医療情報学
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37 巻 , 6 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
原著-研究論文
  • 片山 祐介, 林田 純人, 溝端 康光, 嶋津 岳士
    2017 年 37 巻 6 号 p. 269-276
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/02/06
    ジャーナル フリー

     【背景】子供の急病や外傷の際に,保護者は直ちに病院を受診すべきか,救急車を呼ぶべきかの判断に悩み,その結果119番通報を行うことも多い.われわれは保護者が子供の症状の緊急度を判断でき,さらに必要なサービスを提供するモバイルアプリケーションの開発を行ったので報告する.【方法】本モバイルアプリケーションでは,アプリに表示された症状を選択し,該当する症候を選択すると緊急度をアプリが判断する.判断結果に応じて119番通報や医療機関の情報提供等のサービスを提供する.本モバイルアプリケーションは2015年9月から運用を開始した.【結果】2016年12月末時点で7,780回ダウンロードされ,のべ11,560回利用され,119番通報等のサービスを提供したのは4,979回であった.【考察】今後はモバイルアプリケーションの利用データを解析し,医学的アルゴリズムの精度の向上などさらなる研究を進めていきたい.

春季学術大会論文
  • 安田 晃, 平野 章二, 關 真美, 津本 周作
    2017 年 37 巻 6 号 p. 277-284
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/02/06
    ジャーナル フリー

     情報科学演習における学生の学習行動を潜在性という立場から分析した.われわれは質問紙の回答から潜在的なランクに分かれる項目を示した.項目平均情報量を用い再度構造性の有無を確認したところ,回答の反応性のばらつきとそうではない項目が見られ,前者は項目平均情報量が大きく何らかの潜在性を示す傾向であった.後者は潜在性が見られず,項目平均情報量は低値であった.項目平均情報量が大きい項目では学習行動という点から意識の分散あるいは自己意識の拡散があるとみられ,演習期間中を通しこの傾向は変わらなかった.これらの点は類似性という立場から多次元尺度構成法,クラスタ分析においてもほぼ同様の結果となっており,学生に対する学習行動のアドバイスに役立つものと思われた.更に学習行動の定量的な解析という観点から,協働し学習する際の自己と他者の定量的な関係性にも発展するものと思われる.

  • 森井 康博, 石川 智基, 辻 真太朗, 鈴木 哲平, 小笠原 克彦
    2017 年 37 巻 6 号 p. 285-289
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/02/06
    ジャーナル フリー

     生活関連サービスについて,北海道では札幌を始めとする都市部への集中が顕著であり,医療資源についても地域偏在が報告されている.その例として医師の偏在が報告されているが,その他の医療従事者の地域偏在を評価した研究はほとんどない.本研究では,資源分布の偏在や不平等性の評価指標であるGini係数を用いて北海道の二次医療圏での診療放射線技師,医師,看護師,薬剤師,理学療法士(PT),作業療法士(OT)の地域偏在の評価を職種間比較の観点から行った.Gini係数は小さいほど偏在が小さいことを表し,医師では0.160,看護師では0.163,薬剤師では0.159,診療放射線技師では0.137,理学療法士では0.276,作業療法士では0.289であった.Gini係数の職種間比較では,PT,OTのGini係数が他職種と比して高値であることが示されたため,PT,OT数が少ない地域においての理学療法,作業療法サービスの充足度を検討する必要性が明らかになった.

  • 土井 俊祐, 井出 博生, 小川 真司, 竹内 公一, 鈴木 隆弘, 藤田 伸輔
    2017 年 37 巻 6 号 p. 291-301
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/02/06
    ジャーナル フリー

     地域包括ケアシステムの導入により,在宅医療の普及整備が進められている.しかしながら,実際のサービスの利用については同一自治体内でも地域差があることが指摘されており,その要因についてはこれまで指摘されてこなかった.本稿では,在宅医療にかかるレセプトデータを利用し,地理情報システムによる地理空間情報と比較することにより,在宅医療受療率の地域差の要因分析を試みた.方法として,千葉県船橋市において大字別に在宅医療の受療率を算出し,地図上に投影した上で,人口などの基本統計や医療機関との時間距離などの空間解析データと統計的に比較した.結果として,時間距離が有意に長い地域と,在宅医療受療率が有意に低い地域が一致することを示したが,統計的に有意となる地域差の要因を提示するには至らなかった.今後,在宅医療にかかる医療・介護のデータを横断的に取得し,他の要因を考慮することで,更なる検討を進める計画である.

  • 柴田 大作, 若宮 翔子, 木下 彩栄, 荒牧 英治
    2017 年 37 巻 6 号 p. 303-311
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/02/06
    ジャーナル フリー

     【目的】本研究は,認知症者の発話における感情表現を調査することで,認知症者のスクリーニングを実現する.

     【手法】本稿では,(1)Mini Mental State Examination(MMSE)テストによりアルツハイマー型認知症と診断された患者(9名)と健常高齢者(9名)の対話と(2)認知症と診断された患者(認知症:23人,軽度認知障害:19人)の自由発話を書き起こし,われわれがクラウドソーシングを通して集めたエピソードから新たに開発した日本語感情表現辞書(JIWC)を用いて,発話の質的内容に注目した分析を行う.【結果・考察】(1)のアルツハイマー型認知症群では「嫌悪感」,「怒り」,「不安」に分類された感情表現の使用割合が有意に増加していた.(2)の認知症群では「不安」に分類された感情表現の使用割合が有意に増加していた.認知症者は記憶障害により不安を感じると言われており,定性的に言われている特徴をJIWCにより定量的に評価することができる可能性が示唆された.

  • Xiaojun Ma, Emiko Shinohara, Hao Han, Masamichi Ishii, Takeshi Imai, K ...
    2017 年 37 巻 6 号 p. 313-321
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/02/06
    ジャーナル フリー

     Our team has been involved in developing a clinical decision support system (CDSS), which requires information about patients’ lifestyle. However, patients’ lifestyle issues are usually encoded in clinician generated narrative texts, which poses significant barriers to their information accessibility. In this paper, we propose an approach to identifying lifestyle issues of obesity, smoking and drinking in electronic health records (EHR) using machine learning and natural language processing techniques. To evaluate our approach, we conduct experiments using clinical narratives from The University of Tokyo Hospital which were generated in 2015 and saved in SS-MIX2 extended storage. The experimental results show that the proposed approach achieves equivalent high performance compared to previous studies focusing on English discharge summaries.

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