景観生態学
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18 巻 , 1 号
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特集「景観生態学におけるリモートセンシングの新しい利用」
  • 今西 純一
    原稿種別: 特集
    2013 年 18 巻 1 号 p. 1-2
    発行日: 2013/07/25
    公開日: 2014/07/25
    ジャーナル フリー
  • 趙 憶, 富田 瑞樹, 原 慶太郎
    原稿種別: 原著
    2013 年 18 巻 1 号 p. 3-14
    発行日: 2013/07/25
    公開日: 2014/07/25
    ジャーナル フリー
    近年,生態学と地理学において空間パターンとスケールの関係を明らかにすることはますます中心的な課題となった.スケールとは粒度または空間分解能として定義づけられる.一方,景観評価においては誤ったスケールを選択すると結果の解釈にバイアスをもたらすことがある.特に,近年衛星リモートセンシングの普及に伴って,ローカル・スケールからグロバール・スケールにわたる景観動態のモニタリングと抽出が可能となり,研究対象のスケールに応じて適切な空間分解能を持つ衛星の選択が必要とされる.また,衛星リモートセンシングのさらなる効率化を図るために異なる衛星データ間の「スケーリング」を明らかにすることも重要である.本論では,異なる空間分解能の衛星データ(QuickBird(2.5m),ALOS AVNIR-2(10m),Terra ASTER(15m),Landsat ETM+(30m))を用いた景観解析の粒度のスケール効果およびスケーリングの関係を提示することを目的とする.解析対象地は,千葉県佐倉市にある典型的な谷津景観を代表する畔田地区に設定した.解析には,まず,最尤法を用いて各衛星データについて土地被覆分類を行なった.精確な土地被覆の分類図が得られた後,衛星データごとに多数法を用いて分類結果をリサンプリングし異なる粒度の土地被覆分類図を作成した.最後,FRAGSTATSにある複数の景観指数を用いて粒度の拡大とともに景観構造特性がどのように変化するか各衛星データのスケール効果とスケーリング関係を調べた.その結果,粒度の拡大に伴って多くの景観指数はいずれの衛星データもべき乗則と対数関数のスケーリング関係が顕著でそれに従って各指数の値が増加・減少することが明らかになった.
  • 村上 拓彦, 望月 翔太, 中谷 智成
    原稿種別: 原著
    2013 年 18 巻 1 号 p. 15-22
    発行日: 2013/07/25
    公開日: 2014/07/25
    ジャーナル フリー
    本研究では,農業景観の不均質性の指標として新たに提唱されているSatoyama Index(以下,SI)を用いて県域スケールで農業景観のモザイク度の定量化を行った.まず,LANDSAT画像に対して,最尤法を用いた教師付き分類を行い,土地被覆分類図を作成した.次に20ピクセル×20ピクセル(600 m×600 m)の空間を解析メッシュと定め,この解析メッシュ内の農業景観構成要素の多様性ALHI(Agricultural Landscape Heterogeneity Index)を算出した.さらに,空間ユニット内において市街地に分類されたセルを除いた解析メッシュ内の非農地区画(広葉樹,針葉樹,裸地,水域)セルの割合をALHIに乗ずることによってSIを算出した.SI値の高い箇所として,典型的な里地里山的環境(農地と森林の境界部分など傾斜地と平野が接する場所や谷が存在する場所など)が抽出された一方で,主要河川沿いや海岸林の部分なども抽出されることが明らかとなった.土地被覆の空間分布パターンとSI値の関係について確認したところ,その空間に含まれる土地被覆の数とSI値に矛盾はなかった.一方,自然度が高いと想定される広葉樹林が高い連続性をもつような空間ではSIは0を示した.SIが農業景観における不均質性を定量化している点に留意して,SI値のみで地域の生物多様性と関連付けることがないようしなければいけないことを指摘した.
  • 佐々木 剛, 今西 純一, 伊尾木 慶子, 宋 泳根, 森本 幸裕
    原稿種別: 調査研究報告
    2013 年 18 巻 1 号 p. 23-28
    発行日: 2013/07/25
    公開日: 2014/07/25
    ジャーナル フリー
  • 鎌形 哲稔, 赤松 幸生, 原 慶太郎, 富田 瑞樹, 平吹 喜彦
    原稿種別: 調査研究報告
    2013 年 18 巻 1 号 p. 29-34
    発行日: 2013/07/25
    公開日: 2014/07/25
    ジャーナル フリー
原著
  • 赤木 光子, 丸山 隆, 小林 達明
    原稿種別: 原 著
    2013 年 18 巻 1 号 p. 35-46
    発行日: 2013/07/25
    公開日: 2014/07/25
    ジャーナル フリー
    典型的都市河川である東京都呑川において,カモ類の摂餌場所選択性と河川環境の関係を調べるために,2008年12月から2010年4月の期間中に計32回のライントランセクト調査を行い,2010年2月に11箇所で行った底生生物および草本の種子の採集結果や,流水環境の調査結果と比較した.草本の種子は瀬からトロへの移行部で最も高密度で採集され,ユスリカの幼虫はトロから瀬への移行部で最も高密度で採集された.カモ類の優占種は,カルガモ・コガモ・オナガガモの3種であり,いずれも主に浅瀬で摂餌をしていたが,前2者はトロから瀬への移行部,後者は瀬からトロへの移行部で特に密度が高く,両グループは餌料選択性に差があることが推測された.以上のことから,河川工法の違いに由来する瀬やトロなどの微環境の多様性がカモ類の種組成や飛来密度に影響する可能性が示された.
  • 伊藤 哲, 須藤 陽子, 西脇 亜也, 平田 令子
    原稿種別: 原 著
    2013 年 18 巻 1 号 p. 47-56
    発行日: 2013/07/25
    公開日: 2014/07/25
    ジャーナル フリー
    河川改修後の植生再生が予定されている宮崎県串間市千野川において,現河道の水辺の植物群落と地形,土壌環境との対応を解析し,河道沿いの植生の現状と物理環境について検討した.河道内の植生の相観および微地形の違い(高位法面,低位法面,法面凹地,河床堆積面)を考慮してプロットを37個設置し,植生調査および土壌環境因子の測定を行った.37プロットの植生はTWINSPANによって4タイプに区分された.それぞれのタイプが微地形および土壌環境の違いに対応しており,立地環境に対応した種組成の分化の傾向が確認された.しかし,在来の水辺植生と比較すると典型的な水辺域と乾燥域との中間的な立地およびこれに対応する植生が欠落していると考えられた.また,河道の環境別の植生配分は,自然度の高い水辺植生と比較して,充分に分化していないと推察された.河道法面の凹地形の土壌環境(土壌硬度,電気伝導度)は,高位・低位法面と河床堆積面の中間的な性質を保持しており,現河道で欠落している立地および植生を埋める可能性がある場として重要であると考えられた.以上の結果から,今回調査を行った千野川の河道の植生は,自然河川と比較してやや多様度が低いと評価され,改修後の新河道に自然植生を再生する上では,現河道と同様の植生状態にすることが最低条件であると考えられた.新河道をより自然度・多様度の高い河川にする方策として,凹地形の形成等が望まれる.
  • 高橋 一之, 原 慶太郎
    原稿種別: 原 著
    2013 年 18 巻 1 号 p. 57-72
    発行日: 2013/07/25
    公開日: 2014/07/25
    ジャーナル フリー
    本研究は,谷津景観の変遷過程を把握する上で,地形と土地所有形態という2つの視点から,景観構造の変化とその要因について解析したものである.千葉県佐倉市畔田周辺地域を対象とし,年代の異なる6時期の空中写真と迅速測図を用いて,15種類の景観要素タイプに分類し,約125年間の谷津景観の変遷過程を把握した.また国土数値情報5 mメッシュ標高を用いて,「低地-台地-斜面」から構成される地形分類図を作成した.さらに,佐倉市の資料を用いて土地所有形態別地図を作成し,地形別・土地所有形態別に景観の変遷過程を比較した.その結果,低地においては,1970年以降に水田の耕作放棄が始まり,1980年以降には,一部で圃場整備された水田が急激に増加した.一方,台地上においては,1882年に台地全体の71%を占めていた森林は,2008年には43%まで減少した.これに対し,斜面の森林は,概ね斜面全体の70%前後を推移した.また台地と斜面の森林を構成する景観要素の推移としては,かつて下総台地に広範に分布していたアカマツ植林が,1990年にかけて完全に消失した.スギ植林も1980年以降から急激に減少し,アカマツ植林やスギ植林の衰退に呼応して落葉広葉樹林が増加した.さらに土地所有形態の違いによって,水田が耕作放棄されていく時期が異なることが明らかになった.本研究の結果から,地形の要因だけでなく,土地所有形態によって谷津景観の変遷過程が異なることが明らかになった.
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