「点滴中の寝衣交換技術」の習得に有効な練習回数と自己練習によって習得される技術項目を知るため調査し、下記の知見を得た。
1. 4回目の練習が最も効果がある。3回目までは進歩があり、5回目には進歩の限界を示す。
2. 自己練習で習得できる可能性が高い技術は「必要性の説明」「着脱の順序」「左側臥位禁止」「点滴瓶の操作」「能率性とプライバシーヘの配慮」「着心地の確認」「寝衣を整える」の7項目、自己練習で習得しにくい技術は、「点滴部位の安全」「振動させない」「滴下の確認」「シワを作らない」「患者の不安の軽減」「安全な環境」の6項目である。
3. UL指数0.4以上の技術項目は、4回の自己練習で期待水準に達するが、UL指数0.2以下で自己評価能力が刺激されにくい特性を示す技術項目は、5回目でも期待水準に達せず、自己練習の限界を示唆する。
臨床指導の受益者である学生からのフィードバックは、試行錯誤のなかで指導を進めている指導者に多くの気付きを与えてくれる。本研究では実習指導者の態度・行動が学生の学習効果にどう影響しているのかを明らかにするために、一人の実習指導者が担当した千葉大学看護学部4年生202名の「成人外科系看護実習指導の評価」を分折し、以下の結果を得た。
1.実習指導者の本質的要素として、①学生の自立と存在価値の承認②学生への歩み寄りと肯定的刺激③サポートシステムとしての役割④良い役割モデルの提示⑤看護実践への思考プロセスの援助、が明らかとなった。
2.学生−患者関係成立の促進は学生の実習への参加度と、自己学習の程度、実習から得られる充実感を高めていた。
3.実習指溝者の経験年数は学生の実習成果に影響していた。