景観生態学
Online ISSN : 1884-6718
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14 巻 , 1 号
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特集:半自然草原の保全と再生に向けた新しい取り組み
原著
  • 村上 健太郎, 上久保 文貴, 泉本 法子, 森本 幸裕
    原稿種別: 原著
    2009 年 14 巻 1 号 p. 41-51
    発行日: 2009/09/30
    公開日: 2012/06/09
    ジャーナル フリー
    大阪府南部の岸和田市の都市域から都市郊外の21箇所の孤立社寺林において,木本植物の在/不在データを収集し,地域に生育する木本植物種全体を保全するためのアンブレラ種の選定を試みた.選定法はLambeck(1997)が示した焦点生物種選定手法に基づき,各脅威カテゴリーに対して最も敏感な種を複数選定する方法を用いた.その結果,小面積化に最も敏感に反応した種としてアリドオシ(Damnacanthus indicus)およびツルコウジ(Ardisia pusilla)が,また孤立距離増大に対して最も敏感な種としてアリドオシ,ツルコウジ,ヤブムラサキ(Callicarpa mollis)が選定された.この3種の焦点生物種より,導き出される緑地保全・創出ガイドラインは,(1)少なくとも0.82 haの面積の森林を保全もしくは創出すべきであること,(2)大面積林からの距離が0.80 km以下の森林を保全もしくは創出すべきであることであり,これらの基準を満たすことによって,自生する木本植物の90%以上の種が保全できることが明らかになった.
  • 田村 元, 島野 光司
    原稿種別: 原著
    2009 年 14 巻 1 号 p. 53-66
    発行日: 2009/09/30
    公開日: 2012/06/09
    ジャーナル フリー
    神社林が様々な植物の生育環境を提供していることを明らかにするために,長野県松本市内の8つの神社(10調査区)と周辺の5つの対照区,合計75調査地点で植生調査,光環境調査,土壌水分環境調査を行った.神社林はいずれもスギ,ヒノキ,ケヤキなどが林冠を被っていたが,多様な植物が林床に生育していた.対照区と比べると,山地に生育するとされている種や林縁に生育するとされる種が神社林で多く見られ,一方で路傍に生育する種は少なく,帰化率も低かった.また,神社林は土壌含水率が高いところ,低いところがあり,土壌含水率の高いところでは,湿地に生育する種の割合が高かった.神社林内で帰化率が低いのは,高木の林冠層の存在による,適度な被陰とそれにともなう山地生殖物の増加によるものと考えられた.こうしたことから,住宅や農地として開発された市街地において,神社林は多様な植物の生育の場として機能していることが分かった.
短報
  • 金子 是久, 中村 俊彦
    原稿種別: 短報
    2009 年 14 巻 1 号 p. 67-72
    発行日: 2009/09/30
    公開日: 2012/06/09
    ジャーナル フリー
    This research investigated the change of weeds community by winter-flooded that conducted at shore of Inba Lake, and compared to the different of weeds community in dry-rice-field. As a result, we could confirm empathic difference between winter-flooded rice field and dry-rice-field. In regard to species number per year, winter-flooded rice field intended to be fewer in comparison to dry-rice field. In regard to the plants volume, although winter-flooded rice field were higher than dry-rice field at summer, otherwise dry-rice field were high. In winter-flooded rice field, plant volume of Monochoria vaginalis which was dominant at summer and autumn extremely increased, and in winter, plant volume of Alopecurus aequalis which was dominant species in pre-winter flooded extremely decreased.
調査研究報告
  • 山場 淳史, 渡邉 園子, 斎藤 一郎, 中越 信和
    原稿種別: 調査研究報告
    2009 年 14 巻 1 号 p. 73-81
    発行日: 2009/09/30
    公開日: 2012/06/09
    ジャーナル フリー
    残材バイオマスを活用することでマツ林型里山保全活動を発展させようとしているボランティア団体を支援するための技術的検討と合意形成を図った.具体的には,会の活動区域内の13箇所で毎木・倒木調査を行うとともに,主要樹種を対象に伐採調査を行った.その結果,毎木調査により胸高断面積(BA)ベースで91%を占めると考えられる主要9樹種が確認され,これらの樹種のBAと立木の利用可能バイオマス量との間には高い相関が認められた.また,デジタル空中写真画像に20 mグリッドレイヤーを重ね合わせ,セルごとのアカマツの樹冠疎密度計測により植生を3区分した.そのうえで,毎木調査地点との対応から区分ごとに樹種別平均BA合計を算出し,BAと利用可能バイオマス量との関係式から植生区分ごとの単位面積当たり平均利用可能バイオマス量を換算したところ,155.5~201.9 tDW/haと推定され,各植生区分の面積から区域全体の利用可能バイオマス量は全体で3065.0 tDWと推計された.これらの結果を受けて,現実的なバイオマス利用を前提とした対象林分の整備目標値を具体的に提示し,ワークショップによる関係者間の合意形成に資することができた.
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