【目的】看護学生の学習態度と臨地実習成績との関係を明らかにする。
【方法】看護師2年課程学校(定時制)の3年生28名を対象に調査した。学習態度は、4段階リッカート尺度20項目からなる自作の授業態度質問紙と実習態度質問紙を使い、学生に自己評価させた得点を用いた。臨地実習成績は、実習評価表に記載された成績を、認知、情意、精神運動の3領域に区分して、その成績得点をz得点に変換したものを認知領域成績、情意領域成績、精神運動領域成績とした。学習態度得点と臨地実習3領域成績との関係はSpearmanの順位相関係数及び多重比較によって、また臨地実習成績3領域間の関係は偏相関及び多重比較によって検証した。さらに社会経験や年齢と実習成績や学習態度との関係も調べた。
【結果】臨地実習の成績は、情意領域と認知領域の間、情意領域と精神運動領域の間、認知領域と精神運動領域の間にそれぞれ有意な偏相関があった。学習態度得点と臨地実習成績の関係は、授業態度得点が精神運動領域成績や情意領域成績と有意に相関していた。また、年齢と臨地実習成績との間には有意な負の相関があった。
【考察】授業に積極的な態度で取り組む学生は臨地実習成績が高いことが示唆された。さらに、年齢が高い学生も受け入れている看護師2年課程学校では、年長の学生に対して、若年の学生より細かい教育的配慮の必要性が示唆された。
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