我々は,電子カルテシステムに蓄積された看護領域のテキストデータの意味解析用辞書の自動構築を目指し,構築の際に活用できそうなものとして,ICNP
®(看護実践国際分類)と「分類語彙表(国立国語研究所)」を考えている.本稿ではこれらの利用可能性を検証している.具体的には,ICNP
®に収録されている看護用語と,「分類語彙表」に収録されている語の比較を行った.またINCP
®に登録されている看護用語(以下,登録看護用語という)の冗長性,登録看護用語によるNANDA診断ラベルとNIC看護介入ラベルの生成可能性を調べた.その結果,登録看護用語の32%が「分類語彙表」に登録されていること,看護用語を分類する際に,ICNP
®と「分類語彙表」の分類コードの利用が可能であること,ICNP
®の多軸構造は看護用語の意味体系を求める際に利用できることが確認された.また,実際に活用する際の問題点が明らかとなった.
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