保健医療学雑誌
Online ISSN : 2185-0399
ISSN-L : 2185-0399
8 巻, 2 号
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原著
  • 岩井 信彦, 村尾 浩
    2017 年 8 巻 2 号 p. 90-95
    発行日: 2017/10/01
    公開日: 2017/10/01
    ジャーナル フリー

    〔目的〕理学療法学科を中途で退学もしくは転学部した学生の成績特性を明らかにすることである.〔対象と方法〕留年することなく卒業した学生93 名と退学もしくは転学部した学生23 名を対象とした.第1,第12,第13,第14 セメスターの4 期間で専門必修科目から算出できるgrade point average estimated with required subjects GPA-RS)を算出し両群を比較した.ROC 曲線からカットオフ値を求め,感度,特異度,信頼度を求めた.〔結果〕4 期間すべてで退学群のGPA-RS が有意に低かった.カットオフ値は1.932.09,感度は63.283.3%,特異度は76.389.2%,信頼度は75.988.3%,偽陰性率は16.736.8%であった.〔結語〕退学する学生のGPA-RS にて1,2 年次に中途退学の恐れのある学生を抽出できる可能性が示唆された.

  • 田積 匡平, 鳥居 行雄, 眞野 智生, 大久保 元博, 川本 正美, 西嶋 久美子, 長尾 恭史, 小林 靖, 前田 留美子
    2017 年 8 巻 2 号 p. 96-103
    発行日: 2017/10/01
    公開日: 2017/10/01
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は急性期病院入院中に誤嚥性肺炎を合併した大腿骨近位部骨折患者の臨床的特徴と帰結を明らかにし,今後の課題を検討することである.対象は嚥下障害を有する大腿骨近位部骨折患者60 名とした.患者を肺炎合併群と非合併群に分け,各種臨床パラメーターを比較検討した.肺炎合併群には中枢神経疾患の既往がある重度嚥下障害,保存的治療の患者が多くみられた.また,半数以上が経口摂取困難となり,在院日数が長期化した.そして,回復期病院への転院が少なく療養型病院への転院や死亡退院が多くみられた.大腿骨近位部骨折患者の予後や転帰を悪化させないためには,入院早期から嚥下障害に関わる多職種が連携して入院中の誤嚥性肺炎の予防に努める必要がある.

  • 備前 宏紀, 木村 大介, 大歳 太郎
    2017 年 8 巻 2 号 p. 104-109
    発行日: 2017/10/01
    公開日: 2017/10/01
    ジャーナル フリー

    物忘れを主訴とする患者における海馬の萎縮や楔前部・後部帯状回の血流低下に関連する神経心理学検査を検討することを目的とした後方視的研究である.海馬の萎縮や血流低下を従属変数,Mini-Mental State Examination,改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R),三宅式記銘力検査,Frontal Assessment BatteryFAB),ウェクスラー記憶検査の下位検査である論理的記憶Ⅰ・Ⅱを独立変数として判別分析を実施した.その結果,海馬の萎縮に関連する神経心理学検査としてHDS-R・論理的記憶Ⅱが抽出され,楔前部・後部帯状回の血流低下に関連する神経心理学検査では,FAB が抽出された.これらの神経心理学検査は海馬の萎縮や楔前部・後部帯状回の血流低下を反映し得る可能性のある神経心理学検査であると考えられた.

  • 内藤 紘一, 松尾 泉, 宮﨑 博子, 藤野 英己
    2017 年 8 巻 2 号 p. 110-116
    発行日: 2017/10/01
    公開日: 2017/10/01
    ジャーナル フリー

    人口の高齢化に伴い,心臓リハビリテーション対象者も高齢化しており,転倒リスクを評価することの重要性が高まっている.そこで,本研究は,転倒リスクをスクリーニングするための項目を検討することとした.60 歳以上の入院高齢心不全患者33 例をBerg balance scale を使用して,転倒リスクの有無で2 群に分け,患者背景,重症度,身体機能を比較した.その後,ロジスティック回帰分析を行い,転倒リスクの有無に関連のある項目を抽出し,ROC 曲線を用いてカットオフ値を算出した.転倒リスクに独立して関連する因子は6 分間歩行距離のみであり,カットオフ値は328m であった.6 分間歩行距離が328m 未満では転倒リスクが高い可能性があることが示唆された.

総説
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