日本看護管理学会誌
Online ISSN : 2189-6852
Print ISSN : 1347-0140
18 巻 , 1 号
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原著
  • 村上 眞須美
    原稿種別: 原著
    2014 年 18 巻 1 号 p. 5-16
    発行日: 2014/07/15
    公開日: 2018/08/10
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】本研究では,看護職における仕事と生活の調和の状態を測定する尺度を開発することを目的とし,その信頼性,妥当性を検証する.

    【方法】男女共同参画会議「仕事と生活の調和(ワークライフバランス)に関する専門調査会」で作成した「仕事と生活の調和」実現度指標の個人の側面5分野の枠組みを基盤に,先行研究で明かになっている事柄を参考に質問紙の原案を作成した.エキスパートによる内容と項目の検討,プレテスト,予備調査を実施し質問項目の精錬を行った.本調査は,看護職600名を対象に調査を行った.尺度の信頼性は,Cronbachのα係数を算出し,構成概念妥当性の検証のために因子分析を行い,併存妥当性は,安達(1998)の開発した「職場環境,職務内容,給与に関する満足度測定尺度」との相関係数を算出した.

    【結果】本調査の有効回答数は218(36.3%)であった.因子分析は主因子法,プロマックス回転で行い,質問項目の取捨選択の基準は,共通性が0.2以下,因子負荷量が0.4未満,当該因子以外の因子負荷量が0.4以上とした.その結果,「時間の調整」「仕事のやりがい・職場の支援」「仕事以外の過ごし方」「家庭での過ごし方・家族の支援」「仕事とプライベートの切り替え」の5つの因子からなる,計28項目の尺度を開発した.各因子のCronbachのα係数は,0.65~0.902で,併存妥当性は「職場環境,職務内容,給与に関する満足度測定尺度」とのPearsonの積率相関係数を算出し,r =0.633,p <0.01と比較的強い相関が認められた.

    【結論】開発した尺度は,5因子28項目から構成され,信頼性,信妥当性が確認された.

  • 中山 登志子, 舟島 なをみ
    原稿種別: 原著
    2014 年 18 巻 1 号 p. 17-26
    発行日: 2014/07/15
    公開日: 2018/08/10
    ジャーナル オープンアクセス

    目的:信頼性・妥当性を確保した実習指導者の学習ニードアセスメントツールを開発する.

    方法:次の3段階を経てアセスメントツールを開発した.①質的帰納的研究の成果を基盤とした質問項目の作成・尺度化とレイアウト,②専門家会議とパイロットスタディを通した内容的妥当性の検討,③1次・2次調査の実施による尺度の信頼性・妥当性の検討である.

    結果:21質問項目から成る6段階リカート型尺度「学習ニードアセスメントツール─実習指導者用─」を作成した.1次調査は,全国の病院に就業する実習指導者1,309名に質問紙を郵送し,753名から回答を得(回収率57.5%),そのうち698名の有効回答を分析した.結果は,クロンバックα信頼性係数が0.922であり,尺度が内的整合性を確保していることを示した.また,実習指導に意欲のある者がそうでない者よりも(t=–4.098,p <0.001),実習指導に伴う問題に直面している者がそうでない者よりも(t=2.278,p<0.05),学習ニードアセスメントツールの総得点が有意に高く,尺度が既知グループ技法による構成概念妥当性を確保していることを示した.2次調査は,実習指導者27名を対象に再テスト法を実施した.その結果,学習ニードアセスメントツール総得点の相関係数が0.753(p <0.001)であり,尺度が全体として安定性を確保していることを示した.

    結論:開発したアセスメントツールは,信頼性・妥当性を概ね確保しており,実習指導者の学習ニードを反映した看護継続教育の提供に向け,指導者の学習ニード測定に活用できる.

資料
  • 小西 由起子, 撫養 真紀子, 勝山 貴美子, 青山 ヒフミ
    原稿種別: 資料
    2014 年 18 巻 1 号 p. 27-35
    発行日: 2014/07/15
    公開日: 2018/08/10
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究は,看護職として再就職してからの1年間に着目し,再就職者が組織社会化していく,その様相を明らかにすることを目的とした.前職場を退職後1年以内に再就職した看護師14名を対象に半構成的面接を行い,得られたデータを質的記述的に分析した.その結果,再就職者の組織社会化の様相として【規範・価値観の相違に困惑する】,【実務経験のある新人という微妙な立場に戸惑う】,【職場の中で孤独を感じる】,【先ずは〈ここのやり方〉を取り入れる】,【職場の中の自分の位置づけを探る】,【スタッフとの関係をつくる】,【折り合いをつけて受け入れる】,【職場における自分の役割を理解する】,【組織の一員としての実感を得る】,【実務経験に応じた細やかな支援】,【今は〈ここ〉で続けることを選択】の11カテゴリーが抽出された.これらの結果をふまえ,新しい職場における規範や価値観を内面化するまでの再就職後1年間の支援のあり方とその重要性が示唆された.

  • 鈴木 英子, 吾妻 知美, 丸山 昭子, 齋藤 深雪, 高山 裕子
    原稿種別: 資料
    2014 年 18 巻 1 号 p. 36-46
    発行日: 2014/07/15
    公開日: 2018/08/10
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究では,新卒看護師が先輩看護師に対し,職務上アサーティブネスになれない状況と理由を明らかにした.102名の新卒看護師にアサーティブネスの定義を説明した上で「過去1年間に職場でアサーティブにしたかったけれども出来なかった状況」と「理由」を尋ねる自記式質問紙調査を実施した.分析はKrippendorffの内容分析を参考にした.有効回答数は73名で,平均年齢は23.7±4.9歳であった.アサーティブになれない状況は,1.業務分担の依頼を断れない,2.統一されていない指導に対する困惑が言えない,3.仕事に関する叱責や注意に対して反論できない,4.先輩の気になる言動について発言できない,5.自分や新卒看護師に対する言動に反論できない,6.仕事に対する不安が言えない,7.先輩のミスによる濡れ衣に反論できない,8.私的な依頼が断れない,9.その他,に分類された.理由は,1.人間関係を重視した,2.指導を受ける身であるため,3.面倒を避けたいと感じた,4.先輩に育ててもらっているという思い,5.自分が出来ないことを知られたくない,6.仕事を教えてもらえなくなる恐怖,7.やるべき仕事をしないと思われたくない,8.慣れない環境で疲れ切っていた,9.自分に責任が有る,10. 恐怖心を感じた,であった.新卒看護師は,先輩看護師に職務上多種多様な状況で言いたいことを言えないでいた.

  • 鈴木 恵, 本多 和子
    原稿種別: 資料
    2014 年 18 巻 1 号 p. 47-55
    発行日: 2014/07/15
    公開日: 2018/08/10
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究の目的は,看護師を対象としたインターンシップの実施状況・実施環境の調査から現状を把握し,インターンシップと看護師採用との関連について分析することである.

    神奈川県下全348病院の看護部長を対象に自記式質問紙調査を行った.調査内容は,属性,実施状況(14項目),実施環境(12項目)とした.有効回答数は183施設(回収率52.6%)であった.

    1.設置主体が国や公的の病院で,病床規模が大きく,手厚い看護師人員配置の施設ほどインターンシップへの取り組み比率が高かった.

    2.実施群において,年間看護師採用者数のうちインターンシップによる採用人数割合と,実施環境における担当部署の理解・見学会との違い・募集方法,及び実施状況における宿泊費の支給・応募者増への努力の継続とに関連がみられた.

    3.実施群は,非実施群と比べ,看護師採用達成度が高かった.

    インターンシップ実施群と非実施群との比較において,病院属性,実施環境,実施状況,及び看護師採用達成度に差がみられた.インターンシップの実施と病院環境の充実が相互に関連し,それが看護師採用達成度にも影響するということが示唆された.

  • 萩本 孝子, 笠松 由佳, 相澤 恵子, 柳井 晴夫
    原稿種別: 資料
    2014 年 18 巻 1 号 p. 56-65
    発行日: 2014/07/15
    公開日: 2018/08/10
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究の目的は「看護師長の承認行為項目リスト」(萩本,2009)をもとに「看護師長の承認行為尺度」を開発し,信頼性と妥当性を確認することである.研究対象は,看護師長以上の管理者を除く看護師606名である.因子分析等から項目の削除と構成概念妥当性の検討,「ミネソタ満足度尺度」および「組織コミットメント尺度」の下位尺度である「情動的コミットメント」との相関係数から基準関連妥当性を検討,Cronbach α等から信頼性を検討した.その結果,「看護師長の承認行為尺度」は32項目から22項目に洗練された.信頼性は,尺度の全体のCronbach αが0.96,各因子では0.85~0.92(p < .001)であり,内的整合性が高いことが確認された.妥当性については,「ミネソタ満足度尺度」とは r =0.51(p < .001)で有意な相関を認め基準関連妥当性が支持された.しかし,「情動的コミットメント」とは r =0.31(p < .001)で弱い相関であり,基準関連妥当性の確認については課題が残った.因子分析では「看護師長の承認行為項目リスト」(萩本,2009)と同じ4因子『親密な交流』『支持的な相談・助言』『心地よい注目』『肯定的な業績評価』が抽出された.22項目の累積寄与率は69.3%であり,構成概念妥当性は確保された.

    看護管理者が本尺度を参考にして承認行為を実践することにより,看護師の職務満足を高め,組織コミットメントを強めることが可能となる.することである.

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