現代医療におけるNurse Practitioner(NP)の必要性と教育到達目標からみた能力及び機能を明らかにすることである。高度医療の中、急性増悪の判断、合併症の判断、救命の対応など、生命・病状に責任のあるケアをするには、確実な病態判断ができる高度な医学知識が必要である。
〔研究目的〕在宅医療推進に向けて、がん治療認定医やがん専門薬剤師と協働でき、プライマリ・ケア能力をもつNurse Practitioner (NP)教育に関する調査を、日本の医師・看護師と米国・台湾のNPに行い、NPの必要性と教育到達目標からみた能力および機能について検討する。
〔方法〕①一般的な傷病に対応する基本的能力に必要な知識・技術、②治療、面接・管理など医療行為、③がんに特化して必要な知識・技術、④役割・業務と⑤NPの必要性を、日本の医師230名・看護師246名と米国166名・台湾115名のNPを対象に質問紙調査を行った。
〔結果〕NPの必要性は、米国NP・台湾NPは96%前後、医師90.9%で、日本看護師61%で一番低く、教育到達目標データは、すべてにおいて米国NPが一番高く、87.3~96.0%の範囲であった。
〔考察〕NP教育は、日本の研修医教育に用いられる一般的な傷病に対応する到達目標レベル、がんに関しては専門医の基本的能力が必要と認識している。また、患者のための医療行為に対する責任感、役割・業務と貢献についても看護の高度専門職としての認識が高く、NPが必要と考えられている。
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