日本岩石鉱物鉱床学会 学術講演会 講演要旨集
2004年 日本岩石鉱物鉱床学会 学術講演会
選択された号の論文の95件中1~50を表示しています
G1:サブダクションファクトリー
  • 森口 拓弥, 柴田 知之, 中村 栄三
    セッションID: G1-01
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    Across-arc Li-B-Pb isotope systematics, together with trace element geochemistry and phase relationships in subducting slabs are used to understand the petrogenesis of lavas from the northeastern Japan arc. Our results suggest that accessory minerals and minor phases in the subducting slab play important roles in determining the chemical compositions of fluid released by dehydration. The strikingly different results for the northeastern Japan arc and the Izu arc in Li isotope across-arc variation show that not only chemical characteristics of the subducting slab but also the physical characteristics of the subduction zone could affect the Li isotope compositions of subducting slabs, producing heterogeneity in the Li isotope composition of the mantle.
  • 太田 靖, 山口 佳昭, 山口 珠美
    セッションID: G1-02
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    火山フロント噴出物中のカンラン石斑晶メルト包有物中に角閃石・高Al単斜輝石・Ca斜長石が多く包有されている.このような鉱物は,単斜輝石・斜方輝石・斜長石・Fe-Ti酸化物の斑晶には全く捕獲されていない.カンラン石斑晶が捕獲しているメルトはいずれもマフィックな組成を示し,このマフィックメルトは島弧沈み込み帯の上で生じる初生マグマに近いものであると期待される.これらのメルトとともに角閃石が捕獲またはこのメルト中から角閃石を晶出させていること,高Al単斜輝石がカンラン石に包有あるいはメルト包有物中に娘鉱物として晶出していること,Ca斜長石がカンラン石に包有されていることから,沈み込み帯で生じる初生マグマも含水量が高かったことが示唆される.初生マグマは水を多く含有し,fO2も高く,カンラン石のほかに角閃石(pargasite),高Al単斜輝石,Ca斜長石,スピネルが晶出,または飽和に近い条件にあったと考えられる.
  • 山口 佳昭, 原田 英男, 太田 靖
    セッションID: G1-03
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    日本の中部地域では,太平洋プレートの沈み込みの深度が増加すると(> およそ160 Km,浅間火山(天仁噴火),妙高火山,北アルプスの白馬風吹岳,立山火山,雲の平火山),高K2Oマグマバッチが生成する.高K2Oマグマバッチの証拠が,次のように示される.1)アブサロカイト-ショショナイト組成の高K2Oメルト包有物がカンラン石や単斜輝石の斑晶中に捕獲されている.2)火山岩の石基が不均質である.隠微晶質のアノーソクレース-カリ長石と高K2Oガラスで構成される高K2Oバッチ(領域)が見いだされる. こうした高K2Oマグマバッチの証拠は,私たちが調べた限りでは,東北日本-関東の火山フロント(樽前火山,クッタラ火山,有珠火山,岩手火山,那須火山など)や 伊豆-箱根(富士,箱根,三宅島など)の火山の噴出物からはまったく見いだされず,太平洋プレートの沈み込みの深い地域の火山に限られる.この高K2Oバッチは,背弧側に向かうマグマ(全岩組成)の系統的なK2Oの増加に寄与していると期待する.
  • 本間 潮, 氏家 治
    セッションID: G1-04
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    島弧における単一の火山あるいは火山群内でのアルカリ玄武岩とカルクアルカリ岩の共存の例は,利尻火山,阿武単成火山群,北部九州,カムチャッカ,西パナマなどで知られている.扇ノ山火山もその一つで,プレート内型玄武岩とアダカイト類似の安山岩が,時間的空間的に密接に伴って生じている.扇ノ山のその両者の成因的関連性を考察することは,他地域において共存するアルカリ玄武岩とカルクアルカリ岩の成因解明につながる.本論では,扇ノ山の西方約120 kmに分布する横田単成火山群と,扇ノ山の東方約25 kmに位置する神鍋単成火山群の玄武岩についても岩石学的,地球化学的な比較を行い,扇ノ山の下を中心としたマントルの東西方向の不均質性を議論した上で,扇ノ山火山活動の末期に噴出した玄武岩の地球化学的特異性とそのような玄武岩がカルクアルカリ安山岩と共存する過程について議論する.
  • 臼井 寛裕, 中村 栄三, Helmstaedt Herwart
    セッションID: G1-05
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    Understanding the trace element and isotopic compositions of individual lithologies subducted to the subarc mantle is indispensable to constrain the geochemical models for subduction-zone material recycling. Recent petrographical studies focusing on trace element distributions between minerals in subduction-related metamorphic rocks occurring as a coherent regional metamorphic belt have pointed out that the trace elements were preferably partitioned into accessory minerals. However, these rocks commonly suffered varying extents of mineralogical and chemical overprinting during their exhumation. Here we report such trace element distributions by using eclogite xenoliths from the Colorado Plateau, because they represent fragments of the subducted oceanic crust, and they are mostly free from the effect of retrogressive overprinting due to the rapid entrainment by kimberlite-like magma.
  • 氏家 治, 高田 直美
    セッションID: G1-06
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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     はじめに 毘沙門岳は,岐阜と福井の県境に位置し,溶岩流と火砕岩で構成される第四紀火山である。それら火山岩類の化学組成上の変動は,相対的に苦鉄質なアダカイト質マグマと珪長質な島弧マグマを端成分とする2種マグマの混合作用で説明されている(Ujike他,1999)。この苦鉄質端成分マグマについての情報を得るため,玄武岩質包有岩(最大長径40cm+)とそのホスト溶岩2対の全岩化学組成を蛍光X線法により求めた。 分析結果 ホスト溶岩の組成は,SiO2 =60%と57%,MgO =3.5%と3.9%,K2O =1.2%と0.8%,Ni =15ppmと16ppm,Y =12ppmと12ppm,Sr/Y =52と66である。包有岩は,SiO2 =55%と51%,MgO =6.5%と7.7%,K2O =0.8%と0.9%,Ni =67ppmと78ppm,Y =17ppmと19ppm,Sr/Y =32と31で,ホストよりSiO2に乏しくMgOとNiに富んでいる。MgOなど幾つかの主成分とSiO2との関連性をみる限り,包有岩の組成はホスト溶岩と既存のデータのトレンドの延長線上に位置し,ホスト溶岩は両者の混合で生じたとの印象をうける。しかし,ホスト溶岩がAl2O3に富み,いっぽう包有岩がYに富むため,SiO2-Al2O3関係やSiO2-Y関係などでは直線性が認められない。すなわち,これら3者(包有岩・ホスト溶岩・その他の溶岩)の組成関係は,単純なマグマ混合作用では説明できない。 考 察 ホスト溶岩とその他の溶岩の組成は,かなり大きなばらつきはあるものの,基本的には2種マグマの混合作用で規制されているようにみえる。ホスト溶岩は,毘沙門岳溶岩の中でSiO2・K2O・Rbに最も乏しくMgO・全鉄・CaO・ Niに最も富む。言い換えるなら,ホスト溶岩は想定される苦鉄質端成分マグマを代表する,あるいはそれに近い組成である。恐らく端成分マグマは,上昇中にマントル物質と反応して組成が比較的苦鉄質に変化したアダカイト質マグマなのであろう。その他の溶岩は,(1)この端成分マグマと当地域の下部地殻の部分溶融液との混合物,または(2)この端成分マグマとその分化マグマの混合物と考えられる。ホスト溶岩が比較的強いアダカイト的性質を有する(溶岩類の中で比較的Y含有量が低くSr/Yが高い)ことは,この解釈と調和的である。 包有岩は,通常の島弧玄武岩の化学的特徴を有し(Y ≒18ppm,Sr/Y ≒30,K/Nb >1000,N-MORB規格化液相濃集元素含有量パターンにおけるNbの負異常など),アダカイト的でない。故に,そのマグマは,当火山におけるマグマ混合作用の苦鉄質端成分ではありえない。包有岩の様々な液相濃集元素量比(例:Zr/Y =6.8と5.4,Sr/Zr =4.7と5.7 )は,アダカイトを産出しない教ヶ岳や大日ヶ岳など近隣の火山のSiO2に乏しい(<55 %)火山岩のそれ(例:Zr/Y =3.9∼5.6,Sr/Zr =4.7∼8.7 )に近い。しかし,毘沙門岳の溶岩類に近い量比を示す成分もある(例:Zr/Nbは,近隣の火山で11∼14,包有岩で19と21,毘沙門岳の溶岩類で19∼24)。したがって包有岩は,毘沙門岳火山の形成以前から当地域付近の下で生じ続けていた島弧型玄武岩マグマがアダカイト質マグマによって混染されたものである可能性が高い。
  • 土谷 信高
    セッションID: G1-07
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    東北日本の白亜紀火成岩類は,カルクアルカリ質の深成岩類を主体とし,アジア大陸東縁部における西向きの沈み込みに伴う島弧性火成活動の産物であると考えられている .これらのうち最も古い年代を示す北上帯の火成岩類は,火成活動の主体をなす深成岩類_から_火山岩類と,より早期に活動したと考えられる岩脈類に区分される.北上山地の前期白亜紀岩脈類は多様な岩石化学的特徴を示し,南部北上帯には,高Sr安山岩とショショナイトが主として分布し,少量の高Mg安山岩が特徴的に伴われる.高Sr安山岩と高Mg安山岩の岩石化学的特徴は,アダカイト質メルトとマントルかんらん岩との反応によって説明可能である.ショショナイトの岩石化学的特徴は,アダカイト質メルトに汚染されたマントルかんらん岩の部分溶融で説明可能である.以上のことから,北上帯の前期白亜紀火成活動は,高温のウェッジマントルにスラブメルトが供給されることによって開始されたと考えられる.
  • 佐野 亜沙美, 大谷 栄治, 久保 友明, 鈴木 昭夫, 亀掛川 卓美, 舟越 賢一
    セッションID: G1 P-01
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    Resent tomographic observations suggest that some subductig slabs stagnate at mantle transition zone. Irifune and Ringwood (1978) show that there is density crossover occurs at the depth 660km to 800km between MORB and peridotite, which causes buoyancy and stagnate slab or tear off upper oceanic crust at 660km. It is important to determine the depth of post-garnet transition occurs in MORB system to discuss the behavior of the slab at 660 km. In this study, we determined post-garnet phase boundary in MORB system using in-situ X-ray experiment at 20-25GPa and 1100-1200 ºC under hydrous conditions.
  • 下宿 彰, 久保 友明, 大谷 栄治, 圦本 尚義
    セッションID: G1 P-02
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    Diffusion experiments of mantle minerals are important for understanding the rheological properties of the Earth's mantle and subducting slab, because the atomic diffusion in the crystals controls plastic deformation in silicate minerals. Wadsleyite is a major constituent mineral in the mantle transition zone. Hence experimental examination of the diffusion rates is essential for debating the rheology of mantle transition zone. In this study, Si self-diffusion rates in wadsleyite were measured at 18 GPa, 1703-1903 K and the viscosity of wadsleyite deformed by diffusion creep was calculated. Our results imply some portions in cold subducting slabs, where the grain size reduces to less than 1 micron after the olivine-spinel transformation, become weaker than the surrounding mantle.
  • Litasov Konstantin, 大谷 栄治, 佐野 亜沙美
    セッションID: G1 P-03
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    The Al-bearing phases with orthorhombic (phase CF) and hexagonal (phase NAL) structures were observed in the system of average Mid-Ocean Ridge basalt at pressures above 25 GPa. Structure and composition of these two phases are very similar. Moreover, they can coexist in the single experimental sample. Here we report data on chemical composition, structure, and stability fields of the Al-bearing phases NAL and CF and investigate their relationship in the lower mantle.
G2:マグマの発生・上昇・定置
  • 栗谷 豪, 北川 宙, 中村 栄三
    セッションID: G2-01
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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      マグマ溜まり内において結晶分化作用と溶融地殻物質の混入が同時に進行することは、AFC(Assimilation and Fractional Crystallization)過程として広く認識されており、これまでAFC過程を支配する物理や、過程の進行に伴うマグマの地球化学的進化の特徴について重要な研究が多数行われてきた。一方、天然観察を対象としてAFC過程の理解を目指す研究も盛んに行われてきた。しかし、その大部分の研究がDePaolo (1981) のマスバランスモデルをマグマの組成トレンドに適用してr値(assimilated mass/fractionated mass)を推定するに留まっており、天然観察のアプローチからAFC過程の理解に重要な制約が与えられることは少なかった。そこで我々は、これまで岩石学的検討が詳細になされてきた利尻火山、沓形・種富溶岩流を対象としてAFC過程の研究を行ってきた(栗谷 & 中村、2001年合同大会)。本発表では、新たにマグマ溜まり周囲の地殻に相当すると考えられる岩石の採取・分析を行い、その制約を用いて、AFC過程の具体的なメカニズムの考察、及び溶融地殻メルトのマグマ溜まりへのフラックスの推定を試みる。  沓形溶岩流はアルカリ玄武岩であり、全岩のSiO2 量は51.7-53.4 wt.%である、一方、種富溶岩流はトラカイト質安山岩_から_デイサイトであり、SiO2 量は58.8-65.5 wt.%である。沓形溶岩流と種富溶岩流は主要元素・微量元素・同位体比組成において連続的に変化し、約2kbar に存在したマグマ溜まり内において組成進化した一連のマグマであると考えられる(栗谷 & 中村、2001年合同大会)。また、結晶分化作用は、マグマ溜まり主要部のマグマが、マグマ溜まり底部の固液境界層に由来する分化液と混合することによって進行(境界層分化)したことが明らかになっている(Kuritani, 1999, 2001)。  地球化学的な大きな特徴として、鉛の含有量と鉛同位体比の相関図において、溶岩流のデータが明確なトレンドを有している、ということが挙げられる。このことは、マグマの組成進化において、境界層分化を引き起こす分化液と地殻メルトの挙動が完全にカップリングしていた、ということを示唆する。境界層分化における分化液のソースがマグマ溜まり底部の固液境界層であることを考慮すると、AFC過程は、マグマ溜まり下部から供給された地殻メルトが固液境界層内で既存の分化液と完全に混合した後にマグマ溜まり主要部に輸送され、混合することによって進行したと考えられる。  次に、溶融地殻メルトのマグマ溜まりへのフラックスの推定を試みた。まず、AFC過程における地殻メルトのマスと分別結晶のマスの比を推定する必要があるが、利尻火山のマグマ溜まりで推定されたAFCのメカニズムは、従来広く用いられてきた DePaolo (1981) のモデルで想定されたメカニズムとは異なるため、新たにAFCと境界層分化の両方を考慮したマスバランスモデルを構築し、沓形・種富溶岩流に適用した。その結果、R値(DePaolo のr値と区別)は0.02程度(一定)であることが推定された。マグマ溜まり底部における冷却は、ほぼ熱伝導で近似することができる。このことから、マグマ溜まり冷却に伴う結晶化の進行(=フラックス)を得ることができ、R値と乗じることにより地殻メルトのフラックスを算出することができる。その結果、フラックスは時間の-1/2乗に比例して減少していたことが分かり、例えばマグマ溜まり冷却開始から10年後で約0.03 m/year、100年後で約 0.01 m/year 程度であると推定された。
  • 佐藤 博明
    セッションID: G2-02
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    昨年秋の火山学会で,測定方法および結果の概要(その1)について報告した.ここでは最初に測定結果についてまとめ,結果の解釈について議論する.粘性係数の測定結果は、1230℃で52Pa secから1130℃での1950 Pa sec まで100℃で約50倍の増加を示す。結晶度の範囲はおよそ0から24重量%である。液組成の変化と温度低下の効果を定量的に評価するために、実験試料(各温度で採取)のガラス組成をEPMA分析で求めShaw(1972)の式を用いて液の粘性係数を計算すると、温度低下に伴い液の粘性係数は僅かにしか増加しないことが判った.相対粘性係数(バルクでの粘性係数を、液の粘性係数で割ったもの)は、結晶度に伴って大きくなる。Einsten-Roscoe-Marsh(1981 ERMと略)の経験式:η=η0(1+φ/0.6)-2.5、と比べると今回の測定結果はそれよりも、結晶度24%で3.9倍大きな値になった。
  • 中村 敬介
    セッションID: G2-03
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    The 1914-1915 eruption of Sakurajima volcano produced Plinian fall pumice and lava flows. Crystal size distributions (CSDs) and textures of the groundmass minerals of Plinian fall pumice and lava flow and vesicle size distributions (VSDs) and vesicle texture of Plinian fall pumice were analyzed. Plinian fall pumice samples show lower crystallinity and smaller crystal size compared with lava flow samples. Moreover, Plinian fall pumice samples are divided into three types according to their microlite and vesicle textures. Type-1 and type-2 Plinian fall pumice samples have high vesicularities (53-65vol%) and low (9.2*1012 to 9.3*1013m-3) to middle (1.6*1014 to 4.0*1014m-3) number densities of plagioclase microlite. In these samples, vesiculation and expansion of magmas occurred in nearly closed system, deriving faster uprise velocity and inefficient crystallization of microlite. Type-3 Plinian fall pumice sample has low vesicularity (40-53vol%) and high number density (5.0*1014 to 1.5*1015m-3) of plagioclase microlite, indicating that vesiculation and expansion occurred in a semi-open system. The CSDs analysis of the type-1 to type-3 samples indicate that increase of number density and crystallinity is due to the increase of microlite of small size. Opening of new conduit in relatively shallow level than that of Plinian conduit enhanced effective degassing of magmas and resulted in the change of eruption style from explosive to effusive. Higher crystallinity and larger microlite size of the lava flow samples compared with Plinian fall pumice samples are interpreted as due to their lower ascent and degassing rate of the magma.
  • 小林 桂, 田中 亮吏, 森口 拓弥, 清水 健二, 中村 栄三
    セッションID: G2-04
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    ハワイ火山岩中のオリビン斑晶に含まれるガラス包有物のリチウム・ホウ素・鉛同位体組成を高質量分解能二次イオン質量分析計によって分析した。その結果、沈み込み帯における脱水反応を経験した物質がハワイプリューム中に存在していることが明らかとなった。
  • 石川 晃, 中村 栄三
    セッションID: G2-05
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    We present clinopyroxene REE variations in certain peridotite xenoliths recovered from Malaita, Solomon Islands, to address the role of garnet during melting in a mid-oceanic ridge setting. On a Sm/Yb ratio versus Yb content diagram, the measured clinopyroxenes yield a significant deviation from the field of global abyssal peridotites toward higher Yb at given Sm/Yb, that can be recognized as strong garnet signature. However, most likely explanation for the deviation is subsolidus REE redistributions caused by changes of modal abundance ratio and REE partition coefficients between orthopyroxene and clinopyroxene. Thus, caution should be excercised while using clinopyroxene REE variation to address the melting history of peridotite.
  • 阿部 なつ江, 高澤 栄一, 木川 栄一, 森下 知晃
    セッションID: G2 P-04
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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     ODP Leg 209では,MAR15。20ユNF付近の海洋底に露出する蛇紋岩化かんらん岩類をターゲットに掘削を行った.本海域は,低速拡大軸の特にマグマ生産量の低い地域であり,玄武岩質地殻を欠き,かつて上部マントル物質であったかんらん岩が直接海洋底に露出していることが知られている.  本航海において、特徴的にダナイト,トロクトライトなどのモホ遷移帯を構成する岩石やガブロなどメルトから集積した岩石が多く採取されたこと,ポディフォーム・クロミタイトが発見されたことから,この地域の上部マントルの部分溶融程度(メルト生成率)は低かった訳ではなく,むしろ大量のメルトが生成されたことが伺える.この結果は,本海域での玄武岩質地殻欠如とは矛盾することから,多量のメルトが生成されたにもかかわらず,上部マントル中で壁岩と反応し,海底に噴出することなく消費されてしまったことを示唆している
G3:元素の移動と地質資源
  • Gena Kaul, 千葉 仁, 水田 敏夫, 石山 大三
    セッションID: G3-01
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    The Onsen site in the Desmos caldera of the Manus back-arc basin is a typical acid-sulfate mineralisation on the seafloor which is denoted by three stages of advanced argillic alteration. High concentration of Mg and SO4 in the Onsen fluid, depletion of major, minor and REE is altered rock and presence of high and low temperature acid stable minerals suggest that mineralisation is related to fluctuating influx of magmatic fluid.
  • 松本 一郎, 岡田 純, 岩本 考一, 荒井 章司
    セッションID: G3-02
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    クロムスピネルはCr資源として唯一経済価値のある含クロム鉱物であるとともに、多くの地球化学的情報を得ることができる(例えば、Dick and Bullen, 1984; Arai, 1987, 1994; Shiraki,1997)。従来、クロムスピネルが高度に濃集した岩石、つまりクロミタイトが資源的価値のある岩石(鉱石)として注目されてきたが、その成因においてもマントル中でのCrのクロムスピネルとしての晶出、濃集等のプロセス(成因論)が地球化学的観点から議論されるようになった(例えばArai and Yurimoto, 1994; Matsumoto and Arai, 2001など)。クロミタイトは、日本においてはいわゆる造山帯に産するポディフォーム・クロミタイトとして、主に北海道中軸帯と中国地方三郡帯から多くの記載があり、過去にクロム鉱山としての実績も多い。また、ポディフォーム・クロミタイトは、そのほとんどがダナイトに伴うことが記載的な特徴であり、探査的側面および岩石学的な側面の両方から研究が進んできた(例えばArai and Yurimoto, 1994;松本ほか, 1995)。 今回、三郡帯の稲積山超マフィック岩体から、クロミタイトを伴う特異なガブロを発見、記載したので、ここに記載岩石学的な特徴と鉱物化学組成、全岩化学組成について報告し、クロミタイトがガブロと伴うに至った地球化学的な経緯について考察する。 稲積山超マフィック岩体は、中国地方中部の三郡帯に分布する超マフィック岩体群の北西部(鳥取県日南町)に位置するおよそ2×2kmの岩体である。三郡帯の多くの超マフィック岩体と同様に、本岩体は大部分をハルツバーガイトが占めダナイトを伴う。また、ダナイトの岩体全域に占める存在度は比較的高く、ダナイトの存在度の高い岩体北東部にはクロミタイトが多数認められ、同地域には日野上クロム鉱山がかっては稼働していた。 クロミタイトを伴うガブロは、岩体中央部から東側域に限られ、ガブロ内部に数cmから数十cmのクロミタイトブロックが発見観察された。このクロミタイトを伴うガブロは、角閃石をほとんど含まないかんらん石ガブロであり、岩体北部に広く分布する角閃石はんれい岩とは岩石学的な性格を異にする。また、変質・変成作用の影響を受けており、緑泥石をはじめとした様々な二次鉱物の生成も認められる。特に、トレモラ閃石、アンドラダイト、ペロブスカイト、ペントランダイト等の鉱物が同ガブロ分布域には特徴的に観察される。 鉱物の化学的特徴については、金沢大学と島根大学の波長分散型マイクロプローブを用いて行った。分析の結果、クロムスピネルについては、はんれい岩中のものがハルツバーガイト中のものに比べて高いMgおよびFe量が認められた。その他、かんらん石、輝石類、角閃石類についても、ガブロ中のものの特徴を明らかにすることができた。また、ガブロについての全岩化学分析を合わせて行った結果、クロミタイトを伴うガブロは岩体北部に分布する一般的な角閃石ガブロとは、全岩化学組成的にも異なることが示された。 以上の結果から、クロミタイトを伴うガブロについての成因は、一般的な角閃石ガブロ質のメルトとマントルかんらん岩との相互反応が重要な要素である可能性が考えられる。
  • 下林 典正, 武山 眞
    セッションID: G3 P-05
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    独立行政法人国際協力機構[JICA]およびその委託を受けた独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構[JOGMEC]は、マリ共和国政府の要請を受けて、同国南部のバオレ・バニフィング地域の鉱物資源賦存の可能性を探るために、平成12年度から地質調査・ボーリング調査などの鉱床探査を実施している。その結果、Siriba–Sobara地区北部において白雲母黒雲母花崗岩(Siriba–Sobara花崗岩)を起源とした風化帯中に広範な金高濃度域(>100ppb Au;最高値 17700ppb Au)を捕捉した。資源開発協力基礎調査報告書によると、Siriba–Sobara地区北部は極細粒から細粒砂質片岩を主体とした原生代前期のBirrimean累層群が広く分布し、中央部においてSiriba–Sobara花崗岩体が長径約700m×短径約300mのほぼ楕円形を示してNE–SW方向に貫入している。Siriba-Sobara花崗岩は、1770±40Maの白雲母年代が得られ、全岩分析結果からチタン鉄鉱系列に属すると考えられている。また、時に大きさ0.5–2.0mm程度の黄鉄鉱が最大3%程度鉱染するとされている。今回、Siriba–Sobara花崗岩中に金がどのように含まれているかを調べるため、新たに光学顕微鏡・SEM観察を行なった。用いた花崗岩試料では、原子吸光分析により135ppbの Au濃度が得られている。石英・カリ長石・アルバイト・黒雲母(および変質した緑泥石)・白雲母を主成分鉱物とした中粒白雲母黒雲母花崗岩であり、弱い風化作用を受けている。副成分鉱物としてガーネット・ルチル・イルメナイト・アパタイトなども含む。花崗岩試料中には鉱染による数mmから1–2cm程度の硫化鉱物のパッチも見られ、鉱石顕微鏡観察・SEM-EDX分析・粉末X線回折法の結果、数十から数百ミクロン大の硫砒鉄鉱の結晶粒の集合体であることがわかった。個々の硫砒鉄鉱の結晶粒の周縁部は分解してスコロド石となっている。硫砒鉄鉱パッチ中には輝蒼鉛鉱および自然ビスマスと思われる少量のビスマス鉱物が点在している。花崗岩中には稀に自形をしたガーネットが見られ、ガーネットを取り囲むように硫砒鉄鉱のパッチが発達している。ガーネットの内部にも硫砒鉄鉱およびそれが分解したスコロド石が包有されており、硫砒鉄鉱パッチとガーネット斑晶とがほぼ同時に成長したことを示唆している。今回のSEM観察により、このガーネットを取り囲んだ硫砒鉄鉱パッチ中から金が見い出され、(1)硫砒鉄鉱に直接取り込まれている、(2)硫砒鉄鉱が分解したスコロド石中に取り込まれている、(3)硫砒鉄鉱中に含まれるビスマス鉱物(輝蒼鉛鉱)中に含まれている、といった3通りの金鉱物の産状が確認された。とくに(3)の産状では、約10μm×20μmの矩形をした自形結晶が見られた。化学組成は、10wt%に満たない少量のAgを含むものの、他の元素の混入は少なく、比較的純度の高い‘自然金’であることがわかった。
G4:深成岩および変成岩
  • 林 謙一郎
    セッションID: G4-01
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    野田玉川鉱床は岩手県北部野田村に位置し,我国有数のマンガン鉱床であった。鉱床は白亜紀田野畑花崗岩体上に8km×12kmのルーフペンダントを成すジュラ系高屋敷層のチャート中に胚胎する。高屋敷層は粘板岩,砂岩,チャート,塩基性凝灰岩などからなり花崗岩による接触変成作用を受けホルンフェルス化している。鉱床はチャート中に整合に胚胎し,米田,ミサゴ,桐畑鉱体等からなるが,これらは同一層準に属し走向NS-N30°E,傾斜60-80°W程度で走向延長は2000mに達する。野田玉川鉱床は貫入花崗岩による熱の影響を受けた変成鉱床であるが,もともとは北部北上帯に広く分布が知られているような層状マンガン鉱床として形成されたと考えられてきた。しかしながら変成作用の影響のため,初生的に形成された含マンガン堆積物の情報をマンガン鉱石から直接求めることはできない。本研究では,鉱石や母岩に含まれる各種鉱物の酸素同位体比を分析し,これら鉱物の起源や変成作用に関する情報を得ることを目的とした。 熱変成を蒙る前の鉱床については推測の域を出ないが,マンガン炭酸塩鉱物とシリカ鉱物を主体とする層状鉱床であったと考えられている。熱変成の結果,各種鉱物が鉱体内で累帯分布をしており,中心部にパイロクロイト-ハウスマン鉱帯,その外側にテフロ石帯,さらに外側にはバラ輝石帯が発達し,バラ輝石帯はチャートを主体とする母岩と接している。マンガン珪酸塩鉱物の酸素同位体比(δ18OSMOW)を測定し,その結果はテフロ石9.9-20.0 ‰(試料数 65),バラ輝石11.7- 20.3 ‰(試料数 32),石英23.0-23.9 ‰(試料数 8)のようである。大まかには同位体比が重い順に石英>バラ輝石>テフロ石となり,この順は3者間の同位体分別から予想される順序と一致する。しかしながら,一ヶ所の切羽から採取したサンプル間でも,各種鉱物の酸素同位体比は一定値とはならず,数‰の変化を示した。さらに,鉱体内で共存する石英-バラ輝石およびバラ輝石-テフロ石の鉱物ペアの酸素同位体比から計算した同位体温度は一定値に落ち着かず,また母岩中の変成鉱物組み合わせから予想される温度とも矛盾する。マンガン鉱床は貫入花崗岩のごく近傍に位置していたと考えられ,仮に変成作用時に花崗岩マグマから多量の流体が供給されたならば,マンガン鉱物間で流体を介した酸素同位体平衡が達成されたはずである。しかしながら,今回の分析データは変成流体を介しての鉱物間の同位体平衡が達成されなかったことを示し,熱変成時の変成流体/岩石比が著しく小さかった事を示唆する。熱変成を受ける前の主要なマンガン鉱物であったと考えられる菱マンガン鉱の酸素同位体比を,マンガン鉱物および変成流体間の酸素同位体に関する質量保存則から計算した。計算値はδ18O = 19.2-23.4 ‰程度となり,この菱マンガン鉱が海水と酸素同位体的に平衡状態で沈殿したとすれば,その時の温度は62° - 111°Cと求まる。従って,野田玉川鉱床の起源となったマンガン堆積物は低温の熱水活動により海洋底に沈殿したものであると考えられる。
  • 渡辺 昌樹, 小林 桂, 中村 栄三
    セッションID: G4-02
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    We report on analytical procedures for Li isotopic analysis of olivine by a High Resolution Secondary Ion Mass Spectrometry (HR-SIMS), Cameca ims-1270 with mono-collection system.In order to accomplish high spatial resolution and accurate Li isotope analysis, analytical conditions determined and reliable standards prepared.
  • 福山 繭子, 西山 忠男, 浦田 健作
    セッションID: G4-03
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    変成岩中に認められる数々の反応構造を解析することは岩石の構造形成を知る手がかりになると考えられる。反応帯は非平衡条件下で形成され非平衡組織を保存しているため、反応のプロセスと拡散を考慮した非平衡熱力学的アプローチを適用するのに最適なサンプルとなる。そこで平尾石灰岩層中に産するランプロファイアー岩脈と結晶質石灰岩の間に形成された反応帯の形成過程と物質移動を解析した。解析手段として開放系の定常拡散モデル(Johnson & Carlson , 1990)を適用したところ、反応帯の累帯配列は現象論係数の比の値に依存せず常に安定に存在し、その成長方向は現象論係数の値に依存する結果が得られた。この結果と天然の反応帯の成長方向とを比較することで反応帯の形成される拡散係数の相対的な値を明らかにできる。また、定常拡散モデルの定式化についてこれまで知られていない新たな問題点が見出されたので併せて議論する。
  • 坂野 昇平, 松本 啓作, 中村 大輔
    セッションID: G4-04
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    三波川結晶片岩には後退変成作用におけるざくろ石に溶解でなく、結晶成長によってできる Mn 逆累帯構造がある。例とその成因を熱力学的に論ずる。
  • 北村 雅夫
    セッションID: G4-05
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    ざくろ石は、変成岩の主要構成鉱物であり、成長時などで形成される化学組成変動に伴う累帯構造(組成累帯構造)が残されている場合が多い。これらの累帯構造に残された組成変化を用いて、変成岩の P-T path の推定などが精力的に行われている。P-T path の推定の原理としては、界面平衡な成り立っていることが最も重要な点である。また、変成岩中のざくろ石の組成変化全体を、分配係数一定を前提としたRayleigh fractionation model などを用いて、説明されてきた。一方、単調な温度・圧力変化で且つ界面平衡あるいは分配係数一定という仮定では説明できない組成累帯構造も報告されている。ある場合には複雑な反応過程の設定、またある場合には変成圧力の変化によって説明されてきた。とくに、後者の場合には、それに見合ったテクトニックな運動を示唆することとなる。これまでの界面平衡あるいは分配係数一定というモデル以外の考察は、その理論的背景がなかったために行えなかった。ここでは、界面非平衡という新しい視点から、ざくろ石の累帯構造の成因を議論する。組成累帯構造は、界面平衡下での分別結晶作用で生じる組成変化を正であると定義すると、正累帯構造と逆累帯構造に大別できる。最近構築した界面カイネティックスに関する理論(Kitamura and Matsumoto: J. Crystal Growth, 260, 243-254, 2004)に基づいて、変成岩中のざくろ石の組成累帯構造の成因の解析を行った。その結果、変成岩中のざくろ石の累帯構造に関して以下のような事が明らかとなった:(1) 変成岩中のざくろ石は、界面非平衡の効果による逆累帯構造を形成し得る。(2) ざくろ石の逆累帯構造は、等温・等圧条件に近い場合に形成されたと考えられる。(3) 正累帯構造は、単調な温度・圧力変化のもとでは、広い条件下で形成され得る。(4) ざくろ石の逆累帯構造の特徴から、ざくろ石の形成反応への制約を推定し得る。以上の結果は、界面平衡あるいは分配係数一定というモデルで考察されてきたざくろ石の成因を新しい視点に基づいて再検討すべきであると共に、それらから推定されたテクトニックな運動等の提言も見直されるべきであることを示唆している。Keywords: metamorphic garnet, zonal structure, *Corresponding author: kitamura@kueps.kyoto-u.ac.jp
  • 村上 英樹, Andre Lalonde
    セッションID: G4-06
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    Phenocrysts of black plagioclase from the Lac Saint-Jean Proterozoic massif type anorthosite in Quebec, Canada were studied to explain the simultaneous existence of ilmenite, magnetite, hematite, hemo-ilmenite and fine unidentified Fe-Ti dust, and the unusual presence of the ⟨Si4O8 and AlAl3SiO8 feldspar end-members in the plagioclase. Our result indicate that significant amounts of Fe2+ were originally present in the tetrahedral and cavity sites of the plagioclase and that Ti4+ was also present in the tetrahedral site. We conclude that plagioclase in the Lac Saint-Jean anorthosite crystallized under fairly reducing conditions and later underwent postmagmatic oxidation when the plutonic mass was uplifted and came into contact with crustally-derived
  • 川嵜 智佑, 高野 洋輔, 小山内 康人
    セッションID: G4-07
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    ルチルと共存する石英中のTiO2含有量が温度に大きく依存する事を実験的に検証したので、石英地質温度計を提案する。
  • 砂田 大樹, 榊原 正幸
    セッションID: G4-08
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    高圧変成岩における電気石の挙動は,深部付加プリズムにおける流体-岩石相互作用を解明する上で重要である.演者らは,四国中央部国領川流域の三波川帯において,電気石濃集帯を見出した.本発表では電気石岩の成因および沈み込み帯における地球化学的意義について報告する.本地域の三波川変成岩類は,大生院ナップ,別子ナップに区分される.ナップ境界周辺の泥質片岩中には,多数の蛇紋岩がレンズ状もしくは層状に挟まれる.ナップ境界を境に,構成岩石,斑状変晶の粒径および鉱物化学組成が明瞭に変化する. 泥質片岩に含まれる電気石は,一般に微量かつ細粒である.一方,境界付近の両ナップ中には,多数の電気石濃集層が存在する.規模の大きいものは電気石の巨晶および電気石岩を含む. 電気石濃集層が多産する本調査地域は,沈み込み帯深部で形成されたナップ境界であり,大規模な流体の通路であったと考えられる.
  • 森 康, 重野 未来, 西山 忠男
    セッションID: G4-09
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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     九州西部の西彼杵半島に分布する長崎変成岩類は、緑簾石-青色片岩亜相に属する片岩と、その中に定置した蛇紋岩メランジで構成されている。最近、この蛇紋岩メランジに由来するヒスイ輝石岩から石英包有物を含むヒスイ輝石が発見され(重野・森, 2003)、構造岩塊と片岩に大きな変成条件の差があることが明らかになった。今回、このヒスイ輝石岩について記載岩石学的研究をおこない、微細反応組織の検討から温度-圧力履歴の推定を試みた。 ヒスイ輝石岩は、おもにヒスイ輝石(60-95 vol.%)からなり、顕微鏡下で等粒状組織を示す。鉱物組み合わせは、ヒスイ輝石+アルミノセラドナイト+白雲母+パラゴナイト+曹長石±クリノゾイサイト±方沸石で、副成分鉱物としてチタン石、燐灰石、モナズ石、ジルコンを伴う。ヒスイ輝石は、4 mm大の他形粒子であり、石英およびオンファス輝石包有物を含むコアと包有物を含まないリムを持つ。石英包有物は、Jd95-Jd100のヒスイ輝石ホストと直接接している。一方、リム(Jd85-Jd100)は、しばしば曹長石に置換されており、同時消光する多数のフラグメントになっている例が見られる。また、ヒスイ輝石と白雲母、ヒスイ輝石と曹長石、パラゴナイトと白雲母の境界に沿ってフィルム状に方沸石の反応縁が発達する場合がある。 ヒスイ輝石岩中には、形成時期の早い順に(a)石英包有物を含むヒスイ輝石コア、(b)ヒスイ輝石リムを置換する曹長石、(c)方沸石の反応縁という3つの微細反応組織が認められる。(a)は、コアにおける石英包有物の体積分率がVQtz/(VJd+VQtz) = 0.21-0.28で、全体として曹長石とほぼ等化学的であることから、曹長石の分解反応(曹長石→ヒスイ輝石+石英)により形成されたと考えられる。(b)を形成した反応は、マトリックスに石英が存在しないこと、ヒスイ輝石のリムが石英包有物を含まないこと、ヒスイ輝石以外の鉱物が反応に関与した形跡が認められないことから不明である。しかし、曹長石がヒスイ輝石粒子内の割れ目を充填している例が見られることから、ヒスイ輝石+SiO2 (aq)→曹長石のような流体との反応が示唆される。(c)についても、方沸石の反応縁の両側にある鉱物が一定でないことから、流体との反応(例えば、ヒスイ輝石+H2O→方沸石)により形成された可能性が高い。これらの微細反応組織が形成された温度-圧力条件は、(a)ヒスイ輝石+石英、(b)曹長石、(c)方沸石の安定領域内に限定される。片岩には曹長石が普遍的に出現することから、少なくとも(a)は蛇紋岩メランジが定置する以前のステージと考えられる。 (a)から(c)にいたる安定領域の変化は、圧力の低下を本質的な原因としており、全体としてヒスイ輝石岩の上昇時の温度-圧力履歴を与える。
  • 辻森 樹, LIOU Juhn G., 宮本 知治
    セッションID: G4-10
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    中国山地,大佐山蛇紋岩メランジュ産ひすい輝石岩中のジルコン巨晶(< 3 mm)のU-Pb年代をSHRIMP-RGを用いて測定した.ジルコンはひすい輝石とルチルを包有物として含み,マトリクスを構成するひすい輝石・ルチル・グロシュラーと共存する.ジルコンはその内部組織とTh/U比により,Type I (normal growth zone; Th/U = 0.2-0.5),Type II (texturally inherited core; Th/U = 0.7-0.8),Type III (replacement zone) の3つのゾーンに区分される.特に,Type IとIIのゾーンのスポット206Pb/238U年代の平均値476 ± 10 Ma (n = 34) はひすい輝石岩の形成年代と解釈され,低温高圧環境下でひすい輝石岩を沈殿させたアルカリ流体と超苦鉄質岩の相互作用のタイミングを示す.
  • King Robert, Bebout Gray, 小林 桂, 中村 栄三
    セッションID: G4-11
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
    会議録・要旨集 フリー
    We have developed an improved method for examining the metamorphic history of subducting oceanic crust and its impact on chemical cycling at convergent margins. Our approach provides a much-needed metamorphic complement to records of subduction-zone cycling derived from studies of igneous rocks produced at volcanic arcs. By merging methods utilizing garnet zoning to establish prograde reaction histories with in situ high-resolution trace element geochemistry, and application to coesite eclogites representing subduction to depths beneath arcs, we are able to directly identify geochemical manifestations of reactions contributing to element mobility in the subducting slab that are only inferred in studies of volcanic arcs or theoretical metamorphic models.
  • 牧 賢志, 西山 忠男
    セッションID: G4-12
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
    会議録・要旨集 フリー
    我々は西山ほか (2004)のザクロ石角閃岩の露頭の周辺よりザクロ石単斜輝岩が産することを見出した.鉱物組み合わせはS1;ザクロ石(Prp8Alm63Sps7Grs22)+単斜輝石(Di32Hd68)+斜長石 (An90)+角閃石+石英,S2;ザクロ石(Prp5Alm58Sps7Grs30)+単斜輝石(Di38Hd62)+斜長石 (An95)+角閃石+石英,S3;ザクロ石(Prp4Alm43Sps4Grs49)+単斜輝石(Di31-53Hd69-47)+ゾイサイト+白雲母+角閃石+石英である.S2のザクロ石はイルメナイト単斜輝石シンプレクタイトとそれを取り囲む単斜輝石+斜長石集合体を包有している.S3のザクロ石はその周囲にゾイサイト+単斜輝石のコロナを伴う.
  • 中野 伸彦, 小山内 康人, 大和田 正明, Nam, T.N., 豊島 剛志, Binh, P.
    セッションID: G4-13
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
    会議録・要旨集 フリー
     ベトナム中部に位置するコンツム地塊は,高温変成岩類が分布する先カンブリア代の地質体と考えられ,古くからインドシナクラトンの基盤を構成すると考えられてきた.演者らは,2000年より同地質体の地質学・岩石学・年代学的な検討を進め,同地質体の多くの岩石はこれまでの考えとは異なる約2億5千万年前のアジア地域における衝突帯変成作用で形成されたことをしめした.同時に最高変成度をしめす変成岩類は大規模な剪断帯に沿って分布することをしめし,その一部は超高温変成作用を経験したことを明らかにした.本発表では,すでに報告されている超高温マフィックグラニュライト中の単斜輝石とザクロ石に着目し,超高温変成作用以前の昇温期変成作用について議論する.
  • 小山内 康人, 中野 伸彦, 大和田 正明, Nam Tran Ngoc, 豊島 剛志, 角替 敏昭, Binh Pham
    セッションID: G4-14
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
    会議録・要旨集 フリー
    ベトナム・コンツム地塊の超高温変成岩類は、時計回りの変成履歴をしめし、最高変成条件は、1000℃・12kbarに達する。泥質グラニュライトからは、最高変成条件以降の後退変成過程が詳細に解析され、同時に苦鉄質グラニュライトからは最高変成条件到達以前の昇温期変成過程が読みとれ、この岩石が経た最高圧力条件は約17kbarのエクロジャイト相であったことがしめされた。これらの変成作用は、ペルム紀ートリアス紀境界の約250Maに、東アジアにおける小大陸衝突に伴う、衝突型変成作用による。
  • 馬場 壮太郎, 大和田 正明
    セッションID: G4-15
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    東南極,中央ドロンイングモードランドのシルマッヘルヒルズは,南緯70°45´,東経11°30´ ∼11°50´に位置する東西20km,南北3kmの露岩地である.大局的に東-西から東北東-西南西のトレンドをもち南に中程度傾斜する.見かけ上,下位の北部から石英長石質片麻岩,眼球状片麻岩,混合帯(泥質変成岩・カルクシリケート・塩基性グラニュライト・チャーノッカイトなど),ザクロ石-黒雲母片麻岩,黒雲母・黒雲母角閃石片麻岩より構成される.これらは,初期にグラニュライト相変成作用を被り,その後,角閃岩相の変成作用を被ったとされている(Sengupta, 1993).
  • 野坂 俊夫
    セッションID: G4-16
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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     飛騨外縁帯北東部(長野県白馬村,中部山岳国立公園内)に露出する八方超塩苦鉄質岩体には蛇紋岩マイロナイトが産出する。それはcoherentな片状岩であり,強く定向配列したアンチゴライト基質にカンラン石がレンズ状に挟まれ,透輝石,緑泥石,磁鉄鉱を伴う。三郡帯に産する普通の蛇紋岩に比べて蛇紋石の含有量が少ない。カンラン石は3つの異なる産状:porphyroclast,細粒neoblast,およびそれらを貫く細脈状部,を呈する。細脈状カンラン石は磁鉄鉱を包有し,Fo値が高く,組成がばらつくという特徴から,蛇紋石の脱水反応で生じたものと考えられる。その分布から判断して花崗岩の貫入による熱変成作用の産物であろう。一方,他の2種のカンラン石は磁鉄鉱を包有せず,比較的Fo値も低いので,蛇紋石の分解生成物ではない。カンラン石neoblastはporphyroclastと同様かつ均質な化学組成を持っているので,粒径減少を伴う再結晶作用の産物であろう。 蛇紋岩マイロナイトはしばしば塊状カンラン岩:カンラン石,トレモラ閃石,および少量の緑泥石と斜方輝石などから成る,を取り囲むように産する。塊状カンラン岩中のトレモラ閃石は局所的に透輝石と蛇紋石に置換されており,不透明鉱物を包有せず,本岩体の接触変成帯でカンラン石と共存するものに比べてMg/Fe比が低い。蛇紋岩マイロナイトには常にカンラン石が産するが,その組成は塊状カンラン岩中のものと同じであり,アンチゴライトと同時に生成したものは認められない。一方,透輝石はAlやCrに乏しく,アンチゴライトと共に生じたものと思われる。また定向性アンチゴライト/透輝石モード比が3を越えることは少ない。以上の事実から,この蛇紋岩マイロナイトは,カンラン石 + アンチゴライトが安定な温度条件下での,カンラン石 + トレモラ閃石の加水分解,即ち比較的高温(400-600℃)での蛇紋岩化作用と同時に形成されたものと考えられる。 蛇紋岩マイロナイト中のカンラン石neoblastは格子定向性を持ち,しばしば顕著な伸長線構造を示す。そのファブリックは(010) [001]をすべり系とする塑性変形によって形成されたようである。このことは蛇紋岩化作用に先立ち,より高温での塑性変形によってカンラン岩マイロナイトが形成されたことを意味する。カンラン石neoblastは塊状カンラン岩でも認められることがあり,そのような岩石では粗粒カンラン石のサブグレイン化も著しい。カンラン石の粒径減少を伴う再結晶は,塊状カンラン岩でもある程度進行したようである。そのカンラン岩中のトレモラ閃石は弱い定向性を示し,またAlに乏しい割にNaに富む点で一般のprogradeトレモラ閃石と異なっており,カンラン石の再結晶と同時に後退的に生じた可能性が高い。カンラン石のファブリック,トレモラ閃石のAl量,および共存鉱物組み合わせから推定されるカンラン岩マイロナイトの生成温度は,およそ700-800℃である。 本岩体には2回のマイロナイト化作用が認められるが,初期に生じた剪断帯に,選択的に後期マイロナイトのoverprintがなされたようである。おそらくカンラン岩のマイロナイト化による透水性の増大が,蛇紋岩化作用を促進したためだろう。カンラン岩マイロナイトと蛇紋岩マイロナイトの生成温度条件にはギャップがある一方,両者には,蛇紋岩化後に幾分乱されているものの,共通の面構造が発達しており,それは隣接する高P/T型結晶片岩の片理のトレンドと調和的である。これらのマイロナイトは岩体の定置テクトニクスに関連したepisodicな塑性流動によって形成されたものと考えられる。
  • 鈴木 和博, 谷脇 太白
    セッションID: G4-17
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    Ryoke gneisses in Tomiyama were intruded by granitic veins several to 30cm in width. Folded and boudinaged veins were emplaced around 93-90 Ma, and non-deformed veins c.85 Ma. Ductile deformation continued beyond 93-90 Ma and ended before 85 Ma. Quartz in the non-deformed veins has chessboard-patterned SGBs, similar to those in deformed veins. The density of SGBs in the non-deformed veins is much lower than in the deformed veins, and is compatible with that in the late-stage two-mica granite, emplaced c.74 Ma. A period of thermal inactivity is thus envisaged before the reheating of the area by the two-mica granite. Uplift subsequent to the final plutonism may have produced minor deformation, expressed as chessboard SGBs in quartz grains in non-deformed veins and the two-mica granite.
  • 星野 美保子, 木股 三善, 西田 憲正
    セッションID: G4-18
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    褐レン石は、一般的に化学組成式は(Ca,Ce)2(Al,Fe2+,Fe3+)3(Si3O12)(OH)として表現され、数種類の希土類元素(REE)を濃集することが特徴である。また、褐レン石は花崗岩類、閃長岩、スカルンなどのさまざまな岩石の副成分鉱物として産出する重要な鉱物である。しかし、最近までREE の分析精度の問題や結晶構造の複雑性のため、十分な研究が行われてこなかった。特に、日本産褐レン石の系統的な研究は、Hasegawa (1960)、Nagashima & Nagashima, (1960)だけで、EPMA が化学分析の普遍的手段として使われる以前の研究である。そこで本研究では、EPMA を用いて日本の22 地域に産出する花崗岩質岩石中の褐レン石の化学分析を行った。
  • 八木 正彦, 国安 稔, 周藤 賢治, 平原 由香
    セッションID: G4-19
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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     苫小牧市東方に位置する勇払地域の地下深部には,ホルスト状の高まりを有する基盤の白亜紀花崗岩類が存在し,国内最大級の油ガス貯留層となっている。この花崗岩類は勇払周辺の地表には分布せず,その分布範囲や他の白亜紀火成岩類との関係など地質学的詳細は明らかにされていない。これまでに勇払地域の坑井から採取された花崗岩類のジルコンFTおよびカリ長石のK-Ar放射年代測定結果から,100Ma前後が花崗岩類の迸入年代に近いとされ,本花崗岩類と北上山地の白亜紀花崗岩類との類似性が指摘されている(石油資源開発札幌鉱業所勇払研究グループほか,1992)。今回,勇払地域の花崗岩類および近隣の基礎試錐「馬追」に出現した斑糲岩類の坑井コア・カッティングス(計24試料)を用いて,全岩でのSr同位体組成を分析し,本花崗岩類の年代や成因などの検討を試みた。 本花崗岩類は,斑状組織や微文象組織を一部で示すなど浅所貫入型の様相を呈する黒雲母花崗閃緑岩からホルンブレンド黒雲母花崗閃緑岩である。新鮮なホルンブレンドも見られるが黒雲母,ホルンブレンドの多くは緑泥石に交代され,一部でぶどう石やパンペリー石も認められる。斜長石はアルバイト化や絹雲母化を受けているものが多い。さらに,濁沸石や石英などの細脈が発達する部分もある。化学組成ではSiO2 は75(±3)wt % (無水換算)と比較的狭い範囲示すことが特徴で,SiO2 の増加に対してTiO2,Al2O3 FeO*, CaO,P2O5, Sr, Yが減少する傾向がみられる(蟹沢ほか,1999)。垂直方向では深部ほどやや苦鉄質になる傾向が見られる。 Sr 同位体組成は,脈などを除いたなるべく新鮮な試料を選出し,表面電離型固体質量分析計(Finnigan MAT262)を用い,Miyazaki and Shuto(1998) の方法に従って求めた。その結果,勇払地域の花崗岩類のSr同位体比(87Sr/86Sr)は0.7040から0.7068の比較的広い範囲を示す。また,87Rb/86Sr-87Sr/86Sr図上で,変質の影響が大であるとみなされる一部の花崗岩試料を除いてこれらはほぼアイソクロンを示すことから,York(1966)に従ってSr-Rb年代値を求めると115.3±18.06Maであった。この年代値は石油資源開発札幌鉱業所勇払研究グループほか(1992)が求めた年代値よりも古く,北上花崗岩の年代(K-Ar年代で128-106Ma:河野・植田,1965)や特にShibata et al.(1978)の北上山地I帯花崗岩類の迸入年代(Ar-Ar年代で約116,118Ma)により整合的である。 花崗岩類のノルム石英量とSr同位体比とには良い相関が見られることから,これらはすべて同源のマグマ起源物質から生じた1つの岩体である可能性がある。全岩アイソクロン法によって本花崗岩類のSr同位体初生値(SrI値)を推定すると0.7033から0.7039(モデル年代:115Ma)であった。この値は花崗岩類のSrI値としては極めて低く,およそP-MORBの領域(0.7030から0.7035)に落ちることから,これらの花崗岩類が枯渇したマグマ起源物質から生成されたことが示唆された。さらに,「馬追」の斑糲岩類のSr同位体比も花崗岩類とアイソクロンをなすことから,花崗岩類との類縁関係が推定された。この斑糲岩類は樺戸山地の隈根尻層群に対比できる可能性が指摘されており(山田・風間,1998),今回の結果によって本花崗岩類と礼文-樺戸帯の塩基性火山岩類との成因的関連を考慮する上で重要な知見が得られた。
  • 和田 肇, 山口 佳昭, 原山 智, 木村 純一
    セッションID: G4-20
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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     北アルプス北部の黒部川花崗岩体(2Ma)は,下部岩相から中部岩相を経て上部岩相へ垂直分化している.この岩体の大部分では,暗色包有岩が濃集した産状を示すが,その多くは花崗岩に対して明瞭で細粒な急冷縁を持ち混合していない. 花崗岩の全岩希土類元素組成のコンドライト規格化パターンから,LREEは調和元素,HREEは非調和元素としてふるまう事が解った.岩石薄片顕微鏡画像のパソコンによる解析から副成分鉱物の存在割合を求めた.LREEに富むカツレン石は結晶作用途中から晶出したと考えられる. 初期メルトの組成と実効分配係数を求めて,ホストマグマの結晶分別の効果をレイリー分別に基づいて検討した.その結果,初期メルトがおよそ40%結晶化して分別すると上部花崗岩に類似するコンドライト規格化パターンが得られた.これは岩体が同一マグマの結晶分別作用によって分化したことを示唆する.
  • 奥田 大志, 北村 雅夫, 下林 典正
    セッションID: G4-21
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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     花崗岩マグマは、その多くは大陸地殻が部分溶融して発生すると考えられているため、花崗岩の成因を考える上で、その起源岩石を推定することは非常に重要である。そのために有力な手がかりとなるのが、起源岩石の溶け残り組織である。廣井( 2000)は、Sタイプ花崗岩中の石英粒にカソードルミネッセンス(CL)像で起源岩石の溶け残りと思われる組織を報告した。石英中の溶け残り組織及びその内部の包有物は、石英が花崗岩の主要鉱物のうち唯一固溶体でないため、包有物と石英間のSi以外の元素交換反応がなく、起源岩石当時の化学組成や鉱物共生をよく残していると考えられる。そこで本研究ではまず、石英粒に見られる組織が溶け残り組織であるかどうかの検証を行なった。続いて、その組織中に含まれる包有物の分析を行い、起源岩石の推定を行った。 本研究では、Sタイプ花崗岩である京都府亀岡市西部の行者山花崗閃緑岩を試料として用いた。走査型電子顕微鏡(SEM)によるCL像観察及び組成分析、透過型電子顕微鏡(TEM)による微細組織観察を行った。 CL像の観察により、いくつかの石英結晶はその中央部に粒状に発光する領域が見られる。TEM観察によると、この粒状領域とその外側との境界部には多くの転位が見られる。結晶成長の途中で、転位数が局所的に増加する可能性は低いため、境界部の両側では成長の過程に連続性がないと考えられる。また、その粒状領域の内部にカミングトン閃石、黒雲母、チタン鉄鉱、燐灰石を包有するものもいくつか存在した。カミングトン閃石とチタン鉄鉱は粒状領域の外部では見られない。そのため、この粒状領域は起源岩石の鉱物を包有している起源岩石の溶け残りであると考えられる。 溶け残り部分での鉱物共生から判断すると、起源岩石は角閃岩のような高温変成岩であると考えられる。しかし、そのような変成岩は行者山付近で露出していない。よって、行者山の地下深部にはかつて高温変成岩の岩体があり、花崗閃緑岩の起源となったと考えられる。 一方、この組織とは異なるリング状に発光する組織も見られた。リングに囲まれた結晶中央部には、包有物として斜長石、カリ長石、黒雲母が存在している。石英結晶中心部と石英結晶外部にある斜長石、カリ長石、黒雲母の組成比較を行った。内部包有物と石英結晶外部の結晶の組成領域の幅が一致する場合もあるが、内部包有物の組成領域の幅が、斜長石(An0-An5)、カリ長石(Or95-Or100)、黒雲母Fe/(Fe+Mg)比(0.57-0.63)を示し、石英結晶外部の結晶の組成領域の幅、斜長石(An15-An45)、カリ長石(Or84-Or95)、黒雲母Fe/(Fe+Mg)比(0.36-0.42)と明らかに異なるものも存在する。後者の特徴を示す結晶は主に微細な包有物であり、組織の外部では見られないゾイサイトを伴うこともある。したがって、この包有物を含む領域はその組成からは花崗岩の形成初期に晶出した結晶を包有したとは考えがたく、起源岩石の鉱物組み合わせを保存している可能性がある。
  • 吉田 博, 岡野 修, 飯泉 滋, 妹尾 護
    セッションID: G4-22
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    香川県東かがわ市東部の海岸部には、玄武岩質から流紋岩質の広い組成範囲を示す数多くの平行岩脈が新期領家花崗岩類のメンバーである白鳥花崗岩中に貫入しており、これらは白鳥花崗岩の貫入後まもない時期に貫入したと考えられる(氏家, 1978など)。今回、微量元素を含む化学組成、Sr及びNd同位体組成に基づいて、これらの岩脈とその周囲に産する領家帯花崗岩・苦鉄質岩類や瀬戸内火山岩類との間の成因的関係を検討した結果を報告する。岩脈を構成する岩石はマフィックなものからフェルシックなものまで(SiO2=48-76%)、一連の結晶分化作用によるものとされている(氏家, 1978; Ujike, 1980, 1982)。予察的に求めたRb-Sr全岩アイソクロン年代は67±7Mを示し、白鳥花崗岩に報告されている黒雲母のK-Ar年代 (77, 83, 87 Ma; 河野・植田, 1966, 柴田, 1979)よりやや若いが、Sr初生同位体比は両者ともも0.7074前後の似た値を示す。さらにフェルシックが岩脈の主成分および微量成分組成は白鳥花崗岩のものと大変良く似ている。これらのデータは、岩脈とその母岩の白鳥花崗岩が成因・起源物質について密接な関係にあることを強く示唆する。さらに、マフィックな岩脈の化学組成とSr, Nd同位体比は領家帯に散点する苦鉄質火成岩類の中いわゆる“変輝緑岩”の持つ値と非常によく似ている。変輝緑岩類はまた、これらと密接に産する角閃石ノーライトからガブロキュームレイトを晶出させた液相に相当すると考えられる。つまり、間接的に領家花崗岩類と苦鉄質火成岩類の間の成因的関連性が示唆される。一方、瀬戸内地域の領家苦鉄質岩類はハンレイ岩類も変輝緑岩類もともに200Ma前後の、領家花崗岩類(70-90Ma)に比べてかなり古い形成年代を示しており、同時期の火成活動によるものでないことが明らかである(Okano et al., 2000)。白亜紀後期におこった領家火成活動と共通する先駆的活動が200Ma前後から始まっていたのであろう。その時代に生じたであろう古い“領家花崗岩類”は、後に削剥されたか白亜紀後期の火成活動により再溶融して失われたのかもしれない。また現在見られる領家花崗岩類を作り出した大規模な白亜紀後期火成活動の際生じた苦鉄質マグマのほとんどは深所にとどまって現在の下部地殻を構成していると考えられる。
  • 吉倉 紳一, 山本 定雄, 加々美 寛雄
    セッションID: G4-23
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    四国西部の高縄半島と大島に分布する領家帯花崗岩類の岩型識別と時階区分をおこない、代表的な花崗岩のRb-Sr全岩アイソクロン年代とU-Pbジルコン年代を測定した。本地域の花崗岩類は第1期の片麻状トーナル岩から花崗閃緑岩、第2期の塊状花崗閃緑岩、第3期の塊状アダメロ岩から花崗岩の3グループに区分され、この順に貫入・定置した。第1期と第2期の花崗岩類については、いずれも91Ma前後の年代が得られ、Sr同位体比初生値も互いに酷似する。したがって、両花崗岩類のマグマは同じ起源物質から生じ、ほぼ連続して貫入・固結したものと考えられる。第3期花崗岩類の年代は96Maで、第1期と第2期の花崗岩類の年代に比べて有意に古い年代を与える。この理由については今のところ不明である。
  • 村田  守, 谷 享子, 小澤 大成, 西村 宏
    セッションID: G4-24
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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      花崗岩は大陸地殻の主要部を構成するので,これを研究することは大陸地殻の形成を研究することでもある。古来造山運動の中心として花崗岩成因論が論じられてきたことから分かるように,花崗岩の生成は限られた時間・地域に限られるという特徴がある。これは定常的なプレートの沈み込みに伴う火山岩の生成とは根本的に異なるところである。定常的なプレートの沈み込みが想定される日本列島の多くの花崗岩帯においては,花崗岩を形成するための熱源を特定することが必要であろう。この熱源として,リッジサブダクションとそれに伴われるスラブウィンドーマグマティズムがある。リッジサブダクションや若いスラブの沈み込みには,アダカイト・アダカイト質花崗岩や高マグネシア安山岩が伴われているので,逆にこれらの岩石の存在から,リッジサブダクションや若いスラブの沈み込みについて検討することができるであろう。 白亜紀の西南日本内帯の領家帯・山陽帯では,アダカイト質花崗岩・高マグネシア質安山岩の発見(木村・貴治,1993;貴治ら,1995,2000;Kamei et al., 2004)があり,リッジの斜め沈み込み(Kinoshita, 2002,2004)やスラブウィンドーマグマティズム(Murata et al., 2003)も検討されている。一方,中新世の西南日本外帯花崗岩の特徴は,14Maの同時代性と同時期の高マグネシア安山岩が瀬戸内帯に主に分布することである。外帯の中新世高マグネシア安山岩として田辺層群を貫く例が三宅ら(1985)によって報告されているにすぎない 我々は,外帯花崗岩の形成条件(5kb・700°C;村田,1987)の熱源が,若くて熱いスラブの沈み込みあるいはリッジサブダクションではないかと考え,それらに特徴的に伴われるアダカイト質岩や高マグネシア安山岩を探索してきた。その結果,徳島県東部の四万十帯北帯を非調和的に貫くSrに富む高マグネシア閃緑岩を見いだしたので,報告する。 本岩帯は,徳島県那賀郡相生町に5m x 15m程度の東西性の小岩脈として分布し,四万十北帯との境界では一部破砕され,ミロナイト化している。本岩体の一部は野沢・稲井(1972)によって,下雄閃緑岩として概略が報告されている。主要構成鉱物はCa角閃石・斜長石の中粒閃緑岩である。全岩化学組成の特徴は,SiO2が52から56%で,MgOが9%以上を示し,高マグネシア安山岩と同様の組成を示す。また,Srに富み(390から500ppm),Sr/Y比も21から30と高い。NiとCr含有率からは,transitional adakitesに分類される。したがって,本岩体はアダカイト・高マグネシア安山岩の貫入岩相と見なすことができる。今後は,これらの岩石の放射性年代の測定と同様の組成を示す小岩体の探索が必要であろう。
  • 湯口 貴史, 西山 忠男
    セッションID: G4-25
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    我々は,大崩山花崗岩体において,カリ長石と接する斜長石縁部にのみに見られ,サブソリダス反応により形成されたと考えられる2つの組織の相違を明らかにし,ミルメカイト形成プロセスの解明を目指す.2つの組織とは,1つはミルメカイトであり,もう1つは,虫食い状石英がなく本体の斜長石と光学的に連続しないアルバイトに富んだ反応帯である.ミルメカイト,反応帯とも斜長石とカリ長石の閉じた系では,マスバランスが取れず,両者とも開いた系で形成されることを示す.これらの形成に対して,様々な保存則に照らし合わせた結果,反応帯は,粒間中のシリカを用いて,あるいはシリカ保存という条件下でカリ長石のOr成分が関与することで形成される.それに対してミルメカイトは,反応の結果として石英を放出する.このことから,結晶粒間にシリカが飽和している場合に反応帯が形成され,結晶粒間にシリカがない場合にミルメカイトが形成されると考える.
  • 守山 武, 中村 栄三
    セッションID: G4-26
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    Lower crustal materials such as granulite terranes and deep-seated xenoliths often suffer metasomatism by late-stage magmatism or fluids. To discuss formation process of the lower crust, determination of initial compositions of the lower crustal materials is very important. In this study, we present evidence of metasomatism under the lower crust beneath Oki-Dogo, southwest Japan using lower crustal xenoliths, and discuss the metasomatic agent.
  • 大和田 正明, 小山内 康人, 加々美 寛雄
    セッションID: G4-27
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    太古代の火成岩の多様性は、すでに幾つかの異なる組成のリザーバーが存在したことを示唆する。本発表では、Nd同位体組成や希土類を含む化学組成の特徴から、リザーバーの端成分と考えられる地殻とマントルの相互作用に焦点をあて、太古代ナピア岩体の原岩形成過程を議論する。 ナピア岩体の珪長質岩は、他の岩相と共に数十センチ規模の層状に産する型と厚さが数十メーターかそれ以上に達し塊状の型に区分される。後者の型は、しばしば苦鉄質岩や超苦鉄質岩をブロックとして包有する。一方、苦鉄質岩は、数十センチから数メーターの層厚で産するが、数十メーターに達することもある。まれに、周囲の岩相境界あるいは面構造に斜交して産する。このような産状から、珪長質岩と苦鉄質岩の一部は、もともと貫入岩であったと考えられている。また、これらの原岩形成年代はおおよそ35- 37億年とされている。 珪長質岩の特徴は、(1)有色鉱物は斜方輝石のみか、斜方輝石と単斜輝石、(2)(La/Yb)N>80、 (3)NdI (3.5Ga)< 0.50795で、これらの特徴を示す珪長質岩には、Cr含有量が160 ppm以上に達する岩石が含まれる(以後、High-Cr珪長質岩)。このような岩石は、しばしば超苦鉄質岩のブロックを包有している。High-Cr珪長質岩中の輝石は、高マグネシウム安山岩やボニナイト中の輝石組成に類似するCr含有量を持つ。Crは変成作用においても動き難い元素であり、輝石への分配が大きいことから、High-Cr珪長質岩は変成作用を受ける以前からCrに富んでいたことが示唆される。High-Cr珪長質岩に伴われる超苦鉄質岩は、(1)Opx>>Cpx(2)An<65の斜長石、アパタイトおよびフロゴパイトからなる脈が発達している、また、(3) (La/Yb)N=4.41、(4)NdI(3.5Ga=0.50811 である。一方、苦鉄質岩は、(1)(La/Yb)N>2、(2)NdI(3.5Ga)0.50780から0.50817である。 Cr含有量が20ppm以下の珪長質岩の化学的特徴はCr含有量を除くとHigh-Cr珪長質岩と類似する。そして、これら珪長質岩の化学的特徴は、太古代のTTGやHigh-Mg閃緑岩のそれと類似する。La/Yb比が大きいのは、珪長質岩のマグマが形成された時、 Ybへの分配が大きいザクロ石が溶け残り物質中に存在していたことを示唆する。そして、High-Cr珪長質岩をもたらしたマグマは、比較的高圧で溶融した地殻物質がマントルと反応することで生じたと考えられる。 一方、High-Cr珪長質岩に伴われる超苦鉄質岩はLa/Yb比が高い。また、Nd同位体比初生値からみて、地殻成分の関与が示唆され、DM と上述の珪長質岩の混合によって生じたと推察される。その時の混合比はDM:珪長質岩=1:9と計算される。このような汚染されたマントルが部分溶融することで、LREEに富む苦鉄質マグマが生じたと考えられる。
  • 若菜 友美, 田切 美智雄
    セッションID: G4 P-06
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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     八溝山地は地形的に北から八溝・鷲子・鶏足・筑波の4つの山塊に分かれる。主に変成岩類と深成岩類からなる筑波山塊を除くと、それより北の3山塊はジュラ紀の付加コンプレックスとそれに貫入する小規模の花崗岩類からなる。八溝山塊西部には南北方向に点々と花崗岩類が貫入し、周囲の岩石は熱変成を受けていると考えられているが、その規模や変成条件についての議論は未だなされていなかった。本研究では、八溝山塊の変成作用について理解するため、栃木県黒羽町から那須町にかけて調査を行い、変成岩類の鉱物組合せに基づいて変成分帯を行った。さらに、XRFによる全岩化学分析値とSEMによる鉱物化学分析値から変成時の温度圧力条件の推定を行った。 調査地域は珪線石帯・菫青石帯・黒雲母帯に分帯される。珪線石帯に見られる特徴的な変成鉱物組合せは、珪線石+菫青石+黒雲母+カリ長石である。菫青石帯に見られる組合せは、菫青石+黒雲母+カリ長石である。黒雲母帯に見られる組合せは、黒雲母+白雲母+カリ長石である。また、菫青石帯の岩石にはざくろ石を含む組合せと紅柱石を含む組合せが見られた。特に、ざくろ石を含む組合せの2試料でざくろ石−黒雲母の共生が見られ、そのうち1試料はざくろ石−黒雲母−白雲母−斜長石の共生が確認できた。したがってFerry and Spear(1978)による地質温度計と、Ghent and Stout(1981)による地質温度圧力計を用いて変成時の温度圧力条件を推定した。推定された菫青石アイソグラッドから珪線石帯にかけての変成温度圧力条件は、P=2.4∼2.7kbar、T=400℃∼600℃である。 調査地域において最も広い範囲を占める菫青石帯の岩石には、変成度の上昇に伴う一連の菫青石結晶成長過程を観察することができる。晶出初期においては輪郭のはっきりしない円形の結晶で、徐々に(110)面双晶を発達させた六角形の斑状変晶に変化していく。さらに変成度の高い岩石中では他形の単結晶を形成する。菫青石帯低温部には菫青石ーカオリンーフェンジャイトの共生が出現する。菫青石と共生する黒雲母の粒度を測定したところ、菫青石・黒雲母いずれの鉱物も変成度の上昇とともに結晶は粗粒化するが、黒雲母の方がよりその傾向がはっきり表れる。この結果に基づき、菫青石帯内部の黒雲母の粒度を測定し、粒度の近い点を曲線で結んでこれを等粒度線とした。この曲線は花崗岩の分布や各アイソグラッドに調和的である。また、菫青石についてはMiyashiro(1957)によるひずみ率の測定を行い、変成温度や結晶成長との関係を考察した。
  • 佐藤 桂, 宮本 知治, 鈴木 敏弘, 高橋 栄一, 川嵜 智佑
    セッションID: G4 P-07
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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     東南極ナピア岩体は,超高温変成岩で構成される。ハワード・ヒルズはナピア岩体の中央部に位置し,主にフェルシック片麻岩類で構成される (Yoshimura et al., 2000)。ハワード・ヒルズ北部には周囲をフェルシック片麻岩に囲まれた,規模が数mにも及ぶ超マフィック岩のブロックが存在する (Yoshimura et al., 2000; Miyamoto et al., 2004)。Yoshimura et al. (2000)は,この地域の片麻岩類に長石ソルバス温度計 (Kroll et al., 1993) を用いて,1000℃から1200℃の変成温度を見積もった。また彼らは,片麻岩類の地球化学的特徴から,ピーク温度時に部分融解作用によってメルトが生じていた可能性を示唆した。一方,Sato et al. (2004) は,超マフィック岩ブロックの端から採集された金雲母-斜方輝石グラニュライト (Sample no. TM981229-03E; Miyamoto et al., 2004) について,9-13 kbar/950-1200℃の温度圧力範囲で相平衡実験を行なった。その結果,このグラニュライトのピーク温度が1100℃より高温条件で,グラニュライトが部分溶融していた可能性を示した。今回の研究では,実験岩石学的側面から,ハワード・ヒルズにおける超高温変成作用と部分融解作用との関係をさらに詳しく探るため,この地域の基盤岩であるフェルシック片麻岩について高温高圧相平衡実験を行なった。 実験には,斜方輝石フェルシック片麻岩 (Sample no. TM981229-03Ef; Miyamoto et al., 2004) を使用した。この片麻岩は,超マフィック岩ブロックの端の金雲母-斜方輝石グラニュライトに隣接していたもので,主に斜方輝石,アルカリ長石,斜長石,石英によって構成され,若干のルチルとジルコンを含む。実験の出発物質として,“グラス90 wt%+種結晶(粉砕した片麻岩:10-20 μm)10 wt%の混合物”を使用した。グラスは,粉砕した片麻岩をグラファイト容器に詰め,10 kbar/1600℃で2分間溶融させた後に急冷して得た。相平衡実験の試料容器には,Mo-Pt二重容器(内側:Mo箔,外側:Ptチューブ)を使用した。Ptチューブの両端は,炭素アークによって溶接された。 相平衡実験は,9 kbar及び4 kbarの圧力条件で行なった。9 kbarでの実験は,愛媛大学設置のピストンシリンダー高圧発生装置を使用して,1150℃で行なった(保持時間:211時間)。4 kbarでの実験は,東京工業大学設置の内熱式ガス圧装置を使用して,1050℃及び1100℃で行なった(保持時間:それぞれ,48時間及び43時間)。その結果,実験を行なった全ての温度圧力条件で斜方輝石+斜長石+石英+液相の鉱物(相)集合体が見出され,アルカリ長石は見出されなかった。Sato et al. (2004) は,斜方輝石フェルシック片麻岩に隣接する金雲母-斜方輝石グラニュライトのピーク温度は1100℃より高温条件で,その際に部分溶融が生じていた可能性を示している。今回の,ハワード・ヒルズの基盤岩であるフェルシック片麻岩についての相平衡実験でも,1100℃前後で液相が生じた。Yoshimura et al. (2000) が片麻岩類の地球化学的特徴から示唆したように,我々の実験結果も,ナピア岩体が超高温変成作用を被った際に,ハワード・ヒルズのフェルシック変成岩が広域的に部分溶融していた可能性を示す。現在,追加実験として,ピストンシリンダー高圧発生装置を使用して,斜方輝石フェルシック片麻岩について9 kbar/1050℃で相平衡実験を行なっている。講演では,この結果も合わせて報告する。引用文献:Kroll et al. (1993) Contrib. Mineral. Petrol., 144, 510-518;Miyamoto et al. (2004) Polar Geosci.(採録決定);Sato et al. (2004) J. Mineral. Petrol. Sci.(採録決定);Yoshimura et al. (2000) Polar Geosci., 13, 60-85
  • 池田 剛, 西山 忠男
    セッションID: G4 P-08
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    北部九州背振山地に産するグラニュライト相変成岩類の温度圧力条件を約900℃,5kbar と見積もった.超塩基性岩には後退変成時に斜長石の分解する反応組織がみられた.
  • 角替 敏昭, Dubessy Jean
    セッションID: G4 P-09
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
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    超高温変成岩中の微小流体包有物のレーザーラマン分光分析を行った.その結果,純粋なCO2と考えられていた包有物に最大5 mol. %のCH4と2 mol. %のN2が含まれることが明らかになった.また,ナピア岩体のサフィリン+石英鉱物組み合わせのような1050 oC以上の超高温変成条件を示す石英中の初生CO2包有物も,最大2 mol. %のH2Oを含む.これは超高温変成作用時におけるH2Oの存在を示唆する.マドゥライ岩体のCO2包有物は方解石,ドロマイト,マグネサイトなどの炭酸塩鉱物を伴うことが多い.これら固相包有物は場合によっては流体包有物よりもサイズが大きく(最大200μm),流体と同時にトラップされた炭酸塩メルトの可能性がある.また,リンポポ帯の泥質片麻岩中の包有物にはCO2, H2O, CH4のほかに,エタンが含まれる.通常の高温変成条件ではエタンは不安定であるが,H2Oのフュガシティーが極めて低い条件では,CH4とCO2の分解によってエタンが形成可能である.
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