LD研究
Online ISSN : 2434-4907
Print ISSN : 1346-5716
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  • 大沼 泰枝
    2023 年 32 巻 2 号 p. 77-89
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/05/26
    ジャーナル オープンアクセス
    障害学生支援部署において,発達障害のある学生を対象に防災教育・防災訓練の教材を作成し,個別に実施した成果について検討した。本防災教育・防災訓練は,大学にいる時間帯に災害が発生した場合に,学生が周囲の支援者にスムーズに自分の情報を提供し,必要な支援を受けられるようにすることを目的とした教材と大学周辺の防災情報や大学で地震に遭遇した場合の対処について学び,実際に避難訓練を実施するための教材から構成された。発達障害のある学生1名を対象に防災教育・防災訓練を行った結果,地震に対する対処行動の知識を習得することができ,地震発生時の対処行動の自己効力感を高めることができた。しかしながら,対象者の地震に対する不安を低減することはできなかった。このことから,対象者の特性を考慮し,不安の軽減を目的としたメニューを入れる等,防災教育・防災訓練の内容を個別に検討する必要性が示された。
  • 田中 駿, 牛山 道雄, 郷間 英世, 石倉 健二
    2023 年 32 巻 2 号 p. 90-97
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/05/26
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,発達がアンバランスな幼児6名と定型発達児32名に対して,年少から年長にかけて身体模倣課題を実施し,身体模倣の獲得過程の違いを明らかにすることを目的とした。身体模倣の正中線交差なしは,アンバランスな児と定型発達児で有意な差は認められなかったが,正中線交差あり,および手指の模倣は,年中および年長で有意な差が認められた。また,身体模倣の発達については,アンバランスな児は,正中線交差なし,および正中線交差ありは,年少から年長にかけて伸びがあり,定型発達児は,年少から年中にかけて伸びがあると考えられた。本研究において,アンバランスな児の対象人数は少なかったが,アンバランスな児と定型発達児は共に年齢による発達がみられるものの,正中線交差ありや手指の複雑な模倣は,年中から差が生じ始めると考えられた。また,個別の検討により,アンバランスな児の模倣の発達には3つのパターンがあることが推測された。
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