変化するヘルスケアニーズに見合った質の高いケアを提供するために,ヘルスケアシステムを創造し経営運営し,かつサービスの提供をリードしていくような看護管理者の育成が急務である.本プロジェクトは21世紀を見据えた社会経済状況に適合する看護管理教育モデルを開発することが目標である.この報告では第1段階として現行の看護管理教育プログラムの教育内容について分析したので報告する.
文献検索,インターネット検索,および研究者の関連する施設への依頼という便宜的方法の3つの方法を通して,シラバスを収集した.国内が34件で,国外が7件であった.以上の41のシラバスについて,教育内容をWagnerの分類を用いて分類し分析した.
Wagner の教育内容分類と比較した結果,マーケティングや消費者行動などの「クライエント」に関する教育内容が少ないこと,および予算,財務,経済などの「ファイナンス」についての教育内容が少ないことが特徴的であった.また,日本の継続教育における管理教育プログラムでは,「看護理論」「看護教育」「看護研究」「臨床実習指導」などの単元が含まれており,管理者育成の目的に加え,看護専門職としてのアドバンス教育の意味合いがあると考える.
今回は看護管理教育の内容に焦点を当てて分析を行ったが,さらに看護管理教育理念,教育目標,教育方法,教育担当者,教育の効果等を明らかに,統合的・継続的看護管理教育モデルを構築していきたい.
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