我が国の食料・農林水産業は,温暖化・自然災害の増加,生産者の減少など様々な課題に直面している一方,さらなる輸出増加のポテンシャルが高いこと,二酸化炭素の吸収源をはぐくむ重要な産業であると同時に,地域資源を活用した再生可能エネルギー等により,温室効果ガスの排出削減にも貢献できること,最新の科学技術により,食料不足や気候変動などのSDGsのゴール達成に対応できることなど,世界が直面する課題解決に向けて大きな可能性を有している.
本稿では,食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現するための新たな政策方針として策定した「みどりの食料システム戦略」の概要とその実現に向けた政策の推進方向について紹介する.
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