米国ではRTIの流れの中で,学習の進捗状況をモニターする方法としてカリキュラムに基づく尺度(CBM)が活用されている。わが国でも早期に学習のつまずきを発見する必要性から,量的評価尺度としてのCBMの標準化が必要である。そこで本稿では,Foegen et al.(2007)以降に出版された19本の算数のCBMの論文を分析した。そのうち9本が幼児・幼稚園児を,9本が小学生を,1本が中学生を対象とした。幼稚園児に対しては,口頭のカウンティング(OC),数の認識(NI),量の識別(QD),失われた数(MN)が用いられ,QDとMNが有力な評価尺度であること,さらに小学生の算数のリスクを予測できることが明らかとなった。小学生の研究では,計算のCBMだけでなく概念・応用のCBM,文章題のCBMが用いられていた。これらの結果について,CBMの測定方法と統計分析方法の変化と研究対象の変化の観点から考察した。