沙漠研究
Online ISSN : 2189-1761
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32 巻, 4 号
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小特集
  • 石川 祐一
    2023 年 32 巻 4 号 p. 131-132
    発行日: 2023/03/30
    公開日: 2023/03/30
    ジャーナル フリー
  • 吉橋 忠
    2023 年 32 巻 4 号 p. 133-139
    発行日: 2023/03/30
    公開日: 2023/03/30
    ジャーナル フリー

    高い生物的硝化抑制(BNI)能を持つ野生コムギ近縁種であるオオハマニンニクとの属間交配により,多収品種にBNI能を付与したBNI強化コムギを開発した.BNI強化コムギは圃場において,土壌中のアンモニア態窒素の硝化を遅らせ,その土壌中濃度を向上させ,低窒素環境でもコムギの生産性が向上し,コムギの窒素利用効率が向上する.BNI強化コムギにより,生産力を維持しつつ,施肥窒素量の低減と窒素による環境汚染軽減が期待できる.

  • 齊賀 大昌
    2023 年 32 巻 4 号 p. 141-147
    発行日: 2023/03/30
    公開日: 2023/03/30
    ジャーナル フリー

    我が国の食料・農林水産業は,温暖化・自然災害の増加,生産者の減少など様々な課題に直面している一方,さらなる輸出増加のポテンシャルが高いこと,二酸化炭素の吸収源をはぐくむ重要な産業であると同時に,地域資源を活用した再生可能エネルギー等により,温室効果ガスの排出削減にも貢献できること,最新の科学技術により,食料不足や気候変動などのSDGsのゴール達成に対応できることなど,世界が直面する課題解決に向けて大きな可能性を有している.

    本稿では,食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現するための新たな政策方針として策定した「みどりの食料システム戦略」の概要とその実現に向けた政策の推進方向について紹介する.

  • 羽賀 清典
    2023 年 32 巻 4 号 p. 149-155
    発行日: 2023/03/30
    公開日: 2023/03/30
    ジャーナル フリー

    国内にリン資源を持たないわが国では,利用したリンを回収・再利用することが重要視されている.年間8,000万t余り排出される家畜ふん尿中のリン賦存量は11-19万t/年であり,リン資源としての活用方法には,堆肥,焼却灰,汚水からのリンの回収物の3つがある.堆肥中のリン酸濃度の平均値は乾物当たり,乳用牛が1.8%,肉用牛が2.5%,豚が5.6%,採卵鶏が6.2%,ブロイラー4.2%であり,大家畜の牛に比べて中小家畜の豚と鶏の堆肥にリン酸は多く含まれている.鶏ふん焼却灰には約9%のリンが含まれ,肥料メーカーに販売されなどして活用されている.汚水を曝気することによって溶解度の低いリン酸アンモニウムマグネシウム(MAP)の結晶として回収することができる.以上,回収・再利用される可能性のあるリンの量は,家畜ふん堆肥の肥料成分としてのリンが15万t,鶏ふん焼却灰に含まれるリンとして1.2万t,豚舎汚水からMAPの結晶として回収されるリンが約1万tと推計され,合計17.2万tとなった.この量は家畜ふん尿のリンの量11-19万tの範囲に入った.家畜排せつ物由来のリンを有効に活用することによって,海外からの輸入に頼っている天然リン資源を節減し,持続的な資源リサイクルへの貢献が大きいとものと考えられる.

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