかを検討し,その上で「いい内容」「いい構成」がどのようなものかを探ることである.調査では,「比較・対照」と「論証」が主要モードの,上級レベルの書き手による6編の小論文を日本語教師10名に評価してもらった.その結果を統計的手法を用いて分析したところ,「内容」「構成」ともに,異なる評価傾向を持つ評価者グループのあることが分かった.そこで,上位4編の評価時のプロトコルから「内容」「構成」に関する部分を抜き出し,それを実際の小論文と照合しながら,各評価者グループの評価観の共通点・相違点について分析した.その結果から,「いい内容」の要因は,1)主張の明確さ,2)説得力のある根拠を分かりやすく示すこと,3)全体理解の助けになる書き出し,4)一般論への反論であることが分かった.視点の面白さと例示に関しては評価が分かれた.「いい構成」は,1)メタ言語の使用,2)適切な段落分けをし,段落内の内容が完結していること,3)反対の立場のメリットを挙げた上で反論するという展開,4)支持する立場,支持しない立場に関する記述量のバランスが要因として認められた.本研究で得られた知見は,第二言語としての日本語に限らず,第一言語としての日本語小論文の評価にも共有できるであろう.
  • 井上 史雄
    原稿種別: 本文
    2015 年18 巻1 号 p. 128-146
    発行日: 2015/09/30
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    この論文では二つの新しい見方を導入する.一つは言語変化の調査理論に関わるもので,従来の「実時間」「見かけの時間」に加えて「記憶時間」「空間時間」という概念を導入する.二つ目は記憶時間に基づく調査結果の表示技術で,複数の広域グロットグラムを整合的に見渡すための技法を紹介する.その結果「オトーサン」の呼称について,現在の言い方と「記憶時間」による子どものころの言い方がかなり違うことが示された.このデータを元に理論的な考察も行う.
  • 伊集院 郁子, 盧 〓鉉
    原稿種別: 本文
    2015 年18 巻1 号 p. 147-161
    発行日: 2015/09/30
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    本研究では,(1)日本人大学生による日本語意見文(JJ),(2)韓国人大学生による韓国語意見文(KK),(3)韓国人日本語学習者による日本語意見文(KJ),をデータとし,主張の出現位置に着目してタイトルと文章構造の対照研究を行った.3者間のデータの異同を明らかにした上で,母語(KK)が学習言語(KJ)に与える影響について考察を加えた結果,次のことが明らかになった.1 タイトルは,JJは名詞止めによる「主張示唆」,KKは文による「主張明示」が最も多い.2 JJの文章構造は,「はじめ」と「おわり」に主張を置く型に集約されているが,KKは,「おわり」に主張を置く型,「なか」と「おわり」に置く型,「はじめ」と「おわり」に置く型の3つに拡散している.3 意見文の冒頭文は,JJでは「主張」か「背景」,KKでは「背景」が多い.また,最終文は,JJでは「主張」が多いが,KKはJJより,「根拠」や「補足」で締め括られる例が多い.4 上に示したKKの特徴は,KJにも反映されている.5 名詞止めによる「主張示唆」のタイトルは,母語(JJ,KK)での使用に比べ,学習言語(KJ)では産出されにくい.6 いずれの言語でも,タイトルか本文の「はじめ」(あるいはその両方)で主張を明示または示唆する意見文が典型的で,執筆者の主張が早い段階で読み取れる点は共通している.
  • フェアブラザー リサ
    原稿種別: 本文
    2015 年18 巻1 号 p. 162-175
    発行日: 2015/09/30
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    数多くの外資系企業が日本で取引しているのにもかかわらず,日本の多言語職場における言語行動に関する研究は非常に少ない.本研究では,ヨーロッパ多国籍企業に勤務している複言語話者との半構造化及びインターアクション・インタビューをもとに,こうした多言語職場で行われるインターアクション行動はハイブリッド化,ピジン化,及び意図的に調整された形式を含む「多形式」(multiform)であると論じる.さらに,このような多形式の行動は単なる言語行動に限定されず,社会言語学的及び社会文化的な行動にも見られる.しかし,これらの多形式の行動が行われる目的はコミュニケーションをスムーズに行うためであると先行研究で論じられているのに対し,本研究の分析は,力関係の影響を明らかにする.多形式な行動は選択肢としてだけでなく,職場において立場が低い者に強いられる場合があり,それが自らの第一言語使用と他のリングワフランカ使用にも影響を及ぼす.
  • 小椋 秀樹
    原稿種別: 本文
    2015 年18 巻1 号 p. 176-178
    発行日: 2015/09/30
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
  • 井上 逸兵
    原稿種別: 本文
    2015 年18 巻1 号 p. 179-181
    発行日: 2015/09/30
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
  • 浜田 麻里, 岩田 一成, 小川 珠子, 嶋 ちはる, 高橋 清樹, 堀 永乃, 村岡 英裕
    原稿種別: 本文
    2015 年18 巻1 号 p. 182-186
    発行日: 2015/09/30
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
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