大規模植林は,地球温暖化対策として最も有効な方法である.高吸水材は,半乾燥地及び乾燥地で植林された樹木の生存と生育に効果的とされている.水吸収を目的とした吸水材は化学的合成法で製造されているが,安定で分解され難い特徴がある.
著者らは,大規模植林のための生物分解性を備えた高吸水性保水材の合成を目的とした.本研究では反応開始試薬Cerium ammonium nitrate(CAN)と架橋結合試薬N-methylenebisacrylamide(MBA)を用い,Chitosanの分子構造へAcrylic acid monomerを接合した.著者らは,Chitosanを新生物分解性保水材合成の基礎物質として使用した.合成した物質の特性は,赤外分光光度計(FTIR),13C核磁気共鳴装置(NMR), 走査型電子顕微鏡(SEM),示差走査熱量測定(DSC)で検討した.また,合成した物質の保水能は乾湿計(Psychrometer)で評価し,熱安定性については示差走査熱量測定(DSC)で評価した.
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