LD研究
Online ISSN : 2434-4907
Print ISSN : 1346-5716
27 巻, 1 号
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  • 干川 隆
    2018 年 27 巻 1 号 p. 67-79
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/12/25
    ジャーナル オープンアクセス
    米国ではRTIの流れの中で,学習の進捗状況をモニターする方法としてカリキュラムに基づく尺度(CBM)が活用されている。わが国でも早期に学習のつまずきを発見する必要性から,量的評価尺度としてのCBMの標準化が必要である。そこで本稿では,Foegen et al.(2007)以降に出版された19本の算数のCBMの論文を分析した。そのうち9本が幼児・幼稚園児を,9本が小学生を,1本が中学生を対象とした。幼稚園児に対しては,口頭のカウンティング(OC),数の認識(NI),量の識別(QD),失われた数(MN)が用いられ,QDとMNが有力な評価尺度であること,さらに小学生の算数のリスクを予測できることが明らかとなった。小学生の研究では,計算のCBMだけでなく概念・応用のCBM,文章題のCBMが用いられていた。これらの結果について,CBMの測定方法と統計分析方法の変化と研究対象の変化の観点から考察した。
  • ひらがな単文字と文字列による評価方法の提案とその臨床的有効性の検証
    河野 俊寛
    2018 年 27 巻 1 号 p. 80-89
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/12/25
    ジャーナル オープンアクセス
    小学生の書字の「読みやすさ」(legibility)の評価およびその臨床的有効性について検討した。小学生384名を対象に,ひらがな単文字と文字列の評価で判定した。単文字の評価は「た」「い」「の」3文字を対象に,文部科学省小学校学習指導要領解説国語編の「書写に関する事項」から,「形(概形)」「均整(点画の長短・点画の方向・点画相互の位置関係)」で行った。文字列の評価は3行を対象に,文字の大きさおよび配列の均整で行った。全評価点は1年生から4年生にかけて向上し,その後6年生にかけて低下していた。性差が認められ,女子の方が成績がよかった。教育相談の中から,保護者が「字が汚い」と訴えた20事例の「読みやすさ」を,本研究で求められた平均値および標準偏差を使って評価したところ,単文字の評価において,20事例中15事例のz値がマイナス1.5以下であった。
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