LD研究
Online ISSN : 2434-4907
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  • 宮崎 光明, 宮崎 美江, 川﨑 聡大, 宮 一志
    2024 年 33 巻 3 号 p. 241-255
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/08/25
    ジャーナル フリー
    本研究では,読み書きが困難な子供をもつ親への親支援プログラムを作成し実施した。読み書きが困難な子供の理解や支援等に関する講義,読み書きの支援計画を作成するグループワーク,読み書きの支援を行うホームワークでプログラムを構成し,小集団形式で全7回行った。参加者6名を分析対象とした。その結果,参加者の読み書きが困難な子供に対する理解や支援等に関する知識量が増加し,養育上のストレス度や不安度が減少した。また,各参加者が家庭で4~5個の課題を実施したところ,多くの課題を達成し,子供の読みや書きのスキルが向上した。参加者の子供への学習支援に関する主観的評価では,各質問項目の平均得点が増加した。事後アンケートでは,肯定的な評価と今後の課題となる意見を得た。これらの結果から,参加者が獲得した知識とその応用,子供の実態把握と支援方法の選択,参加者の心理的な変化の三つの観点でプログラムの効果を検討した。
  • 平生 綾乃, 平生 尚之, 井澤 信三
    2024 年 33 巻 3 号 p. 256-268
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/08/25
    ジャーナル フリー
    本研究は,発達障害や発達特性のある幼児への関わり方に不安を持つ保護者10名と担当加配保育士9名に,加配保育士参加型ペアレント・トレーニングを実施し,効果を検討した。プログラムは全5回で構成し,対象者をかえて2年間実施した。効果指標として,事前事後に新版STAIとGHQ28をt検定と効果量で,事後に実施した満足度アンケートと講座内の報告を内容的要約分析で評価し,参加者が設定した目標行動やその言語報告を整理した。結果,保護者は,状態不安と特性不安および精神健康度で有意な低減が(効果量大),加配保育士は,状態不安で有意な低減が認められた(効果量大)。保護者と加配保育士双方において「会話機会の増加」「情報共有と共通理解」「家庭と園での協働」や,子どもの肯定的な行動変容が報告された他,加配保育士の所属園での連携行動も促進された。フォローアップを含めたエビデンスの蓄積が課題である。
  • メタ分析による検討
    岡田 涼
    2024 年 33 巻 3 号 p. 269-283
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/08/25
    ジャーナル フリー
    本研究では,学習障害児(LD児)の動機づけの特徴について,メタ分析によって検討した。内発的-外発的動機づけ,達成目標,自己効力感についてLD児と非LD児を比較した44の研究から114の効果量を収集した。分析には,小学生から高校生を対象とする研究を含めた。その結果,LD児は非LD児に比して,内発的動機づけ,熟達接近目標,自己効力感が低いことが示された。内発的動機づけの効果量は小さい値から中程度の値,熟達接近目標の効果量は中程度から大きい値,自己効力感の効果量は大きい値であった。非LD児に比して,LD児は学業達成にとって促進的な効果をもつ動機づけ変数において低いことが示唆された。それぞれの動機づけ理論で想定されている動機づけの変化に関するメカニズムから,LD児の動機づけ支援について論じた。
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