医療情報学
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28 巻, 6 号
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総説
  • 佐野 友美, 赤羽 学, 八巻 心太郎, 菅野 健太郎, 今村 知明
    2008 年 28 巻 6 号 p. 293-300
    発行日: 2008年
    公開日: 2015/03/20
    ジャーナル フリー
     【目的】国際疾病分類(ICD)は,現在ICD–10が広く世界で活用されている.しかし,医学の進歩や社会変化に伴い改訂の必要性が高まってきたため,WHOはICD–11への改訂に着手した.わが国は内科領域の議長国となり,改訂に強く関与することとなった.そこで本論文では,改訂へ向けた進展状況を報告するとともに,今後の課題に対して考察を加える.【現状】WHOは既に改訂に向け,内科や精神等の12個の領域で専門部会(TAG)を設立した.わが国も積極的に改訂にかかわるべく,国内内科TAG検討会を立ち上げ,各専門学会や行政等が連携し,問題点の抽出や課題の整理,改善案の提示,国際会議参加およびWHO動向の把握等を行っている.【考察】現在までに,多くの問題点が指摘されている.問題点の代表的なものとして,言語の問題,インフォメーションモデルの改良や「分類」として利用されているICDにどのようにして「オントロジー」の概念を組み込んでいくか等が挙げられる.【まとめ】今後,国内に加え世界的な意見集約・調整を行う作業は想像以上に困難であろう.現在はICD–10+を作成する作業段階であり,オントロジーまで含めた国際的合意が得られるようにするには多くの困難があると考えられる.
技術ノート
  • 高羽 実, 吉川 大弘, 古橋 武
    2008 年 28 巻 6 号 p. 301-312
    発行日: 2008年
    公開日: 2015/03/20
    ジャーナル フリー
     遺伝的アルゴリズムを用いた看護師勤務表作成支援システムが実用化されつつある.しかし,評価関数が病院によって大きく異なるため,その記述には大変な手間がかかる.われわれは利用者が画面操作により評価関数を生成する手法を開発した.本手法は評価関数をSQLにより記述し,評価関数をプログラム本体から分離することで,プログラムに変更を加えることなく評価関数の追加を行うことができる.SQLによる記述においては,入れ子構造や自己結合の記述方法を組み合わせることで評価関数を記述可能とした.また,SQLの習得は利用者である看護師には困難であるので,画面操作によりSQLを生成する手法を開発した.本手法により,利用者はSQLを意識することなく評価関数を生成できることを示した.
  • 武田 精一, 中川 肇, 渡辺 行雄, 高崎 潤, 高木 亮, 柳浦 一博
    2008 年 28 巻 6 号 p. 313-317
    発行日: 2008年
    公開日: 2015/03/20
    ジャーナル フリー
     電子カルテシステムで指摘される問題点の一つは,特殊な診療科の検査機器から発生する標準化されていない,あるいはアナログデータをどのように電子化して,電子カルテシステムの中で参照させるかである.医療の質の向上をめざすためには,電子カルテシステムの端末で時系列的にデータを表示させて,患者に対する治療方針の決定に役立たせることが絶対条件である.今回われわれは,自科検査システムとして耳鼻咽喉科検査,特に聴覚検査のファイリングシステムを独自に開発し,電子カルテシステムからは,患者IDと許可された利用者IDを渡して,URL連携することにより,その目的を達成した.この方法は電子カルテシステムと極めて安価で構築でき,また患者の病態を共有できる利点があり,スタッフの満足度も高い.
Interest Material
  • Takumi Tanikawa, Katsuhiko Ogasawara, Tsunetaro Sakurai
    2008 年 28 巻 6 号 p. 319-327
    発行日: 2008年
    公開日: 2015/03/20
    ジャーナル フリー
     The purpose of this study was to clarify the factors related to the deviation of the birth dates in Japan. The deviation of birth dates for several specific days was analyzed by some 580,000 patient's birthday data registered in the hospital information system. We analyzed the deviation of the birth dates on the following specific days: (1) New Year's day and the first day of a month; (2) lucky and unlucky days based on the lunar calendar; and (3) weekends and holidays. In the past, the number of births on New Year's Day and the first day of a month were greater than the average day of the year. These deviations were disappeared at present. In recent years, there were few births on Saturdays and Sundays. The result of this study showed that the factitious reporting was caused to the deviation of the birth dates on the first half of the 20th century. Nowadays the obstetric interventions was affected the deviation of birth dates. It was concluded that the deviation of the number of births always reflected social factors.
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