現在,地域医療情報連携により,電子カルテや調剤レセプト情報から薬局による処方監査が可能となりつつあるが,その必要性を具体的に示すデータは少ない.そこで,厚生労働省から全国規模のレセプトデータベース提供を受けて併用禁止医薬品等の処方実態調査を行った.
医科入院外レセプト755,247人のうち,543,506人(72.0%)が薬局にて調剤をされていた.この中で内服薬併用投与がある431,873人のうち,添付文書上の併用注意,原則併用禁忌および併用禁忌がある者はそれぞれ204,067(47.3%),946(0.2%)および275人(0.1%)であった.併用注意は高齢者において増加し,循環器疾患用薬,糖尿病用剤,精神神経系用剤が上位を占めた.原則併用禁忌は高脂血症用剤,併用禁忌は循環器疾患用薬および精神神経系用剤に加え,片頭痛治療薬,金属イオン含有製剤,抗真菌薬,マクロライド系抗生物質,免疫抑制剤などが上位を占めた.また,医科と調剤レセプト間の併用禁忌は同一疾患に対する処方と推測される組み合わせが少ない傾向であった.
外来患者の大半が薬局で投薬を受けている現状から,医療情報連携の必要性は高い.
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