JAMSTEC Report of Research and Development
Online ISSN : 2186-358X
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ISSN-L : 1880-1153
24 巻
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
原著論文
  • 畠田 健太朗, 林 為人, 廣瀬 丈洋, 谷川 亘, 濱田 洋平, 多田井 修
    2017 年 24 巻 p. 1-9
    発行日: 2017/03/01
    公開日: 2017/03/31
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    電気・電磁探査や孔内電気検層の比抵抗データを高い精度で解釈するためには,地下あるいは海底下の圧力・温度を再現した状態での掘削コア試料による比抵抗測定が必要不可欠である.本研究では圧力と比抵抗の関係について検討するため,封圧および間隙水圧を制御した状態で比抵抗測定ができるシステムを構築し,35 g/L塩化ナトリウム溶液で飽和した4種類の砂岩試料および2種類の火成岩試料について,最大80 MPaの有効拘束圧(間隙水圧:1 MPa)まで段階的に加圧したときの比抵抗を測定した.また,圧力の変化に伴う試料中の間隙水量の変化から,その孔隙状態の変化についても検討した.その結果,全ての試料で圧力の増加とともに間隙水は試料から排出され,比抵抗は上昇した.また,砂岩試料については間隙水量の変化が比抵抗の変化とほぼ一致する結果が得られ,圧力条件下における比抵抗の変化が試料の変形による孔隙率の縮小と強く関連付けられることを直接的に示すことができた.各試料における比抵抗の圧力依存性の違いについては,火成岩試料では微小クラックの存在により低圧域(~10 MPa)で比抵抗が大きく上昇することが示唆された.砂岩試料では,試料自体の変形特性や孔隙の形状などが比抵抗の変化傾向に影響した可能性がある.

報告
  • 藤井 信宏, 植木 巌, 古畑 正樹, 橋向 高幸, 山田 正樹, 畳指 祥子, 福田 海, 長濱 徹哉, 横田 牧人, 福田 達也, 石原 ...
    2017 年 24 巻 p. 10-20
    発行日: 2017/03/01
    公開日: 2017/03/31
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    海洋研究開発機構(JAMSTEC)では,インド洋観測システムの中核を担うResearch Moored Array for African-Asian-Australian Monsoon Analysis and Prediction(RAMA)の一環として,2006年より東部熱帯インド洋にm-TRITONブイを3基展開している.近年では,係留期間の増加とバンダリズムの深刻化に伴って,ワイヤーロープの損傷,およびセンサの損傷や喪失が増えており,リアルタイムデータの取得率は60%未満,回収データの取得率についても最も低い場合では50%程度と,データ取得率が低下した時期があった.データ取得率向上のために,テクノーラ®シートを巻き込んだワイヤーロープや水中センサ用の漁具対策クランプなどの開発を行い,バンダリズム対策を実施してきた.その結果,水中データ取得率は90%まで改善した.気象データの取得率については,センサの種類とハウジング構造の見直しにより向上してきてはいる.しかし,水中データの取得率である90%までには至っておらず,改善が必要である.

投稿原稿種類「データ論文」の新設にあたって
  • 2017 年 24 巻 p. 21-22
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/03/31
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    2017年3月

    「JAMSTEC Report of Research and Development (JAMSTEC-R)」では2017年4月から,投稿原稿の新たな種類として「データ論文」を設ける。データ論文とは,観測データ,測定データ,分析データ,計算シミュレーション結果等の公開データに関して,データの内容・取得方法・データ形式・アクセス情報等を記述したものであり,そのデータの分析,解釈,科学的結論を含まない論文と定義される.「JAMSTEC-R」では,海洋研究開発機構において研究・技術開発に携わる者が取得・作成した電子データ,または当機構の調査機器・研究設備等を利用して取得・作成した電子データに関するデータ論文を掲載する.同時に対象データのメタデータをJAMSTEC-Rデータリポジトリで公開する.読者はデータ論文を入り口にして対象データへアクセスすることができる仕組みとなっている.

    データ論文種類の新設にあたって,編集プロセスの課題を洗い出し,読者にデータ論文がどんなものかを示して執筆の助けにするため,JAMSTECの吉光淳子さん・大林政行さんに試行的なデータ論文の執筆・寄稿を依頼した.本号の「JAMSTEC-R」には,査読を経て採択されたデータ論文が掲載されている.今後のデータ論文執筆の参考にしてくだされば幸いである.2017年4月からのデータ論文の新設が,データ公開の促進やデータを生み出す研究者・技術者に対するインセンティブにつながり,オープンサイエンスに貢献することを期待している.

    末次 大輔

    JAMSTEC-R編集委員会委員長

    国立研究開発法人海洋研究開発機構

データ論文
  • Junko Yoshimitsu, Masayuki Obayashi
    2017 年 24 巻 p. 23-29
    発行日: 2017/03/01
    公開日: 2017/03/31
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    We have constructed a seismic travel time database as an aid to research on the interior structure of the Earth. We measured various types of travel times from seismic waveform data collected by stations around the world, including broadband ocean bottom seismometers (BBOBSs). We measured absolute arrival times of various seismic phases by manual picking of the phase onset, differential travel times of P waves between two stations, and differential travel times between PP and P waves. The differential travel times were measured using waveform cross-correlation method. So far, we have measured more than 80,000 travel times. These data have been used to improve the spatial resolution of our tomography model, particularly in regions of poor seismic ray path coverage such as the Pacific Ocean. The database is continuing to develop and is publically available at our own web site; we welcome anyone to use the data for further research.


    Complete data set is available via site:
    http://www.godac.jamstec.go.jp/catalog/jamstec-r_repository/metadataDisp/JAMSTEC-R_24DP01?lang=en

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