〔目的〕臨地実習で最も印象に残っている場面のリフレクションから導かれた看護学生自身の価値観、強みや弱みについての気づきの内容を明らかにし、気づきの有無と批判的思考態度の関係を明らかにした。
〔方法〕A看護系大学の4年生を対象に臨地実習で最も印象に残っている場面についてのReflective Journalと批判的思考態度尺度による調査を実施した。気づきについては意味内容の類似性によって分類し、気づきの有無と批判的思考態度尺度得点について比較した。
〔結果〕気づきがあった看護学生は20名(57.1%)で、気づきとして【患者よりも自分の思いや立場を優先している自分】、【予想外の出来事に対応しきれない自分】、【否定的な感情に対し客観的に考えて対応できる自分】、【患者の思いに寄り添うことができる自分】、【恐れを感じるものを避けてしまう自分】、【患者と共に喜びを感じられる自分】のカテゴリが抽出できた。
気づきの有無による批判的思考態度得点には有意差が認められなかった。
〔考察〕臨地実習で看護学生が印象に残った場面についてのリフレクションから看護学生の弱みだけでなく、強みについての気づきがもたらされることがわかった。気づきを導くリフレクティブな思考と批判的思考については更なる検討が必要である。
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