医療情報学
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36 巻, 5 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
原著-技術論文
  • 尾上 洋介, 中尾 彰宏, 粂 直人, 小山田 耕二, 川上 浩司
    2016 年 36 巻 5 号 p. 221-229
    発行日: 2016年
    公開日: 2018/02/08
    ジャーナル フリー

     本研究では,学校保健安全法に基づいて毎年実施される学校健康診断(学校健診)の情報を有効活用するために,匿名データベースの構築の仕組みを開発した.本データベースは,生徒の健康意識向上,自治体における医療健康計画,疫学研究を通じた公衆衛生の向上などでの利用が期待される.本データベースは,データの受け入れからデータセットの利活用に関して,関連法制度や医学研究ガイドライン下で現実的に運用が可能なようにシステムおよび運用体制の構築を行っている.また,効率的な健診情報収集のために光学文字認識(OCR;Optical Character Recognition)を用いた入力支援システムを導入している.本データベースの構築は,近い将来の大規模ライフコースデータを用いた疫学研究の基盤としても重要である.

  • 渡部 輝明, 中島 典昭, 寺本 圭, 近藤 博史, 本多 正幸, 紀ノ定 保臣, 奥原 義保
    2016 年 36 巻 5 号 p. 231-239
    発行日: 2016年
    公開日: 2018/02/08
    ジャーナル フリー

     病院情報システムを構成するサーバおよび端末を適切に管理することの重要性は,病院内の情報化進展に伴い増大している.一方でそれらネットワーク機器の管理業務は,一般に表計算ソフトなどによる管理台帳を用いて複数人の担当者によって行われている.そのため管理台帳間の不整合が頻発し,保守業務に支障をきたすことが多い.この問題を背景にわれわれは病院情報システムにおけるサーバや端末を統合的に管理するIT資産管理システムを開発した.そこでは登録情報を実際の状況と照らし合わせて確認する“自己完結型”の仕組みが取り入れられており,これによって保守担当者の業務負担が軽減されると期待できる.このシステムをすでに導入している4つの大学病院での保守担当者へシステム評価を目的としたアンケート調査を行ったところ幾つかの課題が明らかとなった.本稿ではシステムの機能について詳細に説明し,また明らかとなった課題の対策について議論する.

資料
  • 樫部 公一, 猪飼 宏, 末永 利一郎, 金川 賢一, 原田 正治, 岡田 美保子, 渡邉 直, 白鳥 義宗, 石田 博
    2016 年 36 巻 5 号 p. 241-251
    発行日: 2016年
    公開日: 2018/02/08
    ジャーナル フリー

     [背景・目的]オーダリングシステムや電子カルテシステムにはオーダ時の過誤防止,部門運用に沿った誘導,オーダ間の不整合防止などを目的としたチェック機能が実装されているが,アラート疲労による重要な警告の見落としが生じる可能性も報告され,チェック内容の評価が必要である.今回,アラートの頻度とその効果の検討を目的に調査を行った.

     [方法]山口大学医学部附属病院で平成27年1月から半年間のオーダ時チェックのデータを前向きに収集し,調査を行った.

     [結果]調査期間に実施されたチェック機能が設定されるオーダ種別のオーダ1,836,209件のうち,何らかのチェックがあった件数は実数で144,423件(7.7%)であった.オーダ修正が必須な“エラー”では部門運用やシステム上の制限による内容が大半を占めた.一方,修正なしでもオーダ登録可能な“ワーニング”は延べ93,301件で,同日の重複した処方や検査に対するチェックが65.4%を占めた.また,薬剤アレルギーや造影剤副作用に対するチェックは全処方・注射オーダ452,487件中702件(0.16%)で,うち501件(71.4%)は同効薬剤に対するアレルギーチェックであり,カルテレビューの結果,重複を除く449件中415件(92.4%)が修正なしに登録されていた.一方,同一薬剤アレルギーチェックがかかった95件中,カルテレビューで内容の変更やキャンセルが確認されたのは重複を除く87件のうち39件(44.8%)であった.

     [考察・結論]今回の結果により,検査や処方の重複チェックなどは発生頻度が高く,また,修正率が低いものでありアラート疲労を来しうる状況と考えられた.今後,多施設で同様の検討を行い比較するなど,チェックをかけるべき内容とその有用性を再検討する必要がある.

解説
  • Machacon Herchel Thaddeus
    2016 年 36 巻 5 号 p. 253-269
    発行日: 2016年
    公開日: 2018/02/08
    ジャーナル フリー

     The role of social media in health and medical information in general, and during an epidemic in particular, has been reported. Data from social media such as tweets provide vast opportunities and potential benefits for health and medical information communication. However, openly-available social media network visualization tools focus on the online connections between social media users which may not be of utmost importance for health and medical information practitioners. This paper takes the topological data analysis (TDA) approach to render a visual representation of these large, unstructured, and highly complex data. Utilizing a TDA and machine learning platform, distinct features of these Ebola tweets were visually and statistically identified.

     Topological locations of relevant keywords (virus, epidemic, Africa, Sierra Leone, blood, saliva, fever, misinformation, etc.) contained in these tweets, as well as the topological locations of news and health-related organizations are presented.

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