医療情報学
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39 巻 , 5 号
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特集 IoT, AIの活用で健康/疾病状況の把握と医療現場の支援を―第23回日本医療情報学会春季学術大会―
大会企画セッション3
  • 廣瀬 隼, 今津 研太郎, 山ノ内 祥訓, 中村 太志
    原稿種別: 大会企画セッション3
    2020 年 39 巻 5 号 p. 227-229
    発行日: 2020/05/29
    公開日: 2021/06/22
    ジャーナル フリー

    [セッション抄録]

     Society5.0で創出される新たな価値として,健康促進や最適治療の発展が期待されている.その中で,IoTを用いた生体情報のモニタリングやデータ活用に向けたシステム構築は,ヘルスケア充実のために必要な課題である.心電波形は,血圧や心拍数とともに循環器領域の日常診療で広く普遍的に実施されている検査の一つだが,日常生活におけるリアルタイム波形の可視化や心電情報の二次利用という点ではまだこれからである.

     従来の医療用電極を用いた心電図計測は,長時間の連続使用に不向きである.しかし,導電性の繊維素材を電極としてシャツに配置したことで,着るだけで繰り返し心電情報の所得が可能となったシャツ型ウェアラブルが開発されている.TRIARTは,ミツフジの提供するウェアラブル製品と小型トランスミッターを用い,大量の生体情報の収集と蓄積,解析を可能とするサービスの提供を目指している.また,セキュアなP2Pブロックチェーン技術を応用した分散コンピューティングおよびストレージ環境を最適化し,バイタルデータの研究開発用プラットフォームを開発中である.

     心電情報を有効活用していくためには,心電機器メーカーを問わない伝送規格や心電波形記述の標準化が今後ますます必要になってくるであろう.Precision medicineとして,予防・治療・ケアといった総合的なヘルスケアサポートを目指し,熊本大学,TRIART,およびミツフジが共同で取り組んでいる生体情報収集とデータ活用のためのシステム構築について,またデジタル化された心電情報の二次利用とその可能性について紹介したい.

特集 IoT時代の医療情報の利活用―第39回医療情報学連合大会(第20回日本医療情報学会学術大会)―
大会企画1
  • 松村 泰志, 松村 泰志, 美代 賢吾, 渡辺 顕一郎, 松村 泰志, 滝沢 牧子, 田中 壽, 大原 信, 武田 理宏, 井上 貴宏
    原稿種別: 大会企画1
    2020 年 39 巻 5 号 p. 231-238
    発行日: 2020/05/29
    公開日: 2021/06/22
    ジャーナル フリー

    [セッション抄録]

    画像レポート見落とし問題の対策と求められるシステム機能

     松村泰志(大阪大学大学院医学系研究科 医療情報学)

     画像検査を実施した際,目的の臓器以外の部位にがん等の所見が映し出されていることがあり,これに気づかず,更に,この所見が記載された画像レポートを見落としたために,がんの早期発見の機会を失い,次に発見されたときには進行していた事例が複数報告され,大きな問題と認識されるようになった.この問題の解決には,医師への教育だけでは不十分であり,病院情報システムの支援機能を使った対策が有効となる.しかし,個々の医療機関でシステムを開発する方法では費用がかかり,対策システムが普及しにくくなる.システム開発ベンダーに対策システムを積極的に開発してもらうためには,対策システムとして必要な機能について整理する必要がある.

     平成30年度厚生労働科学研究費補助金による「医療安全に資する病院情報システムの機能を普及させるための施策に関する研究」で,医療安全,医療情報,画像診断のそれぞれの専門家が集う研究班を組織し,この問題の対策の基本的考え方をまとめ,対策システムとして有効な機能を検討した.その成果物として,「レポート見落とし防止対策システムの機能仕様項目」として整理し,このシステムを開発する上での課題をまとめた.この素案について,保健医療福祉情報システム工業会,日本画像医療システム工業会に意見を聞き,最終的な文書にまとめる作業を行った.

     本企画セッションでは,この研究班で議論してきた内容を公開し,学会参加者を交えて議論を深めたい.

大会企画3
  • 中川 肇, 光城 元博, 中川 肇, 光城 元博, 中川 肇, 鹿妻 洋之, 藤沢 悟, 定仲 信行, 光城 元博, 保坂 雅樹, 酒谷 薫
    原稿種別: 大会企画3
    2020 年 39 巻 5 号 p. 239-246
    発行日: 2020/05/29
    公開日: 2021/06/22
    ジャーナル フリー

    [セッション抄録]

    健康医療介護分野におけるIoTデバイス活用の現状と将来像

     中川 肇(富山大学附属病院 医療情報部),光城元博(JAHIS)

     【はじめに】政府のSociety 5.0構想とは,現実空間からセンサーとIoTを通じてあらゆる情報が集積され,人工知能がビッグデータを解析し,高付加価値を現実空間にフィードックすることである.新たな価値の事例として,リアルタイム生理計測データをAIの解析に送ることが挙げられている.

     【なぜ今回の大会のテーマにしたのか】本大会のテーマとして,IoTの医療への利活用とした.現状は,バイタルサインや血糖値の計測のデバイスがWiFi対応として発売されているものも多く,また電子カルテ側では,受信I/F開発により自動転送される仕組みが多く出てきた.さらに,医療分野のみではなく介護分野や健康増進施設でも広く応用されるようになった.しかしながら,測定機器側の互換性の問題,電子カルテ側のI/Fの独自開発等,普及にはnegativeな要因も存在し,またセキュリティポリシーの問題も解決されているとは言い難い.そこで,本大会では技術面からJEITA,制度面からJAHISからの見解を発表してもらうとともに,アカデミアからは実用例を紹介してもらうこととする.

     【現状と解決すべき問題】多くの病院では,既にIoTを活用している.本院でもSMBGはRS232接続,フェリカカード接続により電子カルテ上のアプリに転送される.また,患部の写真を携帯情報端末で撮影し,転送ができる.これらではまだ不十分であり,例えば著者が臨床の専門としているめまい疾患では発作時の異常眼球運動をリアルタイムに病院に送信すれば,診断精度が向上すると考えられる.次期電子カルテ仕様策定委員会では,更なるIoT対応の要望も多い.しかしながら,計測機器やアプリケーションの標準化,セキュリティの確保等,多施設連携等,未解決な問題が多く散見される.このセッションでは今後の更なる発展性について議論を深めることとする.

公募シンポジウム2
  • 中山 雅晴, 中山 雅晴, 木村 映善, 中山 雅晴, 塩川 康成, 田中 良一, 鳥飼 幸太, 木村 映善
    原稿種別: 公募シンポジウム2
    2020 年 39 巻 5 号 p. 247-255
    発行日: 2020/05/29
    公開日: 2021/06/22
    ジャーナル フリー

    [セッション抄録]

    次世代規格FHIRで広がる可能性

     中山雅晴(東北大学)

     HL7が次世代規格として推進するデータ交換規約FHIRは,Fast Interoperability Resourcesの名前に示唆されるように,実用性の高い互換性や拡張性を提供しつつも,実装が容易であることから急速に普及してきている.しかしながら,本邦においては,FHIRを実際に活用した事例や学習の機会は少なく,特に日本語環境で利用できる情報も限られているのが現状である.本シンポジウムでは,現場に近い視点から,病院情報システムや地域医療連携システム,さらには個人健康情報記録(PHR)などにおいてFHIRを利用する意義について検討する.既存の規格やモバイル活用などにおけるFHIR Profileとの連携の実際等,講演者が多くの実例を示しながら紹介していく.本シンポジウムはFHIR初学者がFHIRの意義を理解,関心を深め,FHIR導入への閾値を下げることが狙いである.さらに,FHIRの限界や活用における問題点などにも言及し,理解を深めるための議論を展開する.また,FHIRを用いることによって解決しうる,また解決すべき課題などについても深く掘り下げたい.

原著-技術論文
  • 内藤 孝雄, 小部 正人, 宮脇 裕治, 武田 裕, 山末 耕太郎, 杤久保 修, 石川 義弘
    原稿種別: 原著-技術論文
    2020 年 39 巻 5 号 p. 257-266
    発行日: 2020/05/29
    公開日: 2021/06/22
    ジャーナル フリー

     就労者の健診データを活用した早期予防や重症化対策の取り組みが,厚生労働省や健保組合で進められている.40歳以上の就労者に対して,メタボリックシンドロームなど生活習慣病の予防のため特定健診が実施されており,それに関連した血圧,血糖,脂質,腹囲などの健診項目がある.しかし健診者にとって,改善か悪化か全体として年次変化を理解しやすいとは言えない.そこで,健保組合の男性就労者の健診データ3年分を用いて,生活習慣病に関連する健診項目から総合判断した健康スコアと因子分析から抽出した因子の年次変化を可視化するシステムを検討した.結果,マハラノビス距離を適用した総合的健康スコアと因子分析より抽出した高血圧,高血糖,高脂質の因子を3次元マッピングし,推移傾向を可視化することができた.

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