本研究の目的は,看護師を対象としたインターンシップの実施状況・実施環境の調査から現状を把握し,インターンシップと看護師採用との関連について分析することである.
神奈川県下全348病院の看護部長を対象に自記式質問紙調査を行った.調査内容は,属性,実施状況(14項目),実施環境(12項目)とした.有効回答数は183施設(回収率52.6%)であった.
1.設置主体が国や公的の病院で,病床規模が大きく,手厚い看護師人員配置の施設ほどインターンシップへの取り組み比率が高かった.
2.実施群において,年間看護師採用者数のうちインターンシップによる採用人数割合と,実施環境における担当部署の理解・見学会との違い・募集方法,及び実施状況における宿泊費の支給・応募者増への努力の継続とに関連がみられた.
3.実施群は,非実施群と比べ,看護師採用達成度が高かった.
インターンシップ実施群と非実施群との比較において,病院属性,実施環境,実施状況,及び看護師採用達成度に差がみられた.インターンシップの実施と病院環境の充実が相互に関連し,それが看護師採用達成度にも影響するということが示唆された.
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