社会言語科学
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8 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 阿部 圭子
    原稿種別: 本文
    2006 年 8 巻 2 号 p. 1-2
    発行日: 2006/03/30
    公開日: 2017/04/29
    ジャーナル フリー
  • 松尾 慎
    原稿種別: 本文
    2006 年 8 巻 2 号 p. 3-17
    発行日: 2006/03/30
    公開日: 2017/04/29
    ジャーナル フリー
    インドネシア総人口の3%前後を占める華人の出自言語である中国地方語とマンダリンは,スハルト政権(1966年〜1998年)の間,教育が禁止され,公の場での使用も禁止されていた.本稿の目的は,インドネシア華人の言語シフトがどのくらい進んだのか,また,ある言語使用領域で華人が何語を選択しているのかを明らかにすることである.さらに,言語シフトと言語選択に影響を与える人口構成,教育環境等の要因に関する考察を行う.調査法として,留置き式のアンケート調査をジャカルタ,メダン,ジョグジャカルタで行い,回収した341部のデータに対し量的分析を行った.分析結果から,ジャカルタでは,中国地方語からインドネシア語への言語シフトが進行中であること,ジョグジャカルタでは言語シフトが最終段階にあること,メダンでは中国地方語が華人の共通語として広く使用されており言語シフトがあまり進行していないことが明らかになった.
  • 荒川 歩, 中谷 嘉男, サトウ タツヤ
    原稿種別: 本文
    2006 年 8 巻 2 号 p. 18-25
    発行日: 2006/03/30
    公開日: 2017/04/29
    ジャーナル フリー
    本研究では,世代の要因と同世代から顔文字付きのメールをどれくらい受信するかの要因の2種類が,顔文字の評価に与える影響について検討した.大学生38名(男性14名,女性24名,平均年齢20.3才)と40才代と50才代の34名(男性17名,女性17名)がメールメッセージの印象評定実験に参加した.また調査対象者には「同世代の親しい人」からどの程度顔文字付きのメールを受け取るかについて回答を求めた.その結果,同世代の親しい人が顔文字を使う頻度が,受信者の顔文字に対する印象に影響を与えることが認められた.しかし,顔文字付きのメールの受信頻度が高い限りは,顔文字の印象に世代による差は認められなかった.これらのことは,普段から顔文字を利用するスタイルが一般的なコミュニティに属しているのかそうでないのかが,顔文字の印象に対して重要な影響をもたらすことを示している.
  • 金 由那
    原稿種別: 本文
    2006 年 8 巻 2 号 p. 26-42
    発行日: 2006/03/30
    公開日: 2017/04/29
    ジャーナル フリー
    本稿では,現在日本で異なる文化的背景をもつ日本人と在日韓国人が韓国語を共生学習している431名の学習者を対象に,韓国語イメージ,韓国イメージ,韓国人イメージを探り,尺度を作ることと,学習者の属性による相違,学習要因との関係を探ることが目的である.その結果,「韓国語イメージ」は在日韓国人が高く評価し,<韓国訪問の数>とは相関関係がない.韓国イメージは,<韓国人の友人>がいる要因と相関がある.<韓国語能力>が高いほうが韓国イメージを高く評価する.特に,「歴史的関係」因子は,日本人より在日韓国人の方が高い評価をし,女性より男性の方が,<学習期間>の長いほうが,<韓国語能力>は高いほうが「歴史的関係」を高く意識していることがわかった.韓国人イメージにおいては,全体的に学習要因とは高い相関関係がある.その中でとりわけ,<韓国語の能力>とは高い相関関係がある.<韓国語の能力>が高い方が韓国人イメージも高く評価することが確認できた.
  • 鄭 加禎
    原稿種別: 本文
    2006 年 8 巻 2 号 p. 43-52
    発行日: 2006/03/30
    公開日: 2017/04/29
    ジャーナル フリー
    本研究は質問紙調査をもとに,日本と台湾の「謝るべきと感じること」という「謝罪表明義務感」および「すまないと感じること」という「罪悪感」の異同について比較した.回答を因子分析した結果,「過失」,「被援助」,「相互儀礼」,「責務不履行」,「社会的ルール違反」といった5因子を抽出した.さらに,参加した社会人の日本人(67)と台湾人(69)の回答を比較したところ,次のことが判明した.(1)「謝罪表明義務感」については,「過失」と「相互儀礼」因子は共に日本人が台湾人よりも謝罪すべきだと強く感じる因子であった.一方,「被援助」や,「責務不履行」,「社会的ルール違反」因子においては,両群で有意差が見られなかった.(2)「罪悪感」については,「過失」と「社会的ルール違反」因子において両群で有意差が見られた.「過失」では,日本人が台湾人よりもすまないと感じやすくて,「社会的ルール違反」では,台湾人が日本人よりもすまないと感じやすかった.(3)「謝罪表明義務感」と「罪悪感」は,日台では,ともに予測的な関係にある.「過失」因子では,「謝罪表明義務感」は「罪悪感」によって説明できる割合は高くないが,「被援助」,「相互儀礼」,「責務不履行」,「社会的ルール違反」では,説明できる割合が高く,「罪悪感」が「謝罪表明義務感」の決定の主要因であるという結果であった.
  • 李 善姫
    原稿種別: 本文
    2006 年 8 巻 2 号 p. 53-64
    発行日: 2006/03/30
    公開日: 2017/04/29
    ジャーナル フリー
    本稿では日本語母語話者と韓国語母語話者を対象とし,日常生活で遭遇する可能性の高い場面において,それぞれどのように不満を表明するかを調べ,両者の「不満表明」にみられる相違点を明らかにすることを目的とする.15場面からなる談話完成テストを用いて,両者の場面別不満表明ストラテジーの使用を比較した結果,多くの場面で不満表明ストラテジーの選択が異なっていることが分かった.さらに,両者の不満表明ストラテジー内の言語表現や「不満表明」の切り出しや終結部に用いられた言語表現を分析したところ,両者の間には相違点があることが明らかとなった.
  • 清水 誠治
    原稿種別: 本文
    2006 年 8 巻 2 号 p. 65-71
    発行日: 2006/03/30
    公開日: 2017/04/29
    ジャーナル フリー
    ワンマンバスの,テープや音声合成による案内放送について,全国の路線バス事業者に実施したアンケート調査の結果の中から,地域差の見られた事例を取り上げ,分布図を用いて報告する.ここで取り上げるのは以下の事象である.・次の停車バス停や行き先案内での「です」と「でございます」の使用・起点発車時,および終点到着時の第一声に流されること・乗客が乗務員に降車の希望を知らせる設備の名称ここでは,設備の名称に見られるように,おおよそ東日本にしか見られない事象があることや,終点到着時の第一声に見られるような特定の地域に集中している事象のあることなどがわかった.
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